映画レビュー0742 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』

続いてレンタル3本目はMCU補完その2。トータルで言うと15作目にあたります。

前作は「MCUとしてはイマイチ」という印象だったわけですが、今回は聞こえてくる評判がかなり良かったので期待しつつ…。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス

Guardians of the Galaxy Vol. 2
監督
脚本
音楽
公開
2017年5月5日 アメリカ
上映時間
136分
製作国
アメリカ
視聴環境
TSUTAYAレンタル(ブルーレイ・TV)

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス

依頼により「アニュラクス・バッテリー」を守る仕事を請け負ったガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの4人は無事その仕事を成し遂げるも、ロケットがこっそりバッテリーを盗んだために依頼主から追われる身となってしまう。もう為す術もなく絶体絶命と思われたその時、一人の謎の男に助けられ…。

ヒーローとしての強さがわかりにくい。

6.5

ということで「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」2作目なわけですが、好きな方には申し訳ないとお断りしつつ、個人的には今作も前作で感じていた不満点がそのまま残っちゃったような感じでイマイチ感は拭えず、と言った感想。

割と最後がいい感じに終わるので、そこで「良かったー!」となりがちな作りなのがズルいと思いつつも、全体的にはやっぱりどうも中途半端というか…4人1組故に仕方がない面もあるんでしょうが、どうしてもヒーローとしてどこが特徴でどこが強いのかがイマイチ伝わらないのがMCUの一員として致命傷なんじゃないの、という気がします。

おさらい。

前作で「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」として宇宙にその名を轟かせたらしい4人は、新たにプライドの高い「ソヴリン人」という全身金箔のコント的風貌を持つ種族の女王から「アニュラクス・バッテリー」を守護して欲しいという依頼を受けます。そして想定通りこれを狙う謎のオルトロス的なモンスターから首尾よくバッテリーを守りきり、報酬としてガモーラの妹を「好きにしていいよ」と引き受けてお帰り…のはずが、超高価かつ超高性能らしいこのバッテリーに目をつけたロケットがこっそりいくつか盗んだところそれがバレ、ソヴリン人たちから追われる身になってしまいます。

やがてソヴリン人の攻撃機に囲まれ絶体絶命…のところに現れた謎の男が攻撃機を一蹴、さらに機体修理のために近くの星に降り立った彼らを追ってその男もやってきて、「やぁピーター、俺が親父だよ」と驚きの展開に4人はどうする…! というお話です。

そんなわけで今作はピーターの実父であるエゴと、前作から引き続き登場の育ての親であるヨンドゥ、さらにオープニングから共に行動をすることになるガモーラとその妹ネビュラが軸のお話になるということで、大きなテーマは「家族」と言ったところでしょうか。宇宙を股にかけるヒーローもまた人の子であり、そこには家族の物語があるんだよ的な。

そんな内容なので、前作と比べると(前作を踏まえてということもあって)だいぶキャラクターに感情移入しやすい物語になっているような気はしました。当然ながらご紹介的な内容ではないだけに、それなりにおなじみ感も出てくるし。

そこからさらに親子関係を踏まえた展開の妙というのも前作より良かった…とは思うんですが、しかし。

やーっぱりどうもヒーローとして物足りないんですよね。この4人。はっきり言って最後まで観ても「うおお、つえーな!」みたいな感覚がさっぱり無いんですよ。基本的に武器を駆使した戦闘になるので、やっぱりどっちかって言うとヒーローモノよりもスター・ウォーズとかあっちの方に近い印象なんですよね。バトル自体も。

僕はもうきっぱりと「インフィニティ・ウォー」のためだけに観ているような状況なので、となると彼らが合流したときに果たしてどう役に立つのかというのが…ちょっと見えてこないんですよ。特段能力が優れているわけではないので。

戦いの規模というか、相手の強力さで言えばかなりトップクラスの人たちだとは思うんです。それこそ「宇宙を救う」4人ですからね。「アイアンマン」なんて地球内で人間同士がゴタゴタしてるだけですから。

