映画レビュー1103 『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』

今回もネトフリ終了間際シリーズでーす。

思いの外好きになってしまった「ジョニー・イングリッシュ」シリーズを経験し、こっちも観ておかないといけないのでは…! という謎の責任感により観ることにしました。

Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!

Mr. Bean’s Holiday
監督

スティーヴ・ベンデラック

脚本

ロビン・ドリスコル
ハーミッシュ・マッコール

原案

サイモン・マクバーニー

原作(キャラクター創造)

ローワン・アトキンソン
ロビン・ドリスコル

出演

ローワン・アトキンソン
エマ・ドゥ・コーヌ
ウィレム・デフォー
カレル・ローデン
マックス・ボルドリー
ジャン・ロシュフォール

音楽
公開

2007年3月30日 イギリス

上映時間

90分

製作国

イギリス・フランス・アメリカ・ドイツ

視聴環境

Netflix(PS4・TV)

Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!

少々笑えない時代になってきた。

5.5
あのビーンがカンヌまで旅に出るも当然トラブル続き
  • カンヌ旅行に当選したMr.ビーン、一人カンヌへ向かうもいろいろひどい
  • トラブルだらけで迷惑かけまくりの旅行、果たしてどうなる
  • キャラの性質上、今の時代では少々不謹慎感が強くなってきた気も
  • なんでも出てくるウィレムさん最高

あらすじ

ご承知の通りMr.ビーンはTVシリーズで人気を得たキャラクターですが、映画化作品としてはこの映画が2作目にあたり、前作が「ビーン」になります。なんて潔いタイトル…!

僕は前作未見なんですが、鑑賞順を気にするほどちゃんとした内容だとも思えないし、何より配信終了が迫ってきているので観ましたよっと。

何のくじ引きなのかはわかりませんが教会で行われた抽選会の結果、見事Mr.ビーン(ローワン・アトキンソン)がカンヌへの旅行券&ビデオカメラに当選。ローカル抽選っぽいけどこれ相当豪華な景品じゃない…? と思いつつ、カメラ片手に意気揚々とカンヌへ向かうビーンさんでございます。

ビーンさんはまず乗車する列車の前で自らを撮影してもらおうとたまたまやってきた男に撮影を依頼、当然いろいろ問題を起こしながら乗り込んだら頼んだ男性だけ駅に取り残されるという最悪の失態を犯し、そこで乗り遅れてしまった男性と別れる形になってしまった息子と気まずい相席でカンヌへゴー。

その後もなんだかんだ息子くんと行程を共にすることになったビーン、最初は険悪だった仲も次第に打ち解けていくも気付けば誘拐犯として指名手配されていた…! どうなるビーン! 無事にカンヌにたどり着けるのか!?

今の御時世に合わないキャラかもしれない

僕はMr.ビーンには詳しくないんですが、最近たまたまアマプラで初期のビーンを少し観ていたこともあっていい感じに予習できていました。基本的にはテレビ版のまんま、「ちょっとスペシャルなビーン」というところでしょうか。よくあるテレビ番組の映画化の印象そのままです。

序盤に駅の食事でアレコレやらかすシーンは初期のMr.ビーンでも似たようなエピソードを観た記憶があり、あの辺りは「定番のネタ」なのかもしくはファンサービスの一環なんでしょう。どうでもいいチョイ役でフランスの名優ジャン・ロシュフォールが出てきたのが一番笑いましたが。

早速本題ですが、今回観ていて思ったのが…ちょっとビーンって発達障害っぽいんですよね。普通に社会生活を送っている人間であればまず取り得ない行動ばっかりするんですよ。

発達障害の方をくさすつもりはまったくありませんが、やっぱり普通に観ていて「普通の大人がこんなおかしいことをしている(から笑える)」というレベルを完全に超えてしまっていて、何らかの障害がある人のようにしか見えなくなってくるんですよね。そうなってくると、「ビーンのおかしさを笑う=障害者を笑ってる」ような気がしてきて、すごく居心地が悪くなるしそもそも面白くも無くなってきちゃって。

