映画レビュー0505 『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』

気付けばもう3月ですが、なにげに今年一発目の劇場鑑賞になりました。いやー、もっと観ねば。

今は他にも「アメリカン・スナイパー」その他、アカデミー賞でも話題になったいくつかの映画が観たいと思いつつも、なんとなくコレかな、と。

カウボーイ & エイリアン」が大コケしたとは言え、ジョン・ファヴローはイイ監督だと期待しつつ。

シェフ 三ツ星フードトラック始めました

Chef
監督
脚本
ジョン・ファヴロー
出演
ジョン・ファヴロー
エムジェイ・アンソニー
ソフィア・ベルガラ
音楽監修
マシュー・スクレイヤー
公開
2014年5月9日 アメリカ
上映時間
115分
製作国
アメリカ

シェフ 三ツ星フードトラック始めました

ロスのあるレストランで総料理長を務めているカール・キャスパー。ある日彼のレストランに影響力絶大なブロガーが来店することになった。渾身の新メニューで勝負をしたいカールだったが、店のオーナーからは「いつものメニューを出せ」と言われ、やむなく出した料理が酷評されてしまう。頭にきた彼はツイッターを始め、ブロガーに文句を言ったところ炎上してしまい…。

いろいろ高レベルで楽しみたくさん。

8.5

一説によると、「アイアンマン」「アイアンマン2」で監督を務めていたジョン・ファヴローが、「アイアンマン3」の監督をケッてでもやりたかったのはこういう映画だったとかなんだとか。確かに監督・脚本・主演・プロデューサーと、完全に「彼の映画」と言って差し支えない映画でしょう。相変わらず激太りしたままですが。

映画自体はとてもとても良くてですね。久しぶりに「こりゃ誰に勧めても恥ずかしくないね!」という映画でした。

ただ、観る前に「エロもグロも無さそうなのにPG12?」と思ったんですが、それが納得できる程度には下ネタがてんこ盛りなので、子どもと一緒に観たらめんどくさい可能性はあります。一応お断り。ただまあ、所詮PG12なので、一般的な大人が観る分にはまったく問題もなく、特に気にする必要はないでしょう。

世間的にも名声のある一流シェフが、オーナー指令でやむなく出した料理を有名ブロガーに酷評され、頭にきてそのブロガーにバトルを挑み、またオーナーともバトったら居場所がなくなり、おまけにネットに疎いくせにツイッターなんかやっちゃったもんだから炎上しちゃってさあ大変、というお話なんですが、まあもうタイトルでネタバレしているので書きますが、結果的には「フードトラック」、いわゆる屋台的な車で「俺が好きな料理を作る!」ってな旅に出るお話です。

フードトラックに乗ってからはちょっとしたロードムービーテイストもあって、アメリカ各地の地元料理みたいなものをちろっと登場させつつ、お腹も空いてほっこり出来るヒューマンコメディ的な映画でございます。

まず書きますけどね、もうやっぱり邦題が徹底的にクソですよ。もうほんと最近の配給会社の人間はセンスがなさすぎて映画に関わる仕事を辞めてもらいたいですね。まじで。映画好きだからそういう仕事を選んだんでしょうが、でも映画が好きならこんなタイトル付けないでしょう。

フードトラックに乗るのって結構後の方なんですよ。多分、時間的にはちょうど半分終わったぐらいの感覚でした。それまでは「俺はそんなことしない」って言ってるわけです。まあフラグっちゃーフラグなんですが、でもやっぱり「おお、やるのね」みたいな驚きだってあるじゃないですか。知らなければ。

そこに至る心情の変化とかも描いているのに、タイトルでネタバレしちゃってるからその辺がもう完璧に演出の意味がなくなっちゃってて。ジョン・ファヴローに失礼ですよこのタイトル。葛藤とか良い意味での開き直りみたいなものが予定調和になっちゃいますからね。

ほんとこういう邦題付けてるやつが炎上しろ、ネット上じゃなくてリアルに炎上して燃えやがれ、って話なんですが、まあ映画本編とは関係のない話をあまり膨らませても仕方がないので戻します。

その“炎上”だったり、キレてる場面が動画でアップされて拡散されたり、はたまた口コミ効果的な広がりだったり、さらにホロリとさせる小道具的な使い方だったり、まあとにかくネット…というかSNSの使い方が上手いです。映画の内容としては王道だし、ベタと言えばベタな展開なんですが、ただそのテクノロジー的な部分ですごく今の時代に合わせた映画になっているので、ベタでもしっかり新鮮な気持ちで見られる、というのが素晴らしい。