でもアイアンマンのガジェット的な楽しさってやっぱりすごい強いじゃないですか。トニーのキャラも良いし。そういうワクワク感がイマイチ伝わってこないんですよね。この人たちは。

どうしても4人組だから分散しちゃうのもわかるんですが、でもドラックスなんて(キャラはまだ良かったけど)バトル的な見どころはまるでなかったし、その他のメンバーも特殊能力的な魅力があるわけではないので、やっぱりちょっとヒーローとしては弱いんですよね。増してや前作のレビューでも書いた通り、「最もヒーローの可能性を感じる」グルートは幼体化して今作に関してはただのマスコットだし…。

そもそも前作も「強い奴らが集まった」的に強い紹介もなく成り行きで一緒になっただけ、みたいな感じだったので、キャラ重視のシリーズなんだろうというのはよくわかるんですが…MCUとして捉えるとどうしても中途半端な感は否めません。ぶっちゃけそういう意味ではヨンドゥが一番ワクワクする。絶対強いぞ、って感じが。

ヒーローの能力的に「これなら強敵相手にも活躍してくれそう!!」みたいな楽しみがまったく感じられないのが辛い。

マーベルの映画だしさすがに映像としてはすごいんですが、ただこの映像の感じもヒーローモノとしても(ドクター・ストレンジは面白かったですが)個人的に少々飽きが来ているのも事実なので、それなりの安定感こそあれどものすごく良いなと感じるような面はありませんでした。

ただ全体的にはマーベルのサブカル担当的な独特のポジションを確立しているのも事実なので、好きな人はかなり好きなんだろうとも思います。僕はそうではないというだけで。

正直新キャラもそんなに重要な人物が登場するわけでもないので、「インフィニティー・ウォー」目当てでもスルーしちゃってもそこまで問題がないような気もしますが…前作がお好きであればどうぞ、というところでしょうか。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:ネタバレックス

で、一番ワクワクするヨンドゥが死んじゃうっていうね。

あの流れで「真の父の愛的に良かったホロリ」もわかるんですが、そこで綺麗にまとめたところでやっぱりMCU的なつながりを考えると…弱いと思うんだよなぁ。この人たち。

お父さんが神に近い存在の「惑星そのもの」で、彼が敵として立ちはだかるという筋自体はすごく好きなんですが、でもそこの盛り上げ方もイマイチ盛り上がりきれてないような感じもして、ちょっともったいような気もしたり。

最終的にピーターがなんらかの能力を開花したのであれば(ヒーロー的に)かなり期待できる面もあるんですが、そういう描写も無くて結局武器頼りな感じなのも惜しい。

ただこれだけ引っかかる面が多いメンバーなだけに、うまく「インフィニティー・ウォー」で活躍する場面が作られたら…逆にすごいな、うまいなと思えそうな気もするので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

このシーンがイイ!

やっぱりヨンドゥがヤカの矢を飛ばすシーンでしょうね。只者ではない感じが最高。

それとバトルをバックに展開する一風変わったオープニングも見どころでしょう。良いオープニング。

ココが○

今回、原題は単純に「vol.2」なのに対して、邦題の「リミックス」はめちゃくちゃセンスがあって良いと思います。素晴らしい。やっぱり物語的にも音楽がポイントになってくる面もあるだけに、そこに絡めてのタイトルはグッジョブ。

ココが×

上に書いた以外だと、スタローンの唐突感も結構気になりました。前フリもなくいきなり出てきて大して絡まないし。この人の部分そっくりいらなくね?

MVA

ロケットの声を演じるブラッドリー・クーパーがまったくブラッドリー・クーパー感がなくてすごいなと思うんですが、とは言え声担当なのでさすがにこの人にするのも憚られる…ということでこの方に。

マイケル・ルーカー(ヨンドゥ・ウドンタ役)

まあ順当なところで。去年コミコンのために来日してファンサービスもすごかったようなのでありがとうの意味も込めまして。

こういう人が来て喜ぶファンが集まる、っていう辺り、コミコンっていいなーと思いました。一般的にはあんまり知られていない人ですからね。

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