映画レビュー1095 『ジェントルメン』

元々出不精だから家にいても苦にならないだけに、正直この状況であまり出かけたくはないんですが、しかししかし…2年ぐらい楽しみにしていた映画なだけに、こればっかりはちょっと我慢できないぞということで公開翌日の先週土曜日に観に行って参りました。

あの「ロッテントマトで史上最高評価」と噂の傑作「パディントン2」以来のおヒュー出演映画になります。ちなみに劇場に行くのは「TENET」以来。

ジェントルメン

The Gentlemen
監督
脚本

ガイ・リッチー

原案

ガイ・リッチー
アイヴァン・アトキンソン
マーン・デイヴィーズ

出演
音楽

クリストファー・ベンステッド

公開

2020年1月1日 イギリス

上映時間

113分

製作国

アメリカ・イギリス

視聴環境

劇場(小さめスクリーン)

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ガイ・リッチー原点回帰の「これこれ!」感。

9.0
引退を決めた大物の“ビジネス”を巡る様々な深謀遠慮
  • 麻薬ビジネスを取り仕切る大物の引退宣言と、それを取り巻く男たちの駆け引き
  • 初期ガイ・リッチー作品に回帰したような展開に胸が踊る
  • おヒュー他豪華キャストがそれぞれ活きる良キャスティング
  • 前フリが長めのためしっかり集中して鑑賞しないと面白くなりにくいかも

あらすじ

実に期待通りでしたね。期待通りの“原点回帰”、期待通りに面白かった。ただ手放しに良いぞと言うほどではなく、話としては「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」の方が上かな〜と思います。映画としては8.5点、おヒューの出番が多いので+0.5点上積みです。

学生時代からマリファナ売買で財を成し、今や業界の“大物”となったミッキー・ピアソン(マシュー・マコノヒー)。しかし彼は思うところがあり、知人の大富豪マシュー(ジェレミー・ストロング)にこのビジネスを丸ごと売ろうと計画します。

一方、タブロイド紙の編集長ビッグ・デイブ(エディ・マーサン)は私怨によってミッキーを標的とした記事の作成に躍起になっており、ゲスな探偵フレッチャー(ヒュー・グラント)を雇ってミッキーの調査を開始。順調な調査によって彼の表に出せない情報をキャッチしたフレッチャーは、このままビッグ・デイブに渡すよりも「ミッキーサイドに売りつけた方が金になる」と睨み、彼の右腕であるレイモンド(チャーリー・ハナム)の家まで押しかけ自分の情報を「映画の脚本」になぞらえて滔々と語り、2000万ポンド(2021年5月現在、1ポンド150円とすると30億円)を要求。

しかし当然ながらこの話はこの程度の単純な話ではなく、他にも様々な人物が絡んで大きな陰謀が渦巻いているわけですが…あとはご覧くださいませ。

初期ガイ・リッチー感

上記に挙げていない主要な登場人物としては、ミッキーの最愛の妻ロザリンド(ミシェル・ドッカリー)、ミッキーのビジネスを狙う中華系マフィアのドライ・アイ(ヘンリー・ゴールディング)、そして物語後半の鍵を握る謎のコーチ(コリン・ファレル)と言った面々。そしてその人たちにぶら下がる面々もまたそこそこおりまして、各人たちが一つの勢力をなして「ミッキーの引退」で甘い汁を吸ってやろうとアレコレ策を練っているというお話です。

物語は「レイモンドの家に押しかけてきたフレッチャーが“脅し”のネタを語って聞かせる」形式で進みます。つまりフレッチャー=おヒューが狂言回しの役回りということでもう最高。即座に最高です。

前半はそんなフレッチャーの語りが中心でやや説明感が強く、「結局のところどうなのよ」とわかりづらい話でもあるかなと思いますが、それは当然ながら終盤の“オチ”に向けての前フリになるわけで、しっかり集中して情報を頭に叩き込みながら楽しみたいところ。

