映画レビュー1460 『グレイマン』

本日はネトフリオリジナルより。
例の「ゴーステッド」を観たときに、この映画でアナ・デ・アルマスとクリエヴァが共演していたと知ったのでいつか観ようと思ってました。

グレイマン

The Gray Man
監督

アンソニー・ルッソ
ジョー・ルッソ

脚本
原作

『暗殺者グレイマン』
マーク・グリーニー

出演
音楽
公開

2022年7月13日 イタリア

上映時間

122分

製作国

アメリカ

視聴環境

Netflix(Fire TV Stick・TV)

グレイマン

見どころ多いものの話はフツー。

8.0
暗殺相手から上司の裏切りを知った暗殺者は狙われ続けるも反転攻勢に打って出る
  • 暗殺相手が握っていた情報はCIA上層部の悪事の証拠だった
  • 死ぬ間際に情報を託され、同じく追われる立場になる主人公
  • 基本的に追われて逃げ続ける話で若干変化に乏しい
  • 超お金かかってそう

あらすじ

もっと(ゴーステッドのように)軽い感じの映画なのかと思って観始めたら割とガチめのスパイアクションって感じでしたが、話としては割と普通です。

CIAの暗殺担当(?)シエラ・シックス(ライアン・ゴズリング)はバンコクでダイニング・カー(カラン・マルヴェイ)という男の暗殺指令を受け、なんやかんやありつつ追い詰めて無事仕事を達成しますが、カーから「俺はシエラ・フォーだ」と自らと同じ所属であることを明かされ、さらになぜ彼を暗殺する司令が下ったのかの理由として、彼らの上司であるCIA本部長・カーマイケル(レゲ=ジャン・ペイジ)の悪事の証拠を持っていたからだと教えられます。
死の間際にその証拠を託されたシックスは姿をくらまし、当然ながらカーマイケルは激怒。
「殺しと拷問が何よりも楽しみ」という悪名高い傭兵、ロイド・ハンセン(クリス・エヴァンス)にシックスの抹殺を依頼します。
手段を選ばないロイドに、CIAで最も腕が立つと言われるシックスはなんとか逃げ続けますが…果たして。

もっとアナ・デ・アルマスを出せ

たまたまなんですがちょうど今現在、Audibleで原作小説を聞いております。
よくある話ですが映画化に際してだいぶ設定も内容も変更されていて、シックスは原作ではそもそもナンバリングではなく「グレイマン」が通称になっていて、アナ・デ・アルマス的な存在も出てきません。(グレイマンはシリーズなので2作目以降の要素が元の可能性もあるけど)
そもそもグレイマンはCIA所属ではなく、警備会社に所属する暗殺者という設定だし、ロイドもまた別の組織の弁護士でそこにCIAが別の思惑でグレイマンの命を狙っていて…的な感じなので全体的に映画用にだいぶ構造を単純化させてわかりやすくしているようですね。
原作の話は置いといて、今作の主人公シエラ・シックスはまあ言ってみればCIA版「007」みたいな感じでナンバリングメンバーの一員(6)ですよ、と。で、最初に暗殺せよと指示されて殺しに行った男がナンバー4で、「お前は知らないかもしれないが本部長はワルだぜ」ってな話を聞かされて古巣と戦うことになる…的なお話です。
基本的に追われて逃げ続けつつ途中で発生した「やるべきこと」に向かっていく…というこの手の映画ではもう擦り切れるほど観させられているような内容のお話なので、まあ普通に面白いけど普通でしかないよね、という感じ。
ただいかにもキチ●イなクリエヴァが一般人の被害もまったく考慮せず町中で普通に銃撃戦を始めたりするやり過ぎ感はある意味映画ならではで、(キャップを演じていたクリエヴァが演じるという意味でも)彼のキャラクターは一見の価値があるかもしれません。口ひげがダサいし。髪型も合わせてちょっとフレディ・マーキュリー感。
期待のアナ・デ・アルマスは(多分)原作にいないキャラのせいか彼女の魅力を持ってしても中途半端な存在感で少々もったいなかったですね。もう少し見せ場があっても良かったんじゃないの、と。
なのでアナ・デ・アルマス観たい勢は圧倒的に「ゴーステッド」をオススメします。「観たかったアナ・デ・アルマス」が詰め込まれてますからね。クリエヴァのファンも(情けないキャラとは言え)かわいげがあるあちらを観た方がニセフレディよりはいいかもしれない…。
一方こっちの主人公はライアン・ゴズリングなので、ゴズリングファンは一択なわけですが…しかしやっぱり「いつもの」ライアン・ゴズリング感は拭えず。飄々として表情が読めず、感情がなさそうな強い男。
ただそんな「いつもの」感がありつつそれでもかっこいいなと思うぐらいに優秀さが良く出ていたので、これまたファンは楽しめるかもしれません。まあ見慣れたなんだと言いつつも、やっぱりこの手の役は似合いますよ。当代随一と言っても良いかもしれません。