ただこういう「(今の時代に)新しいもの」を重要なところに据えちゃうと、後世になって「ツイッターwwwwなついwwwwwww」みたいにちょっと恥ずかしくなっちゃう可能性があるのが悲しいところですが、まあそういう古典的に愛されるラインを狙っての映画でもないでしょうしいいんでしょう。「SNSに疎いおっさんがその世界と絡むとこうなるよね」というちょっとした反面教師的な部分もあったりして、なかなか今の時代にマッチした面白さがありました。

それと、やっぱりシェフの映画だけに、ンマー料理の使い方、映し方がすごくいい。

本当にどれもものすごく美味しそうだし、役柄とストーリーも相まって、料理に愛情が伺えるような映像になっていたのが印象的でした。自ずと「本当にこの人は料理が好きなんだな~」と思える形で料理を登場させているので、料理自体が素晴らしい脇役になっていたのが最高でしたね。

もーね、ほんとにどの映画とは言いませんが、なんとなくかっこよさげに中身の薄い料理を見せる映画、あるじゃないですか。おまけにそれを観て「お腹すいちゃう!」って感想言っちゃうやつとか。バカじゃねーの、と。この映画を観ろよタコ、と。オメーだよディナーラッシュ、と。

言っちゃいますけども。そんな思いで観ていました。

ちなみに劇中に登場するキューバサンドが超ウマそうで、「これ食べてみてー!!」と誰もが思うこと間違いなしなんですが、さっき観たら公式サイトにレシピが載っていたという。こういうサービスは素晴らしいですね。もし邦題を考えた配給会社のアイデアであれば、担当者のリアル炎上だけは免除してやってもいいと思います。

その他、劇伴のチョイスも素晴らしく音楽も楽しめるのも高ポイント。要所で出てくるラテン系のキューバ音楽もノリノリで最高。全体的にハイレベルで、さすがジョン・ファヴロー、やっぱり期待を裏切らないな、と嬉しかったです。

彼の人脈を活かしたのであろう豪華脇役陣も見所だし、ナルホド確かに「お腹いっぱい」にさせてくれる良い映画だな、と。

ウマイこと言って終了です。ハイ。

[2017年追記]

今年、なんとなく久しぶりに思い出して「そういやキューバサンドまだ作ってなかったな」ってことで作ってみたんですよ。まだレシピも載ったままだったので。

これが意外と簡単な割に本格的に「サンド」っぽい味がして、とても美味しかったので一応ご報告しておきます。

ただ両面バターたっぷりで焼くだけにめちゃくちゃデブ食っぽかったけど。

このシーンがイイ!

これはもうね、ロバート・ダウニー・Jrが出てきたシーンですよ。あれ全部アドリブなんじゃないのかなーと思うぐらい、シュールなセリフの数々。チョイ役だから好き勝手やってね、ってことなんでしょう。笑わせて頂きました。

ココが○

上に書いた通りですが、愛情込みの料理の描き方、ベタながら幸せになれるストーリー、豪華脇役陣の名演、そしてサントラ買わなきゃ的な劇伴と、どれを取っても良かったです。

ココが×

とにかく邦題がクソという点が一番ですが、その他は…特にないかな。展開は読めるので劇的な高評価にはなりませんが、それでもやっぱりイイものはイイ、と。

もっとも展開が読めると言いつつも、サスペンスの見過ぎで「こいつトラックパクって逃げたりしないかな…」とか完璧に外れる嫌な予感を抱いていたのはナイショです。ショナイでお願いします。

MVA

いやー、久しぶりに見ましたダスティン・ホフマン。もうすっかりお爺ちゃんですが。久々に見られて嬉しかったなー。

ジョン・ファヴローはまったく違和感のない包丁さばきもあって、実際に料理好きなんでしょうね、きっと。役者としてここまでしっかり観たのは初めてでしたが、すごくリアルな雰囲気があったし、なかなか良かったです。

それと彼の子供役のエムジェイ・アンソニー。この子がまたかわいくて素晴らしくて。子役がかわいいのはズルいですねぇ。

ただ選ぶのはこの人にしたいと思います。

ジョン・レグイザモ(マーティン役)

レストラン時代のかつての助手で、フードトラックを手伝ってくれる親友のような存在。

完全に悪役顔なんですが、すごく自然な笑顔で「仲間感」がすごいんですよ。すげーいいやつ感が。ものすごくいい脇役だと思います。役柄的にも彼の存在がどれほど大きかったことか。

それと、前半のレストラン時代にしか出て来ませんが、スカーレット・ヨハンソンが今までで一番かわいく撮られていた映画のような気がしました。すげーチャーミングなんですよ。そしてやっぱりほのかにエロい。スカヨハファン必見の映画なのは間違いありません。

パスタを待つ時の彼女、華がありすぎて鼻血が出そうでした。実際問題。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA