映画レビュー0782 『スタンリーのお弁当箱』
サーバー移転はどうやら何も作業をしなくて良かったらしく、気付けば普通に終わってました。なのでつながらない時間も無く、無駄な告知に終わったという。っていうか変わったのかコレという気がしないでもないですが、一応僕の環境からでは表示も更新もかなり速くなったので割と満足です。いまだに0ヒットの日とかありますが満足です。
さて今日の映画ですが。
去年「PK」を観た後しばらくの間「インドすげぇ」しか言えない語彙力皆無状態に陥ったので、今後はもっとインド映画を観たいぞ、と思っていたところにいつものネトフリ終了間際がやってきたもんでコレ観るぞと。
本当は「バーフバリ」が観たいんですけどね。近くでやってなかったんですよね…。ものすごい評判なのでものすごい気になってます。バーフバリ。「バーフバリ!」しか言えなくなるらしい。(語彙力皆無)
スタンリーのお弁当箱

映画として面白いかと言われると…。
- 先生の酷さにリアリティが無いのでちょっとチープ
- 先生の背景をもっと見せて欲しかった
- 優しい同級生たちにはほっこり
よくぞまあこんな話で映画1本作ったなぁ、と感心するような不思議なストーリーの映画でしたね。
ジャンル的にはコメディタッチのドラマ…ではあるんですが、最後まで観るとこれは社会派映画だったんだな、と気付かされます。その最後の部分でかなり驚いたし「そういう話だったのか…!」とガツンとやられる部分はあったものの、正直道中はかなり退屈してしまい、あまり入り込めないまま終わっちゃった印象。
決してダメな映画ではないんですが…文化の違いなのか、はたまた「語りたいことを語るため」の無理がたたったのか、ちょーっと話の流れが作り物すぎる、僕なりに言うと「ファンタジーすぎる」ように感じられてしまい、それ故あまり集中して観ることもできませんでしたね…。
主人公のスタンリーは小学校4年生でクラスの人気者。スパイダーマンやアイアンマンという大人気キャラクターの生みの親なので当然です。ってそのスタン・リーじゃないですからね。インフィニティ・ウォー楽しみですが(※インフィニティ・ウォーを観る前に鑑賞しました)違う人です。こっちはスタンリーです。
小学生はみんなお弁当持参で学校に来ているんですが、彼は家庭の事情のためにお弁当を用意できず、空腹を紛らわせるために水道水でお腹を満たすというなんとも健気な日々を送っています。描写はありませんが、おそらく最近からこういう環境になったんでしょう。
そんな彼を見かねたクラスメイトたちが、彼に「一緒にお弁当食べよう」と誘い、自分たちのお弁当を分けてあげる…というなんともイイハナシダナー的展開に水を差す一筋のおっさん…! それが国語教師のヴァルマー。
いきなり(多分)初回にして「常に人から弁当を恵んでもらうやつはド腐れネズミ野郎だクソが」ぐらいの暴言をスタンリーに浴びせます。教師のくせに。ひどい。しかも初回なのに。僕も20年ぐらい前のことですが、初めて買いに行ったお弁当屋さんに「おっ、兄ちゃん毎度!」と言われたことを思い出しましたよ。
このヴァルマーっていうおっさんがですね。ただ暴言を吐くだけならまだしも、己も常に他の人からお昼ご飯を恵んでもらってるんですよ。悪びれもせずに毎日。しかもスタンリーのように周りからの働きかけではなく、己から「ほう、それは美味しそうだなぁ」的に「ちょっと食べてみますか?」という返答を期待して話振ったりしてマジクソ野郎です。
スタンリーのクラスにはお金持ちの息子らしいアマン君という少年がいるんですが、彼が持ってくる(豪華そうに見える)4段弁当をあざとく発見したヴァルマーは、これまたあざとく分けてもらえるように行動してめでたくたらふく食いまくり、以降毎日のようにその弁当を狙うようになるわけですが…あとは割愛。
お弁当を持ってきていないスタンリーとヴァルマー二人の対比(対決)を中心に、その他の生徒や教師も交えつつのお話なんですが…やっぱりちょっと描き方が極端すぎるんじゃないかなぁと言う気はしました。