もしかしたらこれは逆に差別的な見方かもしれず、「障害者は気の毒に思わないといけない」みたいな考えが自分にあって笑えなくなってきているのかもしれませんが、そういう自分の内面に向き合うこと自体、笑おうと思ってこの映画を観始めた趣旨とズレてきてしまうので、結局「今となってはこのキャラはつらい」というのが結論になりました。

公開当時であればもっと何も考えずに笑えた可能性はあると思うんですが、今はいろいろと知識を広げていろいろな立場に対して気遣えるように(もしくはそう心がけるように)なってきたために、「このキャラで笑っちゃうのがしんどいな」と思うようになっちゃった面が少なからずあって、申し訳ないんですがそういう意味で少々つらいものがありました。

あまりにも無邪気に迷惑をかけまくるビーンは子どものようなもので、笑いで言えば「笑わせる」のではなく「笑われる」タイプだし、それは根底に「相手をバカにする」ものが含まれているので、ちょっと今の時代こういう笑いはつらいよな、と。

もちろんそれをローワン・アトキンソンが“演じて”いることはわかっているんですが、その演じること自体にもバカにするようなニュアンスを感じてしまい、どこかでそれが引っかかっちゃう。「ズーランダー」でモデルをバカにしながら演じているのが気になったのと同じ感覚。

じゃあ「ジョニー・イングリッシュはどうなんだ」という話なんですが、あっちは純粋に能力が低い人物がスパイをやっている面白さで笑っちゃうし、あのキャラは「笑わせに」行ってると思うんですよね。ビーンよりもセリフも多いし、主体的に動いてるし。欲が見えるから人間味もあるし。

説明が難しいんですが、ビーンはジョニー・イングリッシュよりも純粋に見える分、笑ってると気の毒になってきちゃって、いろいろコンプライアンス的にうるさい今の御時世にこのキャラでコメディはつらいのでは…という気持ちが強くなってきてしまいました。

結論:ジョニー・イングリッシュを観よう

僕も「厳しすぎる」基準でものを作るのは良しとしないので、こういうコメディがあること自体は慝いことではないと思うんですが、ただ個人的にはもうこの手の笑いはしんどいな、という思いが勝ってきてしまったという結論です。

だってさー、携帯番号の最後の2桁がわからないぞ、ってなったときに100通り全部かけよう、って思う人いる?? しかも公衆電話から。

あまりにも純粋すぎるし大人でここまで純粋なのは何かしらの問題を抱えていると思う方が自然だと思うんですよね。となるともうそこで笑えないな、ってなっちゃうという話です。

同じローワン・アトキンソンのコメディとしては断然「ジョニー・イングリッシュ」を推します。迷惑すぎるダメ人間感はギリギリ許せるライン…? その辺りの判断もまた観る人次第なんでしょうけどね。

このシーンがイイ!

どうでもいいシーンですが、やっぱり今は亡きフランスの名優ジャン・ロシュフォールが嬉しそうにコメディに出てきてるのはたまらないものがありましたねぇ…。

ココが○

なんだかんだ言いつつ笑っちゃうシーンはたくさんありました。CM撮影のシーンとかひどすぎてよかったですね。

ココが×

やっぱりビーンのキャラクターがしんどい点に尽きるかな…。もう少し小狡くて良いと思う。「悪気はない」が行き過ぎてなんらかの障害を感じてしまうのがつらい。

MVA

この手のコメディに出てきて頑張っちゃうウィレムさんにも惹かれるところですが、この人にします。

エマ・ドゥ・コーヌ(サビーヌ役)

一応はヒロインになるのかな? CMの主演女優でウィレムさん演じる監督の映画にもほんの少し出ている新人女優。

とても表情豊かでかわいく、なかなか良いヒロインだったと思います。でもこれ以降映画には出ていないみたいで…もったいない。あんまり評判良くなかったのかなー。

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