映画レビュー1532 『第10客室の女』
この日は特にアマプラも観ようかなと思うタイトルがなく、じゃあネトフリ覗いてみるかと開いたところランク1位にこの映画があったのでじゃあ観てみるかなと。
洋画が1位って結構珍しいような気がするんですよね。割と。
第10客室の女
サイモン・ストーン
ジョー・シュラップネル
アナ・ウォーターハウス
サイモン・ストーン
エマ・フロスト
『第10客室の女』
ルース・ウェア
キーラ・ナイトレイ
ガイ・ピアース
デヴィッド・アヤラ
アート・マリック
ググ・バサ=ロー
カヤ・スコデラリオ
デビッド・モリシー
ダニエル・イングス
ハンナ・ワディンガム
ギッテ・ビット
クリストファー・ライ
ピッパ・ベネット=ワーナー
ジョン・マクミラン
ポール・ケイ
アマンダ・コリン
リーサ・ローヴェン・コングスリ
2025年10月10日 各国
92分
アメリカ・イギリス
Netflix(Fire TV Stick・TV)

最後が雑…!
- 何かと殺人が起こりがちな豪華客船に取材でやってきたジャーナリスト、同乗者に元カレ発見
- 元カレを避けるために誤って隣の部屋に入ったところ「客にいない」はずの女性と出くわす
- 夜中に隣の女性が海に落ちたのを目撃するも「その客室には最初から客はいない」と言われ…
- 途中までは悪くないものの、オチが雑すぎて笑えるレベル
あらすじ
途中までは割と上々だったんですが…映画はオチが大事、改めて噛みしめる一本。
ジャーナリストのローラ(キーラ・ナイトレイ)は直前の仕事でメンタルを少々やられてしまったため、気分転換を兼ねて依頼を受けていた豪華客船の取材に向かいます。
その豪華客船の招待客はいわゆるセレブたちで、ローラは仕事で乗り込む唯一の存在…かと思いきや元カレのベン(デヴィッド・アヤラ)がカメラマンとして参加。気まじーことこの上ありません。
ある時向こうからベンがやってくるのを気まじーので回避しようとしたローラは急いで自室に逃げ込んだ…つもりが隣の部屋で、そこで出くわした女性にサーセンと謝るも「良いのよ」と軽くお許しを得て事なきを得、その日はそこで終了。
しかし夜中寝ていると隣の部屋から何やら激しい口論とドカドカ騒音がしてきたため、なんだなんだ穏やかじゃないわねとバルコニーからお隣を覗こうとしたところ、今まさに人がザッパーンと海に落ちる瞬間だったためキヤー! と叫んでしまいまして、それを聞いた乗務員やら客船の持ち主のリチャード(ガイ・ピアース)やらが駆けつけ事情聴取、「隣の部屋の女性が海に落ちたのを見た」と証言するローラですが、リチャード他全員が言うわけです。「隣…? 隣の部屋は出港当初から空き部屋だが…?」と…!
事前に女性と一声ですが会話を交わした事実もあるだけに当然ローラは「そんなはずはない」と主張しますが、乗務員も客たちも全員他に客がいたとは思っていないため「やべぇ女を乗せちまった」的に頭おかしいやつと見なされ、次第に居場所を失うローラ。
正しいのはローラか、はたまた他のメンバーか。
アガサ・クリスティっぽい(?)
