映画レビュー0141 『エターナル・サンシャイン』
目をつぶった人って描くの難しくないですか?
誰に聞いてんだ、ってね。
エターナル・サンシャイン
良かったんだけど、期待とは少し違ったエンディングが…。
お友達に勧められて借りてみたんですが、まずジャケットの感じからしてもうベタベタのド恋愛モノを想像してたので、SFっぽくもありコメディっぽくもありちょっとサスペンスっぽくもあり、という展開にまずビックリ。この辺は嬉しい誤算ではあったんですが。
「記憶を消してくれる」というのは、誰もが“甘い誘惑”に感じる話だと思います。僕も消したいこと山ほどありますからね。誰も聞いてませんが。そして忘れたいことほど思い出す、思い出すから忘れない…という悪循環。
そんな悩みとサヨナラしましょう、なんて商売は近い将来本当に出てきそうな話ですが、この映画のような展開もまた、実際に起こりそう。そう言った意味で、「ちょっと先のSF」をベースにした恋愛話、といった感じですが、恋愛モノ嫌いの僕でもすんなり惹き付けられるほど、まずもってものすごくテンポがイイ。ちょっと軽めのBGMで、テンポ良くポンポンと次から次へと話を進めるうまさはすごく感じました。
映像的にも、「記憶が無くなっていく」様を、崩れていくセットや混在する場所のイメージでうまく表現していて、絵作りという意味でもすごくうまい。
この辺の、「コメディっぽいテンポの良さ」と、「凝った映像」を観てると、「ベタベタのド恋愛モノ」なんて空気は微塵も感じられません。「すげーな、こりゃ良い映画だろう…面白い映画になりそうだ!」と期待させてくれます。
が。
結局、観終わって振り返ってみると、その辺の“うまさ”に騙されたんじゃないか、という気も…。
結局は話の終わり方に納得できなかったのかなぁ…。性格的に、もっと悲しいエンディングを期待してたのかもしれません。時間軸の見せ方で「サスペンスっぽく」楽しませてくれて、僕の中でよりエンディングへの期待が膨らみすぎたというか…。
言ってしまえば、終わり方はすごくあっさりしてます。でも、それも別に違和感は無いです。話の筋としては真っ当というか、納得できます。でもそれじゃないんだよ。求めてたのは! という気分。ピークが道中にあったのがこの微妙な味わいの理由かもしれません。
でも面白かったんですけどね。面白かっただけに、ラストに期待しちゃったというか。ほんと映画ってラストが大事だよなぁ、と改めて感じました。悪いラストではないんですけどね。繰り返しますが。道中のテンションと合ってない感じが残念だったなぁ、ってところですかね~。
話の内容的にも「バタフライ・エフェクト」に似てる部分があるなぁと思いつつ観てたので、あっちみたいなエンディングを期待しちゃった面もあったかもしれないですね。
このシーンがイイ!
そんなわけで、見所としては結構いろいろありました。映像的に面白い部分もあったし、話として面白い部分もあったし。
その中でも一つ挙げるなら…海の家のシーンかなぁ。「じゃあね、は言ったことにしようよ」っていうセリフがなんかグッと来て。
ココが○
話の展開と、それに合った配役がすごくよかった。ちょっとしたお色気も楽しめたりして。。
ココが×
特にココが良くない、っていうのはないと思います。
ほんとにオープニングのオープニング、タイトルロール前のラブラブっぷりはちょっと苦手な感じでしたが。
MVA
役者陣は、まー良かったですねー。
主演の二人がとにかく芸達者で役にぴったり。キルスティン・ダンストもかわいいのなんのって。ほんとはこの子にしようかな、と思ったんですが、やっぱり今回は…
ジム・キャリー(ジョエル・バリッシュ役)
ですね。
僕が観た中では「一番最近」のジム・キャリーでしたが、歳取った方が断然かっこいい! 渋い! ブイシー!
相も変わらず節穴君としては、タイトルロールまで気付いてませんでした。「この人渋くてかっこいいなー」と思ってたらジム・キャリーだった、っていう。「え? ジム・キャリーってあのコメディの?」って半信半疑だったぐらい。
演技的にも、コミカルさが必要とされるシーンではさすが“それっぽい”面もありましたが、全体的にはシリアスで全然違和感のない演技でこれもまたよかった。
相手役のケイト・ウィンスレットも芸達者ですごく役にハマってたし、ほんとにこのコンビはベストキャスティングだと思います。
あと「シャッター アイランド」の相棒役のマーク・ラファロが出てましたが、若ぇ! とビックリ。役柄の違いも大きかったんでしょうね。