映画レビュー0845 『マーティン・フリーマンのスクール・オブ・ミュージカル』

この日もネトフリ終了間際から1本チョイス。

他にも数本観たい映画はあったんですが、マーティンファンにオススメされたのとイギリスコメディに弱いという自分の好みを鑑みて観てみました。

マーティン・フリーマンのスクール・オブ・ミュージカル

Nativity!
監督
デビー・イシト
脚本
デビー・イシト
出演
マーク・ウートン
ジェイソン・ワトキンス
アシュレー・ジェンセン
パム・フェリス
リッキー・トムリンソン
ジョン・セッションズ
音楽
デビー・イシト
ニッキー・エイガー
公開
2009年11月27日 イギリス
上映時間
106分
製作国
イギリス
視聴環境
Netflix(PS3・TV)

マーティン・フリーマンのスクール・オブ・ミュージカル

小学校講師のポールは毎年行われているキリスト生誕劇の担当となるが、別の学校の教員で毎年生誕劇のプロデューサーとして高評価を得ている旧友に見栄を張って「うちの学校にはハリウッドのプロデューサーが来るから」と嘘をついたところ、街中を巻き込む大騒ぎとなってしまい…。

いかにもなハッピーブリティッシュコメディ。

8.0
見栄でついた嘘が引っ込みつかなくなっちゃって…
  • クリスマスを題材にした小学校の演劇コメディ
  • 悪い人が出てこない良質ファミリー映画
  • イギリス版「スクール・オブ・ロック」的な印象

めっちゃクリスマス丸出しのお話なんですが…なんでこの時期(10月下旬)に配信終了なんや…ネトフリはん…。

マーティン・フリーマン演じる主人公のポールはかつて俳優を目指して学校に通っていたんですが方向転換により今は小学校の教師として働いています。

彼には同じく俳優を目指して学校に通っていた彼女がいたんですが、彼女は「ハリウッドでプロデューサーになる」とポールとは別方向に方向転換、しかもどこかですれ違いが重なってあえなくお別れ、彼女は愛犬を残して去って行ってしまいます。

未だ彼女への思いを断ち切れないまま日々を過ごすポールに、校長から「今度の生誕劇のプロデュースをお願いします」とご指名を受け、ムリだと断りつつも断りきれずに引き受けることになったんですが…どうもこの地域の生誕劇(キリスト教圏ではどこの学校もやるおなじみのイベントらしい)は新聞記者による格付けが恒例になっているらしく、かつてポールが担当した時は大惨事によって大酷評を受け、一方毎年大絶賛されている学校が一校ありましたよと。そこの生誕劇担当の教師が、これまたかつてポール&ポールの彼女と同じく俳優を目指して学校に通っていた旧友のハゲ(名前忘れた)なわけです。

学生時代は彼女含めて3人組の仲良しグループ的雰囲気だったくせに、その旧友は急にハゲるわ厭味ったらしくなるわでとても嫌なヤツになってしまわれ、劇の買い出し中にばったり再会した彼に「今年はポールが担当するんだって? まあお手並み拝見だな俺のところも観に来ればいいじゃんどうせ勝てないんだし」ぐらいの雰囲気で声をかけられたポール、見栄を張って答えちゃうわけです。

「まあうちのところはハリウッドのプロデューサーになった彼女が来るけどね。スカウト兼ねてね。なんなら映画にもなるし」

と。

彼女と別れたことはショナイでお願いします、と。

それを近くで聞いていた、生誕劇手伝いのために臨時で雇われた校長の甥・ポピー先生が盛大なるスピーカーとして各方面にお知らせしてくれ、めでたく窮地に陥るポールというお話です。

概要的にはこの「かつて学生時代に仲が良かった3人組」が軸にあるお話っぽいんですが、実際はその3人組がベースにありつつもそこを好き勝手かき混ぜてくれる“明るいサイコパス”ポピー先生が大いにコメディ気分を盛り上げてくれるという「一人のせいでいろいろややこしくなっちゃう系」のお話です。

もっとも彼のおかげで好転する部分も多いのでただマイナスなだけではないんですが、それにしても余計なことをしてくれることこの上なく、「アレやるなよコレやるなよ」という不安をすべて「前フリでしょ?」とばかりにやってくれるダチョウ倶楽部的キャラクターである上に子どもたちにはポールよりも人気があるからタチが悪い、というなかなかの「コイツまたやってくれたな」感が最高でしたね。ほんと。

