映画レビュー0353 『オーケストラ!』

今日も音楽系映画のご紹介。これまた結構評判がいいわけですが、寝不足で観てしまったという…。

余談ですが、この手のたくさんいる人たちを描くのはめんどくさすぎるのでこんな体たらくです。いつもひどいですが、確信犯的にサボってます。かけねーよあんなの!

オーケストラ!

Le Concert
監督
脚本
ラデュ・ミヘイレアニュ
出演
アレクセイ・グシュコブ
フランソワ・ベルレアン
ドミトリー・ナザロフ
音楽
公開
2009年11月4日 フランス
上映時間
119分
製作国
フランス

オーケストラ!

かつて天才指揮者と言われていたアンドレイは、以前、政府に睨まれたことでその職を取り上げられ、今はロシアのボリショイ劇場の清掃員として働いていた。ある日彼はパリの劇場から急遽ボリショイに出演依頼が届いたことを知り、劇場にバレないようにかつての仲間を集め、勝手に「ボリショイ交響楽団」として演奏しようと動き始める。

いい映画だけど、ちょっと散漫。もう少しストレートで良かった印象。

7.5

自分としては(体調的に)あんまり良い状態で観られなかったので割合薄い感想になる気がするよ、と先にお断りしつつ。

舞台はロシア。今は亡きKGBの名称も登場、やたら共産主義を押している舞台背景からしても、おそらくは少し前、ソ連の頃のお話でしょう。

かつて国家によるユダヤ人排斥政策に反発し、“天才指揮者”と言われながらも指揮棒を取り上げられ、清掃員として働くアンドレイが、たまたま自分だけが知り得た出演依頼に「復活のチャンス」とばかりに勝手に自分の仕事にしようと、かつて同じく音楽の仕事を取り上げられた仲間たち集めに奔走。そして真の目的である、とあるバイオリニストにソリストを依頼して…というお話。

しかしまあ、音楽ものって再結成話多いですよねー。いや、別にそれは全然いいんですが。話として作りやすいのかな。全体的には音楽シーンはかなり少なめ、「バンド再結成と“真の目的”のバイオリニストにどんなドラマが」みたいなお話を、ややコメディタッチで進めていく感じの映画です。

ただ、自分で書いといてなんですが、コメディタッチとは言えどちらかと言うとシニカルというかエスプリの効いた感じというか、ストレートに笑わせに来る感じではないところがフランス映画っぽい感じ。

メインとなる楽団の人たちがかつて迫害されて今は音楽をやっていない人たち、という部分もなんとなくヨーロッパ映画な感じがあって、いわゆる一般人奮闘系なんですが、思ったほど悲壮感も無く、明るく「またやるかー!」みたいな感じではありました。

が、終盤に向かうにつれ、キモとなるソリストの過去の話辺りから割と重いストーリーが語られ始め、最後の演奏とともにグワッと盛り上がる、という流れ。

最後の演奏とシーンの挟み方、音楽の盛り上がりはさすがの一言で、曲自体の良さもありましたが、まあ感情の高ぶりは抑えられず、これまた思わず泣いちゃいましたね。

そこまでかなり乗ってなかったというか、ぼけーっと観てたので「やっぱスゲー、音楽ってスゲー」と単純に感動しました。

が、裏を返せば「ラストだけ」というか。どうも道中が乗り切れなかったんですよねー。楽団の話だけなら良かったんですが、「ユダヤ人は商魂たくましいでっせー」みたいな話だったり、共産主義云々かんぬんの話だったりが結構な割合で入ってくるので、正直少し余計な気がしました。

幅をもたせる意味なんでしょうが、そこでシニカルさを演出している気がして、すこーしだけ鼻につくような感じもあって。もうちょっとストレートに、愚直なストーリーにして欲しかったな、と。ラストが良かっただけに余計。

それともう一つ気になったのが、ちょっと演技が大げさ。何人かの主要メンバーはいいんですが、脇役レベルになってくるとだいぶ大げさな気がして、そこで少し醒めちゃうような感覚がありました。

これもまたフランス映画らしいっちゃらしいですが、かなり地味目だった「ブラス!」と足して二で割って欲しいような印象。この辺もお国柄なのか、はたまた監督の違い故なのか…。わかりませんが。

ラストの“名演”を観るだけでも価値があると思いますが、個人的には中盤ぐらいまでの展開はあまり好きではないというか、そこまで評価できる内容ではないように思いました。ちょっと世間的な評価が高すぎな気はします。

良い映画ですけどね。

このシーンがイイ!

これはもう、ラストの演奏。回想シーンとこの後の展開も挟みつつ、高ぶる感情とともに盛り上がる演奏はかなりグッと来ました。曲も詳しくはないんですが、かなり感情的な激しい曲で、その動きと感情のシンクロ具合はお見事。

当然ですが、相当練習したんでしょう、プロじゃないかと思えるほど見事な演奏(の演技)は迫真で、このシーンだけでも十分惹きつけるものがありました。このシーンだけで一発でメラニー・ロランのファンになりましたね。実際。

ココが○

上と被りますが、やっぱりラストでしょう。言わば「解決編」になってもいるんですが、構成と演技、どちらも本当に良かったです。

ココが×

やっぱりその他のストーリーの部分がイマイチだったかな、と。多分、作品上余計ではないんですが、簡単に言うと「自分はノリが合わない」感じがありました。結婚式の銃撃戦とか謎だったけど笑ったりしたんですが。なんだか散漫な気がしました。

MVA

今回はもう、この人しかないなと。

メラニー・ロラン(アンヌ=マリー・ジャケ役)

物語のキモであるバイオリニスト。

ラストの演奏で、次第に涙を流しながら激しく演奏する様が素晴らしく、「この人本当にバイオリニストなんじゃないか」と思えるほど迫真の演技でしたが、後で調べたら「人生はビギナーズ」のヒロインだったという。

僕もまだまだビギナーズ、マイアーだぜ、ということで。

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