映画レビュー0532 『アパートの鍵貸します』

お盆にDVDを借りて観て思いましたが、やっぱり借りるとちゃんと観るんですよね。当たり前ですが。

観たいものを選んで借りてくるから観たいと思うし、返却期限もあるからそれなりに強制力も働くし。「ああ、これ面白そうだな」ってとりあえず的に録画しただけの映画ってなかなか観ないからまー減らない。困った。そんなわけで仮録画という名の永遠に観なさそうなブルーレイが20枚ほどあるのは内緒です。

この前TSUTAYAに行った時も観たい映画が山ほどあったのでやっぱりもっとレンタルも利用していこうと意を新たにしたわけですが、そう言いつつも今日は録画した映画のご紹介という。借りに行くのがめんどくさかったんだぜ。

でもこの映画も、「午前十時の映画祭」で取り上げられていたこともあり、ずっと観たかったので楽しみにしていました。

アパートの鍵貸します

The Apartment
監督
脚本
ビリー・ワイルダー
音楽
公開
1960年6月15日 アメリカ
上映時間
120分
製作国
アメリカ

アパートの鍵貸します

ニューヨークの大企業に勤めるバクスターは、自分の部屋を4人のお偉いさんたちの不倫用として貸すことで人事評価を上げていたところ、ある日人事部長のシェルドレイクに呼び出され、自分にも部屋を貸せば見返りに出世を約束すると言われる。喜んで協力することにしたバクスターだったが、そのシェルドレイクのお相手は密かにバクスターが思っていたエレベーターガールのフランだった…。

文句なし。永遠の名作だこりゃ。

10

「(当時の)現代人的精神ひ弱野郎を演じさせたらNo.1」と言われたジャック・レモンと、いまだ現役として活躍しているシャーリー・マクレーン主演のロマコメ映画。もう55年も前の映画になるんですねぇ…。モノクロです。

いやー、さすがにジャック・レモンも若い。今まで観た中で一番若く、少し顔つきも違う印象。シャーリー・マクレーンももちろん若い。黒髪ショートカットがとっても似合ってスーパーキュート。美人系やセクシー系の女優さんは割と古さを感じやすい気がしますが、かわいい系は今観てもかわいいんだな、と再認識しました。この映画のシャーリー・マクレーンと「裏窓」のグレース・ケリーは永遠に古く感じないんじゃないかと思わせる魅力があります。

ジャンルとしてはコメディ映画だと思っていたんですが、予想していたよりも全然コメディっぽくなくて、セリフもいちいち粋でオシャレだし、ラストは予想外にちょっとほろっときちゃったりもして、人間の描き方が抜群にウマいというか、深い映画だと思います。

いわゆるロマンティック・コメディの先駆け、って感じなのかなー。さらっと言うセリフがすごく素敵だったり残酷だったり、こりゃービリー・ワイルダー(とI・A・L・ダイヤモンド)って人は相当女泣かせだったんじゃないか、と思わせる素晴らしいやりとりの数々。

なにせ55年前の映画なので、既視感のあるセリフも当然出てきたりするんですが、あんまりそこが引っかからないのはシチュエーションやキャラクター設定がウマいからなんでしょう。

コメディでありつつも本当にその人が言ってそうなセリフばっかりだし、本当にこういう人っていそうだよな、っていうリアリティがあるんですよね。おかげで古さはまったく感じず、テンポもいいのでしっかり2時間、きっちり楽しませて頂きました。

序盤こそジャック・レモンのコメディっぽい芸達者な演技と、「こいついつ仕事しとんねん」という部屋予約調整野郎っぷりにニヤニヤ笑わせて頂きましたが、中盤以降はむしろ純粋な恋愛映画と言って差し支えのない、ほろ苦くてちょっと切なさがありつつも深刻にならずに軽さを保っているという絶妙なバランスで惹きつけてくれます。

小道具を始めとした伏線の使い方もまったく見事で、さすが一時代を築いたビリー・ワイルダー×I・A・L・ダイアモンドのコンビはすごいな、と素直に感心した次第です。そう言えば「フロント・ページ」もすごくおもしろかったし。

あまりにも時代に合いすぎた話はどうしても古くなりがちですが、この映画は人間主体で今の時代でも通用する内容と言えるだけに、今観ても普通に楽しめるのは間違いないでしょう。ここまで自信を持ってオススメできる古い映画はなかなか珍しいです。

あとはやっぱりラストかな。

当然ネタバレになるので詳しくは書けませんが、ベタではない、サラリとしつつもオシャレな幕切れが最高です。「モノクロ映画はちょっとね」という人にこそ観て欲しい!!!

名作中の名作と言っていいでしょう。

ネタバレの話しします

この映画は本当にラストで安易に結ばれないのが最高すぎるので、もう映画専門学校のラブコメ課(実在するのかは不明)とかでは1時間目に流して欲しい。

バドの告白に「私もよ」なんて返してたら激サメですよ激サメ。んでそんな返ししたら当然ブチューでしょ? そんなのオシャレじゃないぜ。

「Shut up and Deal.」

そしてその後の笑顔である。

最高。

このシーンがイイ!

ラストシーンはもう「ドライビング Miss デイジー」に匹敵するぐらい好きです。スーパー良いラストシーン。超好き。ラストのシャーリー・マクレーンのセリフと表情、完璧すぎです。未見の方にはぜひ観ていただきたいところ。

それを除くとすれば、最初の中華料理店でのシェルドレイク部長とフランの会話が良かったかな。ベタな不倫カップルの会話ではあるんですが、いちいちセリフが良かった。

ここに限らず、細かい部分のセリフにとてもセンスを感じます。これは和訳した人のセンスも多分に影響しているかもしれません。

ココが○

まったく隙のない内容だと思います。伏線が「伏線でっせ!」と登場する昨今の映画とは違い、さり気なく織り交ぜてさり気なく回収するうまさも光ります。

ココが×

なし!

MVA

ジャック・レモンももちろん良かったんですが、この映画はもうこの人しか考えられません。

シャーリー・マクレーン(フラン・キューブリック役)

単純に超かわいいんですが、表情もまたいちいち良いんですよ。

笑顔にしても、憂いのある表情にしても、泣き顔にしても。今を知る人間からすれば「シャーリー・マクレーンってこんなかわいかったのか…!」と衝撃的ですらあります。

演技も大げさでなく自然体ですごく良かったし、文句の付け所がありませんでした。そりゃ惚れちゃうよ! こんな子!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA