映画レビュー0864 『クリスマス・クロニクル』

えー今回はちょっと特別というか、クリスマスイヴに何か映画観ようかなと思い、つい先日ネトフリに追加になったオリジナル映画のこれにするか、と言うことで珍しく配信終了のものではありません。

本来であれば当日アップして「みんなもクリスマスはこれ観てね」的にご紹介するべきなんでしょうが、当然ながら面倒なのと「みんなって誰だよ」と悲しい自問自答が行われた経緯もあり、こうして年の瀬押し迫った本日、アップに至りました。

クリスマス・クロニクル

The Christmas Chronicles
監督
クレイ・ケイティス
脚本
マット・リーバーマン
原案
マット・リーバーマン
デヴィッド・グッゲンハイム
出演
ジュダ・ルイス
ダービー・キャンプ
オリヴァー・ハドソン
キンバリー・ウィリアムズ=ペイズリー
音楽
公開
2018年11月22日 アメリカ
上映時間
100分
製作国
アメリカ
視聴環境
Netflix(PS3・TV)

クリスマス・クロニクル

サンタさんが家に来た証拠を撮影しようと待ち構えていたテディとケイトの兄妹。運良く来訪に気付いた二人がサンタさんを追って外に出ると、そこには宙に浮いたソリが置いてあって…。

まさに最高のファミリー映画。荒唐無稽もサンタさんならアリじゃない!?

9.0
サンタクロースとイヴの夜を一緒に行動することになった兄妹の話
  • スーパーヒーローかのような特殊能力を持ったサンタクロースに大トラブルが!
  • トラブルの発端になった兄妹が後始末をお手伝い
  • 非現実的な話がむしろ夢につながる優しい世界
  • サンタの魔法で悲しいおっさんも思わず涙

わざわざ書くまでもないことですが、まあ流れで一応書きますけども当然ながら「ハッピークリスマス」とは縁遠いのでね。早くもヤサグレモードですが。

本来であれば「あれ? クリスマスなんてあったっけ?」ぐらいのシラバックレぶりを発揮したいところではありますが、残念ながら今年のクリスマスイヴは振替休日ということで家から一歩も出ないぞと。断固として外の空気は吸わないぞと。一人メンタルハンガーストライキというまったく意味がわからない謎の行動に及ぶにあたり、やっぱり映画でも観るかな、ってなっちゃうわけですよ。

別にこんな日こそグログロしい映画でも観て胸クソ悪くドス黒い感情で一日を終えても良いんですが、まあせっかくついこの前追加になったし、ツイッターでつながってる方も面白かったって言ってたし、ってことで観てみたわけですが、これがもうぐうの音も出ないレベルで「最高のクリスマスファミリー映画」だと言っちゃっていいんじゃないかなと。

正直ネトフリオリジナルの映画はどちらかと言うとあまり期待できない印象が強いんですが、なんのなんのこんなに良い映画を劇場公開しないなんてもったいない、MOTTAINAIと国連で訴えてやろうかというぐらいにはよく出来た映画でした。

素晴らしいですね。マジで浄化されましたよ。おっさんは。数時間後にはその魔法も消えちゃったけどね☆

物語はピアース家という家族が中心に描かれるんですが、毎年恒例で家族仲良くホームビデオで撮影していたクリスマスも今は昔、大黒柱のお父さんが亡くなってしまったようで…息子は半分グレちゃって妹とも喧嘩してばっかり、お母さんは二人が気になるけどイヴ当日に夜勤が入ってしまって家にいられない…ということで兄妹二人でお留守番という始まり。

昔のビデオに写っていたサンタクロースの手を発見した妹ちゃんは「サンタさんの存在を証明しよう!」と兄に協力を依頼、弱みを握られていた兄は渋々承諾して二人で監視を始め、結果寝ちゃってたところに音で目覚めた妹ちゃんが見事サンタクロースの姿を捕捉、後を追って外に出ると宙に浮いたソリとトナカイの姿が…!

図々しくも勝手に乗り込んだ兄妹、戻ってきたサンタクロースはそのまま気付かずに空を飛ぶも途中で妹ちゃんに気付いてびっくり仰天、大事なプレゼントの入った袋を落とした挙げ句トナカイも逃げちゃってソリは不時着。

移動手段も無くなってしまった3人、このままではクリスマスが失敗に終わってしまう…! ということで協力してなんとか夜明け前までに荷物を見つけ、各地の「いい子」にプレゼントを配れるのか…というお話です。

監督は初めて聞いた人なんですが、プロデューサーの一人にはあの「グーニーズ」やら「ホーム・アローン」やらでおなじみのクリス・コロンバスが関わっていて、具体的にどこまで彼の功績が入り込んでいるのかはわかりませんが、世間的には半分以上は彼の映画的にアピールされているっぽいです。

クリス・コロンバスと言えばあのハリー・ポッターシリーズ1・2作目の監督でもあり、同時にプロデューサーも兼ねていた名実ともに「ハリー・ポッターの世界を形作った」功労者の一人でもあると思いますが、そんな彼の関わる映画らしくこの映画に出てくるサンタクロースは魔法の世界の住人と思しき描写が結構出てきます。

彼の乗るソリにしてもそうだし、プレゼントの袋にもちょっと仕込みがあるし、彼が従える(?)エルフたちにしてもそうだし、ところどころ「魔法ワールド」っぽい世界観がとても良くてですね。まさに「現代的サンタクロース像」を見事に実写化している映画だと思います。

サンタクロースの世界観から彼の能力を考えた時、(リアリティは置いといて)やっぱりちょっと特殊じゃないですか。

各地のキッズたちの欲しいものを把握して、誰も気付かないうちに(この映画では気付かれちゃってますが)配り終えるスーパー配達員なわけですよ。トナカイが引くソリは空を飛ぶわけだし。

