映画レビュー1323 『ショート・サーキット』
かつて「ニューヨーク東8番街の奇跡」とともにオススメされた一本で、たまたまアマプラにあるのを発見したんですがもうすぐ配信終了とのことで急いで観ることにしました。
ただオススメされたの、あれ「2」の方だった気がするな…。まあ順番に観ましょうかということで。
ショート・サーキット
アリー・シーディ
スティーヴ・グッテンバーグ
フィッシャー・スティーヴンス
オースティン・ペンドルトン
G・W・ベイリー
ティム・ブレイニー
1986年5月9日 アメリカ
98分
アメリカ
Amazonプライム・ビデオ(Fire TV Stick・TV)

ゆるゆる観るのにちょうどいい。
- ロボットが故障により知能を得て街へ出てしまったためにてんやわんやの大騒ぎ
- 拾った女性、作った科学者、破壊を目論む雇われ警備隊の三つ巴
- 内容としては特に取り立ててどうということもなく、この頃らしいコメディ
- おおらかなゆるコメっぷりにほっこりすればそれで良し
あらすじ
取り立ててすごく良いとかはまったくなかったんですが、ただやっぱりこの頃の映画の手作り感みたいなものが伝わってくる雰囲気はたまらないものがありました。
軍事企業「ノヴァ・ロボティクス」にて新たな戦闘用ロボットが開発され、5台のロボットによる無人戦車相手のデモンストレーションも無事終わり、こりゃー良い戦力になりそうだと評判も上々。
そんな中、室内に搬送しようとしたロボットの1台(ナンバー5)が強烈な落雷に遭いますが、“奇跡的に無事”らしくそのまま自分で戻ってね、と指示を送ったところどうやらやっぱり何らかのダメージがあったようでポンコツ化してしまい、あれよあれよと研究所の外まで出て行ってしまいます。
当然研究所は大騒ぎ。なんとしても探し出せと厳命するハワード社長(オースティン・ペンドルトン)以下、連れ戻して修理したい開発者のクロスビー(スティーヴ・グッテンバーグ)とベン(フィッシャー・スティーヴンス)、とっとと破壊して仕事を終わらせたい警備主任スクローダー(G・W・ベイリー)の思惑が絡み合いますぜ…!
一方街へ繰り出していたナンバー5は、動物保護が趣味の移動販売飲食店経営者ステファニー(アリー・シーディ)と知り合い、様々な知識を吸収していきますが…はたしてどうなるんでしょうか。
観るかどうかはキャスティングへの興味次第
故障して“人格”を得たロボット、この前観た「アンドリューNDR114」と同じパターンです。まあちょっと回線おかしくなって知能を得ました系は展開としてやりやすいんでしょうね。
当初の姿からは想像もできないほど先へ行って予想外な展開を見せた「アンドリューNDR114」とは違い、この映画はいかにもこの時代のゆるいSFコメディといった感じで特段何か意外なことも起きず、ややドタバタ感を交えつつのよくあるお話ではありました。
偶然知り合って情が移った女性がナンバー5の“保護者”兼主人公といった立ち位置になり、取り戻そうとする会社側の思惑違いの2部隊が追う側としてやってくる展開。
当然、「もう一人の主人公」的に登場する開発者のクロスビーは「修理を前提として確保したい」ことからもわかる通りいい人&鍵を握るっぽい雰囲気が漂っており、一方社長命令も無視して「破壊して構わない」と思っている警備主任のスクローダーはあからさまに悪役だよ、と。非常にわかりやすい映画です。
逃げる・捕まえる・その他のアレコレは本当に取り立てて特に言うこともなく、「殺したい女」のような「うほー! たまんねぇなこれウヒョヒョヒョ」みたいな面白さも意外性も無く、冷たいようですがまあフラットに考えて今観る必要性も特に無いかなと思います。この映画ならではの何かが無い。残念ながら。
「アンドリューNDR114」の方は今だからこそ考えさせられる面もあって今観る価値があったと思いますが、こちらはそういう深さもないので本当に特に言うこともないんですよ。別につまらなかったわけでもないんですが、あえて観るほどのこともないな、というのが正直なところ。
あとはもうキャスティングの面で興味があるか否かだと思いますが、まずネット上でよく言われていたのが「ポリスアカデミー感すごい」という点。
僕もポリスアカデミーは大昔に観てゲラゲラ笑っていた記憶はあるものの、本当に大昔すぎてまったく覚えていないので当然キャスティングに見覚えもなく、その辺はよくわかりません。ただ主要メンバーが結構被っているようなのでポリスアカデミー好きには響く映画かも。
あとは主人公であるステファニーを演じるアリー・シーディ、彼女の一番メジャーな出演作は「ブレックファスト・クラブ」だと思いますが、言われてようやく「あぁあの不思議ちゃんか!」と気付いたぐらい印象が違うのが面白かったですね。
ムスッとしてコミュ障だった「ブレックファスト・クラブ」での役とだいぶ違う強気でかわいらしい女性の役だったので、あの映画を観ているとそのギャップで楽しめる…かもしれません。
クロスビーの相棒でちょっと胡散臭い、飄々とした研究者のベンを演じていたフィッシャー・スティーヴンスは調べたところあの「ミッドナイト・ガイズ」の監督ということでこれまたびっくり。
せっかくなので続編も観たい
やたら「サタデー・ナイト・フィーバー」を観るシーンが長いな…と思ったら監督一緒なんですね。
ちなみにこの監督はこのあと「ニック・オブ・タイム」も撮っているので、もうジャンルとか関係なく撮る器用な監督さんなのかもしれません。
とは言え上記の通り物語そのものに今観るほどの何かがあるわけでもなく、もう一捻りほしかった気はします。
ただせっかく観てしまった以上は続編も観ておきたいところ。どうも世間的には続編のほうが評判が良いようですが…どうなんでしょうね。
このシーンがイイ!
んー、これはやっぱりステファニーとナンバー5がダンスするシーンになるのかなー。
ココが○
この頃は当然CGも無いので、果たしてどうやって撮影していたのかはちょっと気になりました。すごく自然だけどそれだけすごく苦労していたんじゃないかな、と…。
ココが×
まあ本当に毒にも薬にもならないというか…。びっくりするぐらい何もなかったですね。
あと元カレとのアレコレはマジでどうでもいいなと思いました。彼の存在そのものが一切無くてよかった気がする。出演シーン全カットで。
MVA
ギャップにやられちゃったこともあり、この方に。
アリー・シーディ(ステファニー・スペック役)
主人公の女性。動物保護しまくり。
ずっとムスッとしてた「ブレックファスト・クラブ」と違って表情豊かでたくましく、「こんなかわいい人だったんだ」と再認識するぐらいに印象が違いました。良かったです。
でもなんかポジション的に続編出てなさそ〜と思ったら案の定ノンクレジットで声だけちらっと出てくる模様。なんだか気の毒。