とにかく乞食教師ヴァルマーのキャラクターが強烈過ぎてですね。いくらなんでもこんな教師いねーだろ感がすごい。大人(同僚)だけならまだしも生徒たちの弁当まで平らげ、その上現代日本であれば100%大問題になるであろう超の付く暴言を子どもたちに浴びせ続け、己の所業はまったく見て見ぬふりという…いくら欲望に忠実な人間でももうちょっと取り繕うでしょ、というような人物像はもう嘘くさいを通り越してファンタジーに到達していたと思います。こんな人絶対いないよ…。
百歩譲っていたとしても、さすがに周りの大人が何かしら手を打つと思うんですが、そういう動きもなく「普通の教師」として勤め続けられるのもすごく不思議でした。その後の展開でまた変わっては行くものの、そもそもこんな社会不適合者が仮にも教職を普通に続けている社会というのがちょっとピンと来なくて。
もちろん日本にももっとひどい教師は山のようにいる(そもそもこいつは言ってみれば食い意地が張ってるだけのおっさんだし)と思うんですが、ただそんな人達だって多少なりとも取り繕うでしょう。こんな独善的に子ども含めた他人の飯をアテに生活する人間が教師として普通に働けている社会、っていうのがどうも肌感覚で入ってこなくて、物語と自分との間にものすごく乖離を感じました。
序盤〜中盤にかけて描かれる「弁当」をめぐる話そのものは大した話じゃないかもしれませんが、ただあからさまに悪役とそれに対峙する主人公という構図をキッチリ作り上げ過ぎていて、もう少し二面性のようなものが出てこないと面白く感じられないよなーと思って観ていました。
エロもそうじゃないですか。爆笑しながらおっぱいとか「どうよ!」って出されたって何もエロく無いじゃないですか。やっぱり恥じらいとか隠してる感じがないと。それと一緒です。(わからない例え)
その他の教師の話と存在も微妙で、スタンリーを褒めてくれるみんな大好き英語教師(ちょっと丸顔でいかにもインド美人な感じでかわいい)と厳しい女教師の対比も話として必要性があまり感じられないし、「あの話なんだったの?」が多い気がしました。学校生活そのものにリアリティを出したかったのかなー。でもこの辺の話の微妙さのせいで散漫さが増してしまい、より集中しづらい状況になっていったのは事実です。
その辺含めて、(これは良さでもあるんでしょうが)少し語りが素直すぎるというか…もうちょっとテクニックで盛り上げてくれる部分が欲しかったなぁと思います。どうでもいい話+わかりやすい悪役で引っ張るので、ちょっと面白さを見出しづらい=ノリにくい映画だな、と。
ただ、最後の最後で伝えられる社会派的な側面は当然ながら考えさせられるし、同時に登場人物の違った理解を促す二面構造になっているのは面白いと思いました。なので最初に書いた通り、悪い映画ではないと思います。でもその最後に持っていくまでの引力にちょっと乏しいお話だったかな、というのが正直な感想かなぁ。
脚本も兼ねる監督さんはこの映画が初監督作品らしいので、今後に期待ってところでしょうか。
このシーンがイイ!
途中で料理しているところを美味しそうに見せるシーンが挟まるんですが、あそこはなんか良かったですね。単純に美味しそうで。本編関係ねーじゃん、っていう。
あとチョコレートをみんなに分けるシーンも良いなー。スタンリーいい子。
ココが○
クラスメイトが優しいのが一番良かったと思います。みんな優しくて、スタンリーを気にかけてるところが。アマン君なんてビジュアル的にいじめっ子っぽいしお金持ちなのに超良いヤツだし。この辺も日本と違うかもしれませんね。
ココが×
ネタバレに散々書きましたが、ヴァルマー先生が「ただの悪役」でしかないところがすべて、かなー。もうちょっと彼を深掘りして欲しかった。
MVA
そんなヴァルマー先生も憎らしくてよかったんですが、あえてこっちの人かな。
ディヴィヤ・ダッタ(ロージー先生役)
今作のヒロインと言って良いでしょう、婚約中の優しい英語教師。
彼女が出てくるとちょっとホッとするんですよね。意地悪な話が多い映画なだけに、あの癒やしっぷりは貴重でした。


