映画レビュー1475 『ヴァチカンのエクソシスト』

今回はアマプラ終了間際シリーズに戻りましてこちらの映画。
結構話題になっていたのでどっかのタイミングで観ようかなと思っていた一本。

ちなみにこれを観たときではなく2025年4月現在の話なんですが、「アマプラにCMが入るようになった」と聞いてはいたものの、いざ観てたらモロ映画本編中唐突にずどんと入ってきて激冷えしました。飛ばせないCMが30秒。
そろそろアマプラやめようかなと悩んでいたのでいよいよアマプラともお別れかもしれません。さすがに有料でこれはキツすぎる…。

ヴァチカンのエクソシスト

The Pope’s Exorcist
監督

ジュリアス・エイヴァリー

脚本

マイケル・ペトローニ
エヴァン・スピリオトポウロス

原案

マイケル・ペトローニ
R・ディーン・マクレアリー
チェスター・ヘイスティングス

原作

『エクソシストは語る』
ガブリエーレ・アモルト

出演

ラッセル・クロウ
ダニエル・ゾヴァット
アレックス・エッソー
ピーター・デソウザ=フェイオニー
ローレル・マースデン
フランコ・ネロ

音楽

ジェド・カーゼル

公開

2023年4月14日 アメリカ

上映時間

103分

製作国

アメリカ

視聴環境

Amazonプライム・ビデオ(Fire TV Stick・TV)

ヴァチカンのエクソシスト

これは宗教版ハリー・ポッター…!

8.0
悪魔に取り憑かれた少年を救うべく、エクソシストが壮絶な悪魔祓いに取り掛かる…!
  • 強大な悪魔に取り憑かれた少年を救うため、実績十分のエクソシストが悪魔とバトル
  • いわゆる心霊現象や怪奇現象は「悪魔の仕業」とする古くて新しい内容
  • 最終的には激しいバトルと化してさながらハリー・ポッターの様相
  • ラッセル・クロウだからこそのパワー感が◎

あらすじ

もっとバッタンバッタンと悪魔をなぎ倒していくストロングスタイル神父映画なのかと思ってたんですが、意外とちゃんとホラーしようとしていてちゃんと(?)してました。もっとふざけてるのかなって。

教皇直属のチーフ・エクソシストであるガブリエーレ・アモルト神父(ラッセル・クロウ)は教会の許可を得ずに勝手に“悪魔祓い”を行ったことで教会のお偉いさん方から糾弾されたりしていますがそんなものはどこ吹く風です。
次の仕事として教皇(フランコ・ネロ)からスペインの田舎にある修道院へ行くよう命じられたアモルト。現地では過去の事故のせいで言葉を話せなくなった少年ヘンリー(ピーター・デソウザ=フェイオニー)が見事に狂っており、こりゃあ精神疾患じゃないよねということでお仕事を開始しますが、相手は相当に強力な悪魔らしく、苦戦するアモルト…さあ、どうなる…!

ラッセル・クロウだからこそ

巨漢で(申し訳ないけど)横暴な印象が強いラッセル・クロウが神父になって悪魔と戦う、もうそのビジュアルの時点で“勝ち確”的な映画。そりゃあ悪魔だってしんどいでしょうよと。
これが一般的なイメージの(線が細い)神父さんが主人公であれば全然話は違ってくると思うんですが、演者のおかげでこうも盛り上がるものなのか…と新しい要素を発見したような気分です。
この役を例えば…(L.A.コンフィデンシャルつながりで)ガイ・ピアースがやったらそれはもう全然違うと思うんですよ。眼鏡も吹っ飛んだりしてさ。
これはやっぱりラッセル・クロウがやるからこそ面白いというか強者感が出るというか。相当強大な悪魔に対してこっちはこっちで強烈なおっさんが対峙するぞと。これは人間にも勝ち目があるぞと期待感が膨らむナイスキャスティングです。もう原付に乗ってる時点でズルい。
ちなみに続編も決定しているらしく、ラッセル・クロウはもちろん続投です。
もっと言えばラッセル・クロウはこのあと「ザ・エクソシズム」という「エクソシスト役を演じる俳優」の映画にも出るそうで、ここに来てまさかのエクソシストバブルが到来しています。笑っちゃうでしょこんなの。

物語の都合上「悪魔に取り憑かれた人物」が言わば“悪魔役”も兼務する形で演じているんですが、これがまたなかなか強烈かつお上手で、そんな悪魔の皆さんの熱演もあって娯楽ホラーとしてなかなかの出来。
割としっかりホラーっぽく怖がらせるようなシーンもふんだんにあり、(ホラーは詳しくないですが)大体のホラーでは霊的な何かとして表現されがちな諸々を全部ひっくるめて「悪魔の仕業」にぶん投げちゃうのは最近あんまりないストロングスタイルっぷりでそこが逆に良かったですね。使い古された手法だとは思うんですが、今の時代だと新しく感じるような。
そもそも宗教色の薄い日本に住む人間としては「悪魔の仕業」自体が相当に縁遠いものなだけに、余計に(制作側の意図以上に)娯楽感が強まってしまうような傾向もあると思います。だからこそ日本で結構話題になったのかな、とか。
日本に置き換えるなら妖怪 vs 陰陽師とかになるんでしょうか。それはそれで面白そうだけど。
もしかしたらキリスト教プロパガンダ的な側面もあるのかなと思ったんですが、そっち方面にはあまり行かずあくまで(悪魔だけに)娯楽ホラーにとどめているのも深さはないものの潔くていいと思います。
最終的にはバトル映画みたいに感じになってしまうものの、それはそれでバカバカしくていいし、そこがまたウケた理由なのかもしれません。
で、最終的には「これ宗教版ハリー・ポッターだよね」という感想だったよ、と。杖が十字架になっただけじゃね? みたいな。

衝撃の事実(?)

察しの良い方はお気付きかもしれませんが、ラッセル・クロウ演じる主人公の名前は原作者の名前と一緒です。
そう、この映画は実在の神父による回顧録を元にしているという衝撃…!
どこまでその回顧録から引っ張ってきているのかはわからないので、さすがに「マジでこんなバトル繰り広げたのか〜」とはなりませんが、しかしそれを除いても十分眉唾物の“悪魔祓い”をリアルに書き残した神父さんがいた、というだけでもなかなか面白い話だなと思います。この辺もやっぱり宗教観の違いが大きいんでしょうね、きっと。日本なら「実在したイタコの本」みたいなものでしょうか。
はっ、もしや大●隆法か…!?
おや、誰か来たようだ

このシーンがイイ!

少年とお姉ちゃん両方が悪魔になっちゃってるシーンは「(役者さん)どっちも頑張ってんなぁ」と感心しちゃいましたね。

ココが○

ホラーなんですがホラーというより娯楽になっていて、もうシンプルで頭使わないアクション映画に近い感じが良かったです。多分宗教に近い欧米の見方からすると間違ってるんだろうけど。

ココが×

特にこれと言っては無かった気がします。
突き抜けていい部分はありませんが、ただボケっと観る分には特に不満のない映画かなと。

MVA

少年が頑張ってたなぁと思うんですが、しかしやっぱりこの人でしょう。

ラッセル・クロウ(ガブリエーレ・アモルト神父役)

主人公。歴戦のチーフ・エクソシスト。
上に書いた通り、ラッセル・クロウがやるからこそ面白くなるような役だなと思います。果たしてモデルとなった同名の神父さんはどう感じているのかそっちも知りたいところですが…。
次作はもっと悪魔祓いシーンを増やしてほしい。イコライザーみたいに。

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