そんな世間一般の「サンタクロース観」に「魔法ワールド」的世界とスーパーヒーロー的特殊能力爺という組み合わせってここまで見事に合うんだなと感動すらしましたね。

クリスマスその日を描いた映画は、それこそ「ホーム・アローン」にしてもそうだし「素晴らしき哉、人生!」とか「ラブ・アクチュアリー」とかいろいろありますが、ことサンタクロースその人に焦点を当てた映画としてこれほど見事に「サンタクロースのすごさ」を見せてくれる映画は個人的には初めて観ましたね。

普通の爺さんじゃない、というか多分人間でもないサンタクロースという「神に近い存在」をコミカルに、そして何より大人も子供も楽しめるファンタジックな表現で“映画的に”見せてくれるこの映画は、もう「クリスマス映画」と言う観点で言えば100点って言っちゃって良いと思います。ものすごく良かった。

主人公が小さな子どもということもあって、まだサンタクロースにときめく妹ちゃんと同じぐらいのお年頃(10歳前後?)の子どもたちが観たら相当なワクワク感があると思います。

ものすごく夢のある話なんですよね。子どもがこれを観たら、絶対に「サンタさんと一緒にソリに乗りたい!!」って言い出すと思うんですよ。その純粋さを刺激するストレートなストーリーには、なぜだか僕も劇中何度もじんわり来ちゃってですね。「いいなぁ、こんな映画家族で観たら最高だろうなぁ…」みたいな。

そのたたえた涙は果たして自分が家族を持っていない悲しさからなのか、それとも映画を観た子どもたちに夢を与えられる素敵さから来る感動なのか、その正体は自分にもわからなかったわけですがこの話はより悲しみを誘うのでやめておきましょう。

確実に言えることは、この映画を観て素直に「いいなぁ」とホロリと出来た自分はまだ純粋さを失ってないんだな、とちょっと安心したことでしょうか。

この映画を観て「子ども騙しだな」ってけなしちゃうようだと結構悲しい。それぐらい大人が観てもとても良く出来た、素直に笑顔になれるとても素敵な贈り物でした。ネトフリからの。

クリス・コロンバスもインタビューで言っていたんですが、小さい子どもがいる親御さんたちは劇場に行くのも大変じゃないですか。チケット代はもちろんかかるし、大人しく座って観てくれるとも限らないし。

そんな家族にとって、ネトフリに入っていれば家でみんな仲良く気兼ねなく観られる、っていうのはとても大きいことだと思うんですよね。

そしてそのデキの良さは劇場公開映画と比べてもまったく遜色のないものだし、年頃の子どもが観たらきっと大人になっても(それこそ僕ぐらいの年代にとってのホーム・アローンのように)「あの映画楽しかったな」と覚えているぐらい残るであろう良質な作品というのが文句なしに素晴らしいと思います。

記事掲載が遅れちゃったので「来年のクリスマスにみんなで観てね」もなんだか酷な気はしますが、世間が「クリスマスだー!」ってムードの時に観てこそだと思うので、ぜひ次のクリスマス時期に家族みんなで仲良く観て欲しいなと思います。

…と、一人寒い部屋でこたつに入りながらタイピングしているおっさんであった。彼は翌朝冷たくなって発見されたという。(衝撃の結末)

クリスマス・ネタバレル

僕は知らなかったのでいまいちピンと来なかったものの、見せ方的になんとなくそうじゃないかなと思っていた最後の「ミセス・クロース」はカート・ラッセルの奥さん、ゴールディ・ホーンだったみたいですね。こういうのも粋じゃないですか!

最後の最後、テディのお願いを叶えるプレゼントが一番の「サンタクロースの魔法」だったのもまた素敵。

お父さんが亡くなったのは家族がうまくいかなくなった原因としての設定でしか無いのかなと思っていたので、このお父さんの使い方のうまさもまた唸りました。

このシーンがイイ!

妹ちゃんのビデオレターかなー。アレも使い方がうまいですよね。

さり気なくところどころテクニックがある映画なのが「ただのファミリー映画じゃない」良さなのかなと。

ココが○

やっぱり一番のキーワードは“魔法”なんだと思います。サンタクロース=魔法使い。

子どもにとって魔法ほどワクワクするものもないし、サンタクロースを表現する上ですごく適した存在でもあるし。

もうデヴィッド・イェーツじゃなくていいからクリス・コロンバスが残りのファンタビ作ってくれよと余計なことを思わないでもない。それぐらい魔法の使い方がお上手。

「サンタクロースはすべての子どもを覚えている」設定の活かし方もとてもうまくて最高。

ココが×

あれだけの超人がウッカリ見つかっちゃうのもどうなの、と無粋なことも思わなくはないです。まあ見つからなかったら話始まらないんですけど。

MVA

カート・ラッセルのサンタクロースは最強でしたねマジで。こんな完璧なサンタ像見たこと無い。

カート・ラッセルと言えばどちらかと言うとジェフ・ブリッジス系の油ギッシュなイメージだったんですが…良い爺さん似合うようになったんだなぁと。

もう全然彼でいいんですが、やっぱりこの手の映画は子どもに差し上げたい。ということで。

ダービー・キャンプ(ケイト・ピアース役)

妹ちゃん。

もー本当にかわいくて。整った大人びたかわいさではなく、子どもらしいかわいさ。やっぱりこういう映画にはこういう子じゃないと!

表情豊かできっちりこの良作の主役として存在感を見せてくれたと思います。美形ではないだけに歳を取ってどうかはわかりませんが…頑張ってほしいなぁ。

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