そう言った意味では実に劇場向きな(家で観ると集中力が途切れるせいで面白さが理解しづらい)映画とも言えるので、結果的には劇場に観に行ってよかったなと思います。

フレッチャーの“調査結果”をなかなか認めずかわし続けるレイモンド、しかしそれも見越してその先を用意しているフレッチャー、しかしそれも認めず…を繰り返し、最終的にどちらが出し抜くのか、そしてそれ以外の人物たちの状況はどうなるのか…先が読めない二転三転の物語はまさに初期ガイ・リッチー的作風そのものと言った印象で、「ロック、ストック以下略」や「スナッチ」が好きな人であれば間違いなく楽しめる映画ではないでしょうか。

今後ともご贔屓に

例によってあまり詳細を語るようなものでもないので、あとは観てねとしか言えないわけですが…あくまで僕個人の印象としては、「思ったより笑いに行かないな」と思いましたね。もうちょっとコメディ寄りなのかと思っていたんですが、思いの外真面目に裏社会の駆け引きを描いていた気がします。(思ったより、程度であってゴッドファーザーみたいな重厚さはまったくありませんが)

後ろの席のおばちゃんがやたらとでかい声でワハハハ笑ってたのが引っかかったという説もありますが、それにしても「いつものガイ・リッチー」、例えばU.N.C.L.E.と比べるとだいぶ笑いは控えめな印象で、その分ストーリーそのものに力が入った映画なのかなと。

あとはここ最近おヒューを重用してくれているというだけで俄然ガイ・リッチー支持派にならざるを得ない人間としては、今後もまたおヒューをいい役で使ってねとお願いせざるにはいられません。

しかし次作ではエディ・マーサンは登場するもののおヒューは出てこないようです。無念…。

このシーンがイイ!

あんまり細かく書けませんが…これはもうコーチが「4」ってやったところですね。あのシーン美味しすぎるでしょ。

ココが○

そこまで複雑にならず、でもそれなりに二転三転しながら楽しめる娯楽映画というのはなかなか他にないし、やっぱりガイ・リッチー大したもんだなと上から目線で言っちゃうわけですよ。こういうのまたやってほしいなー。

ココが×

一部でいくらなんでも“お咎めなし”はおかしいだろうというような行動もあり、あくまでフィクションでリアリティは二の次だなというのは感じました。まあそこは文句言ってても始まらないんですけどね。

ただそのリアリティの部分に対する潔いまでの切り捨てっぷりは好き嫌い分かれそう。

MVA

例によっておヒューは当ブログ唯一の殿堂入りのため除外。よって今回はこちらの方に。

チャーリー・ハナム(レイモンド・スミス役)

ミッキーの右腕。「優秀なボスには優秀な右腕」の象徴的な存在で優秀。

冷静かつ穏やかななかなかチャリハナっぽくない役だったんですが、これがとても良かったですね。今回間違いなく一番良かったと思います。ある意味で主役だし。

ミッキーを演じるマシュー・マコノヒーについてはもうさすがの一言で、いかにも“大物”感漂う佇まいが素晴らしかった。

それと当然ながらおヒューのゲスい探偵っぷりもお見事で、おまけに狂言回しの役割なだけにかなり出番もセリフも多くワタクシも大満足でございます。コリン・ファレルの謎の実力者っぷりも良い。

ただ今回、一人だけ少し残念な気がしたのはロザリンド役のミシェル・ドッカリー。役柄に合った演技は悪くなかったんですが、もう少しルックス的な強さが欲しかったです。こんなこと言って申し訳ないと思いつつ。ちょっと役の割にルックスが地味。

ここは「TENET」で超絶美女ぶりを発揮したエリザベス・デビッキだったら追加でもう2億点ぐらいついたと思います。めちゃくちゃ似合いそう。

あと個人的な好みでカトリーナ・バルフとか。うーん、それも観たい。

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