映画レビュー1425 『インフェルノ』
アマプラ終了間際シリーズ。
このシリーズ(アマプラ終了間際シリーズでなくラングドンシリーズの話)は過去2作観てますが「原作は面白いけど映画はダメダメ」の印象しかないので、今回も期待せずにでも一応観ておくか、ということで。
インフェルノ
『インフェルノ』
ダン・ブラウン
2016年10月14日 イギリス
121分
アメリカ
Amazonプライム・ビデオ(Fire TV Stick・TV)
相変わらず。
- 軽い記憶喪失のラングドンがサノス的な人類半減計画を阻止するべく行動
- 殺し屋に警察に追われまくりの逃げまくり
- 例によって名所観光的な良さはありつつ…
- 結局「原作ダイジェスト」感が強い
あらすじ
「やっぱこのシリーズあかんわ」が正直な感想。
なぜか入院中でここに至るまでの記憶がないロバート・ラングドン(トム・ハンクス)は目覚めた直後に殺し屋に襲われ、その場にいた担当医のシエナ・ブルックス(フェリシティ・ジョーンズ)に協力してもらいながら逃走。
記憶を失ったラングドンの所持品を調べると、その中にプロジェクターがあることを発見、それから映し出されるボッティチェリの「地獄の見取り図」が、大富豪で遺伝学者のバートランド・ゾブリスト(ベン・フォスター)による「人口爆発に歯止めをかけるための人口激減策」の手がかりであることに気付きます。
ゾブリストはすでに自殺しており、阻止するためには謎を解く必要があるわけですが…どうなる!
出ました原作ダイジェスト
ぶっちゃけあんまり面白くなかったし観てから時間も経ってるしで適当にこなしますけども。まだレビュー書かないといけない映画がいくつも待ってるもんでね。
最近の創作では本当によく目にするパターン(言説)ですが、要は「人間が増えすぎたために環境破壊がひどい、だから人間を減らそう」というサノス系の企みに直面したラングドンがそれを阻止するべく奔走する、というお話です。「インフェルノ」はそのためのウィルスの名前だよと。
過去2作(ダ・ヴィンチ・コード、天使と悪魔)は原作→映画の順で観ていて、特に前者は「原作のダイジェストじゃねーか!」と大変憤ったわけですが、今作は原作未読ながら同じように「原作のダイジェストじゃねーか!」と感じたぐらいにサクサク端折って進む感が強く、相変わらずあかんなという話です。世間的な評価は(ダ・ヴィンチ・コードもですが)悪くないのが解せぬ。絶対アタック・オブ・ザ・キラートマトの方が面白いだろ。(ジャンル違いすぎだけど)
このシリーズらしくヨーロッパの名所を巡る目の保養感は悪くないし、話の流れ自体も面白そうなんですがやっぱりいろいろ切りすぎている感がモロに出ていて不満が多い。
「この人誰よ」「この組織何なのよ」の違和感を我慢して観ていたところで出てくる謎解きも考える間もなくすぐに答えが出るので(ラングドンが優秀だったとしても)物足りなさが強いんですよね。「ナショナル・トレジャー」かな?
過去2作がそうだったようにおそらく原作自体は面白いと思われるので、これはやっぱりまとめ方、脚本にするセンスの問題なんだろうと思うんですよ。
脚本家はデヴィッド・コープ。過去に観た作品で言うと「ミッション:インポッシブル」「パニック・ルーム」「宇宙戦争」「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」「メン・イン・ブラック3」「エージェント:ライアン」等など出てきて「ああ…」と納得しました。
おまけに監督のロン・ハワードも個人的にあまり合わないと思っているので、そりゃあこのシリーズは合わないのもしょうがないなとこれまた納得ですよ。ダブルで。ダブル納得。
おそらく原作では結構いい感じに引っ張っていい感じに展開するんだろうと思うんですが、結局見せ場だけピックアップしてまとめていくもんだから箸休めもご飯もない状態でカルビだけ食わされてる感じがして食傷気味になっちゃう、っていう。この歳になって焼肉でも野菜とかスープが大事だよねと思う次第です。
ただ原作履修済みの過去2作は明確に「映画化がヘタ」と言えましたが今作は未履修なので、これらがすべて映画のみに起因することなのかはわかりません。それでもこれまでの流れを知っているだけに「やっぱり」感も強く、結局このシリーズはダメなんじゃないかなともう結論付けちゃっていいような気がしないでもない。まだ続くのかな…。
映画だけ観るなら…
ちなみに原作はAudibleにあるのでそのうち履修する予定ですが、なにせ映画がガッカリだったのでこっちもちょっと億劫になっちゃってるのが本当に罪深い。
まー世間的評価は悪くないので別に観てみてもいいんじゃね? とは思いますが、原作シリーズの「程よくリアルだけど絶妙に胡散臭さもあるミステリー」感はまったく感じられないので、映画“だけ”接種していくスタイルの人以外はあまりオススメしません。
今作はヒロインがフェリジョでちょっとテンションが上がったんですが、最終的には結局トム・ハンクスの無駄遣いだなという感想で終えました。ありがとうございます。
このシーンがイイ!
オマール・シーの雑魚っぷりが良かったですね。逆に。笑っちゃった。
ココが○
一度は行ってみたい名所を見せてくれる良さ。逆にそこだけで良かった。
ココが×
やっぱり話が雑。勢いでごまかしてる感がすごい。
MVA
この人かなぁ。
イルファーン・カーン(ハリー・シムズ役)
謎の組織のボス。マジで謎すぎてイラッとしたんですが置いといて。
役柄的に一番おもしろみのある役だったと思うんですよね。ちょっとしたトリックスター的な感じもあり。良かったです。
ちなみに調べたらもうすでに亡くなっているとのことで…残念です。