監督はルッソ兄弟
ルッソ兄弟と言えばMCUでおなじみなだけあり、アクションの見せ方はさすが。
ただ最初に書いた通り、思いの外真面目なスパイアクション映画だったので、もうちょっと(アナ・デ・アルマスも出てることだし)軽めで軽快なジョークでも挟んでもらったほうが楽しめたかな〜という気もします。ワザー!(アントマン&ワスプの方はルッソ兄弟じゃないけど)
ただ今聴いている原作もかなりハードでボイルドな感じなので、そっち方面求めちゃうともっと原作からズレていっちゃうしそれはそれで良くないのもわかるので、まあハネはしないものの娯楽として消費するにはちょうどいいレベルの映画…なのかもしれません。
さっきから「しれません」ばっか言ってるな!

お金かかってます

原作も数作あるし、当然映画も続編がありそうな気はしますが…どうなんでしょうか。
いくら話が普通だ普通だと言ったところでそこそこ楽しめただけに、続編があってもまた観ると思います。
あとはまー観てて「金かかってんな〜〜〜〜〜」とびっくりするぐらいお金の匂いがする映画だったんですが、事実Wikipediaによると制作費は2億ドルでネトフリ史上最高額らしいです。
そこまでお金かけた割には…とか言っちゃいけない! そこ!

このシーンがイイ!

どうでも良いシーンなんですがアナ・デ・アルマスが走るシーンがかっこよくてよかったですね。今作における彼女はかわいいけど甘さがないキャラだったのでそこは好きでしたが、でもやっぱりちょっと活かしきれてない印象。
あとは途中の電車で銃撃しつつ逃げるシーンはわかってはいたもののヒヤヒヤ。ここもよかった。

ココが○

一番いい点はキャスティングかなと思います。映画好きなら興味を惹かれるメンバーかなと。
密かにダヌシュが出てるのが嬉しかったですね。「トリッキー・ワールド」以来ネトフリはダヌシュ推しなんでしょうか。

ココが×

やっぱりどうしてももうちょっとひねってほしいよなぁとは思います。まあ主人公が強すぎるのはしょうがないんだけどさ…。だったらもうやりすぎちゃって「アーガイル」ぐらいやってほしい。こっちをバカにしてほしい。

MVA

そんなわけで皆さんそれぞれ見どころあったんですが、今作はこの人かなと。

ビリー・ボブ・ソーントン(ドナルド・フィッツロイ役)

元CIA本部長でシックスを勧誘し、育て上げた親代わり。
原作でも似たような立場ですがCIAではなく、禿げているそうです。
まーしかし渋い。ダンがディ。かっこよかったですねぇ。
とても「シンプル・プラン」のダメ人間とは思えない。歳を取ることに希望が持てそうです。
俳優見てそう思っちゃう時点で何もわかってないんだけど。

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