映画レビュー1090 『イップ・マン外伝 マスターZ』

今回はウォッチパーティで選から漏れたものの、「どうせ観たいしみんなで」とシティーハンター翌日に連続でウォッチパーティ鑑賞に至ったこちらの映画。

イップ・マン外伝 マスターZ

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監督

ユエン・ウーピン

脚本

エドモンド・ウォン
チャン・タイリー

出演
音楽

デイ・タイ

公開

2018年12月20日 香港

上映時間

108分

製作国

アメリカ

視聴環境

Amazonプライム・ビデオ ウォッチパーティ(iMac)

イップ・マン外伝 マスターZ

本家よりちゃんとした物語かも。

8.0
「イップ・マン 継承」の後を描いたスピンオフ
  • かつてイップ・マンと正統派詠春拳の名をかけて戦ったチョン・ティンチが主人公
  • 詠春拳は封印し、小さな店の店主として慎ましく暮らすティンチだったが…
  • 定番の流れながらストーリーの軸がしっかりしていて本家の2〜3よりも好印象
  • 溜めて溜めての放出に思わず鳥肌

あらすじ

なにせ「イップ・マン」と言えばドニー・イェン師匠なわけで、彼の出ないイップ・マンなんてイップ・マンじゃない(スピンオフだからしょうがないんだけど)とあまり期待せずに観たんですが、思いの外しっかりしていて実は本家の23よりも面白かったという噂です。自分の中で。

ということで主人公は「イップ・マン 継承(3作目)」に登場したマックス・チャン演じるチョン・ティンチ。

彼は「継承」にて正統派詠春拳の座を争った後にイップ・マンに敗退し、それ以降詠春拳を封印、裏の仕事からも手を洗って息子と二人で小さな食料品店を営む暮らしです。

ある日偶然現場に遭遇したためにチンピラたちに絡まれていた女性2人を助けたティンチ、しかしヤツらはこの辺り一帯を取り仕切る悪名高きマフィアの一員「キット一味」だったために少々面倒なことになってしまい、店を放火されるまでの事態に。

以降彼とキット一味との因縁は続いていきますが、あとはご覧くださいましよといういつもの流れです。

本家よりも良いかもしれない

例によってイギリス統治下における香港が舞台のため、本家で見られたような「結局はイギリス人の権力が最強」みたいなおなじみの上下関係もありつつ、ただ話の流れとしては(読めはしますが)本家の2と3よりもしっかりしていた印象。

脇を固めるサブキャラクターたちも本家よりも存在感があって(つまり本家は良くも悪くもドニー師匠の映画ということなんですが)、なかなかどうして楽しませて頂きました。

やっぱりシリーズファンとしてはどうしてもイップ・マン=ドニー師匠が出てこない寂しさというのは拭い難いものがあるんですが、とは言え代わりに主人公に納まったチョン・ティンチも男臭い正義感を秘めたクールガイで(当然ながら)主人公らしいキャラクターだし、ドニー師匠よりも若くイケメンなのでこっちの方が女性ウケは良いのかもしれないという気がしないでもないです。

そのためなのかどうかはわかりませんが、鑑賞後にこのスピンオフの続編が決定したという話も聞こえてきまして、やっぱりこれはこれでなかなか好評だったんでしょうね。

別に比較することでもないんですが、やっぱりなんとなく自分の中で比較してしまうのは人間のサガなわけで、順番をつけるのであれば1>外伝>2=3かな、という感じでしょうか。

1は初見の衝撃もありましたがそれ以上にとにかくもうドニー師匠のアクションが素晴らしく、圧倒的に強いから好きなんですよね。それを踏まえてなので仕方がないとは言え、続編は「あのイップ・マンが苦戦」みたいな余計なファクターを入れてくれちゃってそんなのいらねーよ感が強かったわけですよ。おまけに展開的にも似てきちゃうし。

「3」に至っては「どっちにも華を持たせましょう」的なマイク・タイソンとの中途半端なバトルがあったりして「そうじゃねえよ」と半分頭にきたりもしたんですが、その辺りのしがらみを断ち切ってのスピンオフ、これはなかなか悪くないじゃないと満足しました。

スピンオフならではの強み

あとはやっぱりこの映画のポイントとしては、チョン・ティンチが物語開始時点で「詠春拳を封印している」点なんですよね。ここがすべてと言っても良いと思います。

当然、「封印している以上はどこかで解き放つ」のは目に見えているわけですが、その「来るか来るか!?」を溜めて溜めてーのファンサにはわかりきっていながらもグッと来ました。「これこれー!」ってそりゃあもう大騒ぎですよ。

詠春拳を使わなくても普通に強いチョン・ティンチもすげーなと観客に植え付けつつ、「だったら詠春拳使ったらもっとお強いんでしょう?」と期待のさせ方も上手い。もう焦らし攻撃がすごい。濡れ濡れですよこっちは。おっさんも濡れ濡れ。

その辺りの展開もベタっちゃーベタなんですが、とは言えその核の部分が強いだけにベタでも痺れるしある意味では期待通りに楽しませてくれているわけで、作り手の掌の上で気持ちよく踊らせてもらいました。最高。

これドニー師匠がやったらもっと最高だろうな…とは思いますが、なにせ彼は実在の人物がモデルなだけにやりたくても出来ないじゃないですか。話としておかしくなっちゃうわけで。

でもチョン・ティンチならそれが出来る。そこに創作、スピンオフの強さがあるなと。美味しさがあるなと感心しました。

シリーズ好きは観て損無し

きっとイップ・マンシリーズを好きな人であれば、概ね僕と同じような「ドニー師匠がいないのは寂しいものの、チョン・ティンチならではの良さが良い」と思える映画ではないかと思うので、まあ単純にシリーズ好きなら観といて損はないよというお話だと思います。続編も作られるみたいだしね。

ただその前に…去年公開になった本家の「4」、最後の一本が残っているわけですよ…!

正直「また同じような展開なんじゃないの」とあまり期待していない部分もあるんですが、とは言えやっぱりドニー師匠の詠春拳に飢えてきているのも確かなので、非常に楽しみにしております。早くネトフリかアマプラ辺りに来いよ…!(結局配信に期待)

このシーンがイイ!

いやーこれはやっぱり…“名乗り”のシーンしかないでしょう。鳥肌立った。

あの酒のグラスを二人でうねうねやるシーンも爆笑だけども。

ココが○

上に書いたように、スピンオフならではの設定の良さとサブキャラの活かし方が良いですね。本家よりもしっかりドラマしていると思います。

ココが×

これはもう圧倒的に「もっと見せろ」感。「えっ、もう終わり?」って感じ。

あんまり書くと興を削ぐので書きませんが、観た人なら同意してもらえるんじゃないかと思います。

それと強引なトニー・ジャーの使い方。ストーリーにほとんど関係ないのに急に入ってきてボーナスキャラ的に格闘シーンを見せて去っていく謎さ。サービス感すごい。

MVA

まあねー、マックス・チャンすごくかっこよかったしミシェル・ヨーもさすがだったんですが…この人かなー。

シン・ユー(フー役)

店が無くなったティンチをバーで雇ってくれた、いわゆる「お兄ちゃん」。

彼のポジションもとても大きいし、おまけに彼も結構強いしで見せ場が結構あってグッド。聞いたところでは本家の1にも登場していたそうなので…これはもう一回1も観なければ…。

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