なぜ豪華客船は殺人事件が起こりがちなんでしょうか。
と問いかけつついきなりメタ的な解釈をすれば密室の豪華版みたいなものだから作りやすいんでしょう、って話だと思います。
少し前に観た、同じ豪華客船での殺人を描いた「ナイル殺人事件」を思い出したせいもありますが、どことなくあらすじからしてアガサ・クリスティっぽい。でもアガサ・クリスティ詳しくないからなんとなく言ってるだけ、といううっすいレビューがこちらになります。
問題の“第10客室の女”、主人公は「見た」、他の人間は「いるはずがない」と意見は真っ二つ、狂っているのは主人公かはたまた他の人間か…とどちらに転んでも良いような途中までの作りは割と楽しめ、悪くなかったです。
普通に考えれば主人公が正しい(主人公だし)はずですが、最近は「実は主人公がおかしかった」みたいな話も珍しくないので「こりゃあ〜ワンチャン主人公が狂ってました系あるでぇ〜!」とワクワクしつつ観ていました。何のワンチャンだよ、みたいな。
で、主人公のローラ(通称ロー)もかなりヒステリックさが強調されたキャラクターに見え、「もしかしてまじで主人公の頭がおかしいんじゃないの?」と疑いたくなるような見せ方は結構好きでした。
一方でそんなキャラクターなので「敏腕ジャーナリスト」的な扱いも少々疑問符がつく点もあり、彼女のキャラクターについては功罪両面あるかなと思います。わざわざ「ジャーナリスト」にしたのであれば、もう少し地道な調査や取材から丹念に真相に向かっていくような作りがあっても良かったのかな、と。正直この作りではジャーナリストである意味はありません。単純に「セレブじゃないけど船に乗る(乗らせる)ため」の肩書でしか無かったのが残念。
で、まあそんな感じで途中までは(ジャーナリストっぽくない点を除けば)悪くなくて、あーどっちなのか誰が嘘をついているのか…と薄々「こうじゃないの」という直感的な想像から犯人を予想しつつジワジワと楽しめていたんですが、終盤がもう本当にびっくりするぐらい雑なんですよ。
上映時間92分のうち、76分ぐらいまではきっちり書いていた脚本家が急にめんどくさくなったのか疲れたのか楽しみにしていた新作ゲームが発売されてそっちに時間を割きたくなったのかわかりませんが、いきなり今までのジャンルを放棄してパワープレイに走るというなかなか最近観ないレベルの雑さを見せつけてくれ、「うわまじかよwwww」と笑わせてもらいました。これまでの時間、なんだったんだ…。
一応ね? 最初の「間違い入室」もツッコミどころではあるんですよ。「第10客室の女」がいたとしてもいなかったとしてもそもそもなんで鍵かかってないのよ、っていう。
ただそんなレベルじゃない雑さなんですよね。最後。
それこそアガサ・クリスティつながりで「オリエント急行殺人事件」を例にすれば、終盤までやれ犯行がどうだっただの犯人は誰だのと聴取してたのに急に電車が脱線して全員死んで終わりました、みたいな雑さ。
これはさすがに評価できません。途中までは面白かったので酷評とまでは行きませんが…。
この終盤の雑な放り投げっぷりからして「やっぱりネトフリオリジナルはあかんな」とまたもネトフリオリジナル映画の評価を熱心に下げてくる内容だったのがつくづく残念です。
もっとオチに力入れてください
まあネットでは例によって「すごく良かった!」みたいに言っている人もいるので好みの問題かもしれませんが…。
ただやっぱりどうも最近、うっすらとですが「オチを組み立てる力、弱まってない…?」と思うんですよね。大半の娯楽映画で。
逆に言えばそこがしっかりしていると良作として評価されるということなんでしょうが、正直このレベルのオチで大々的に「新作! 1位! 今すぐ観よう!」って煽れるのが信じられません。
こんな軽いものじゃなかったと思うんですけどね、映画って。時代なんでしょうか。
はぁ…なんだかなぁ…。
このシーンがイイ!
なんかオチが雑すぎて笑っちゃって全部忘れちゃったので特になしになります。
ココが○
上記の通り、途中までは良かったです。
その良かったのも「どっちが正しいのか」と観客を半信半疑にさせるところが中心だったと思うので、もっとその方向性を活かす内容だったら良かったのかも。
ただそうすると原作とはだいぶズレていってしまうのかもしれませんが。(なお原作は未読です)
ココが×
くどいようですが終盤のいろいろ。
特にとある登場人物の見せ場(と思われるシーン)は「かっこいい」どころか「今までのお前なんだったんだよwww」と爆笑しました。
それやるならさぁ…もうちょっとさり気なくフリを入れるとかさぁ…。
MVA
今回はこの人かな。
ガイ・ピアース(リチャード役)
豪華客船のオーナー。
ガイ・ピアースもこういう役をやる歳になったのか〜と感慨深いものがありました。あの青二才の刑事だった彼が…!
偉大なる傑作「L.A.コンフィデンシャル」の主演だったのにもう一つ売れない彼はもう少し売れてほしい(出演作品は結構多いんですけどね)と思いながらもう何十年と観てきているので、どうしてもちょっと贔屓目に見てしまいますがそれでも今作の彼は良かったと思います。
また何か主演映画ができるといいんですけどね…。「L.A.」のみならず「メメント」も主役なのにさ…!
脇役でもいいからまた使ってやってよノーラン。