この手の映画らしく後半は協力して最後の勝負(=生誕劇)に向けて頑張ろうモードが高まってくるんですが、僕はその前の中盤ぐらいまでの「ポピー先生大暴れの巻」のフェーズがもう好きすぎて好きすぎて、ずーっとニヤニヤしながら観てましたね。本当にこの“明るいサイコパス”的キャラに弱い。

決して嫌なヤツではないし、なんなら純粋な気持ちでいろいろやってくれてるんだけど全部裏目、っていうその絶望的なセンスの無さが最高で最高で。

劇中もポールからはっきり面と向かって「頭が悪い」的なことを言われるんですが本当にそうなんですよね。ものすごいバカというか空気が読めない人で。「奇人たちの晩餐会」のピニョンのような。

そんな彼に振り回されながらいつも不機嫌で怒りまくっているポール、でもそれもしょうがないよねというポピーのダメさの対比がいかにもコメディ的でとても楽しませていただきました。

そんなコメディが基本の映画ではあるんですが、当然ながら「みんなで頑張っていい劇を作ろう」という共通の目標があるのでちょっといい話感も出やすいし、おまけに子どもたちが中心なのでこれまた当然ながら「最終的に全員死にました」的なバッドエンドもなく、至って平和に安心して観られる良質なコメディドラマになっていると思います。

もちろん話としてご都合主義的でうまく行き過ぎな面もあるんですが、まあこういう映画だからその辺は大目に見てあげて良いんじゃないかなと思いますね。ある意味ではファンタジーだし、浮き輪つけてプールに浮かぶような生ぬるさもまた味ですよ。「くだらねぇな」って言っちゃう方が悲しいです。こういう映画は。

なのである意味では素直な人ほど楽しめると思います。これこそまさに子どもと一緒に観ると良い映画の一つじゃないかなぁ。その後に役立つ価値観も特に無い話ではありますが、ニヤニヤクスクスしながらニコニコハッピーな物語を観る、そういった時間もまた大事だよねと。

舞台がクリスマスなだけになんとなく明るい気持ちにさせてくれるハッピーな物語として、割とバカに出来ない良さがあると思います。イギリス映画が好きな人であれば間違いないんじゃないでしょうか。

ネタバレ・オブ・ミュージカル

最後にハゲも(もっと言えば開演前の校長もそうですが)壇上に上げてノーサイド、ってベタですが良いですよね。いがみ合わずに認めあって終わりでいいじゃないか、っていう。

あの辺はやっぱり予定調和だろうがやっておくかどうかで子どもと一緒に観る時の価値に違いも出てくるんじゃないでしょうか。

ヘリが飛んできての「ハリウッドだー!」はさすがに笑いましたが、まあそこから「マジでデビューすることになった!」とか「映画化しよう!」とかまで行ったわけでもないので、あくまでハリウッドでの彼女と上司の人間関係の延長線上として「見に来てやったよ」なら良いのかなと思います。

このシーンがイイ!

ありがちですが劇伴流しつつの練習風景はいいシーンでしたね〜。

笑ったのは「DVD言い過ぎ」でしょうか。ああいうツッコミ入るのってなんか映画としては珍しい気がする。

あと子どもたちのオーディションも良かったな。

ココが○

なんと言っても明るくハッピーな雰囲気が良いですよね。やっぱり年末年始の休みの頃に観て、気分良くして新年を迎えましょう的に使いたい映画です。

ココが×

どうしても予定調和感は強めなので、「ありきたりだな」と思っちゃうのはしょうがないと思います。ただこの映画は裏切る方に価値を置くべきではないのも確かなので、そこに期待しちゃうなら最初から観なくて良いんじゃないかなーと。

あとは申し訳ないんだけど元カノがものすごくかわいくない。好みとかを超越したレベルで見た目に魅力がなかったのがすごく残念。なんでこの子なんだよ…。

それとこの冠番組みたいな邦題、なんとかならないのか…。

MVA

日本で名が知られている俳優さんはマーティン・フリーマンだけだと思いますが、だからなのか…さすがに華があるというか、見せますね彼は。表情豊かでコメディ適性も高いし。

でもこの映画はこの人で決まりでしょう。

マーク・ウートン(ポピー役)

校長の甥で生誕劇担当の臨時講師。そして明るいサイコパス。

とにかく前半から中盤にかけてはこの人が引っ掻き回してくれて笑った笑った。最高でした。

元々コメディアンらしいのでそれも納得のひどい人物。でも嫌いになれない感じも見事でした。

いやーもっと観たいわこの人。

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