映画レビュー0694 『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』

この前なんとなくヒット数を確認したら、前日の来訪者が0でした。0。ゼロ。ゼーロー。

ゼロ目の当たりにするの初だなーと思いつつ、会社でちょっとニヤニヤしてしまいました。噂ではどこのブログもGoogleとかのプログラムが巡回している、つまりヒット数すべてが人間ではないという話を聞いたことがあるんですが、逆に言えばもはやここはプログラムすら来なくなったという…ものすごいレアなブログになってきましたね。

おかげで誰にも遠慮せずに好き勝手書けます。平和で何よりです。

冷たい雨に撃て、約束の銃弾を

Vengeance
監督
ジョニー・トー
脚本
ワイ・カーファイ
音楽
ロー・ターヨウ
バリー・チュン
公開
2009年8月20日 香港
上映時間
109分
製作国
香港・フランス

冷たい雨に撃て、約束の銃弾を

夫と二人の子どもが自宅に帰宅した直後に射殺され、自身も撃たれながら奇跡的に生還したアイリーン。彼女は彼女を見舞いに来た父・フランシスに復讐を頼む。娘の願いを聞き入れたフランシスは、ある3人のプロフェッショナルを雇って犯人探しを始めるが…。

後半超失速。

6.5

あるいは裏切りという名の犬」他ウルサイタイトルシリーズの一つ…と思って観てみましたが、あの辺と特に関係はありません。まあ邦題付けた人(配給会社)が同じなんでしょう。同様にフランス映画なのかと思っていましたが実際は半中・半仏映画という感じでしょうか。というよりも中身は中国映画で主役がフランス人なだけ、って感じ。

ただ出て来る言葉は英語とフランス語と中国語(広東語)で、主役が主役なので割合「洋画」っぽいイメージで観られます。でも舞台は中国…という結構ややこしい感じですがあんまり気にしないで観ていいでしょう。むしろその半中半仏な感じが新鮮で面白かった気もします。現代中国が舞台の映画もあんまり観ていないだけに余計に。

さて、その主役ですが…出ましたよジョニー・アリディ。ワタクシジョニー鑑賞久しぶりです。そう、あのやたらと心に残った「列車に乗った男」以来。彼の役どころはレストランのオーナー…なんですが、拳銃の扱い一つを取ってもどうやら過去が“只者ではない”様子。

そんな彼に復讐を頼む娘役がシルヴィー・テステュー。これまた久しぶりです。「エディット・ピアフ~愛の賛歌~」以来に観ましたが、彼女の印象は「ビヨンド・サイレンス」が強いかなー。「ルルドの泉で」を観たいんですがなかなか機会がありません。諸々誰も聞いてねーよ、って話で紙幅を埋めております。

そのシルヴィー・テステュー演じるアイリーンは、詳しくは語られませんが…おそらく国際結婚なんでしょうね、中国人らしき旦那さんと息子2人の4人で幸せそうに暮らしていたわけですが、夫の帰りを待ち伏せしていた男3人組が突如として家にやってきて銃をぶっ放し、アイリーン自身が応戦するもやられてしまい、結果的に夫と子どもは殺され、自身も会話ができなくなるほどの重傷を負います。

そこに見舞いにやってきたジョニー・アリディ演じる父・フランシスに、新聞記事の文字を指差しながら復讐を懇願。受諾したフランシスは、たまたま居合わせた殺人事件の現場で顔を知ったプロの殺し屋3人に自らの全財産と引き換えに仕事を依頼、以降4人で行動をしながら犯人探しを進める…というお話。

「犯人が3人組、依頼したプロも3人組…これはもしや…!!」という安っぽい嫌な予感も当然のごとく外してくれ、中盤まではかなり良い感じで観ておりました。

このフランシスが依頼したプロ3人がすごく良いんですよ。3人組としてはありがちな構図ではあるんですが、めちゃシブでカッコイイリーダー格の男に、ソツがなく実力も高そうな男、そしてコメディ的な存在感で物語に奥行きを持たせるおデブさんというチーム。それぞれに見所もあるし、プロフェッショナルらしい仕事ぶり、男としてやっぱりそうだよね的な価値観と、いやこりゃなかなかいいプロ雇ったねフランシス、と思いながら観ていました。

当然フランシスもアウトローを演じさせたらフランス1(おれしらべ)と呼び声の高いジョニー・アリディですからね。レストランのオーナーとか言ってるけど絶対手練だろ感がすごく、これまたゲキシブ。よーく観ると寛平ちゃんみたいな顔してるんですけどね。猿顔で。でも渋いんですよこれが。さすがジョニー。

プロ3人組も当然フランシスが只者ではないだろうことはすぐにわかるので、やっぱり完全に信用して良いものかどうなのか…そこはかとなく緊張感が伝わります。その緊張感と次第に近付いていく関係性の描き方がとても良くて、男の映画的にすごく期待を持たせる前半戦でした。テンポも良くてこりゃいいぞ、っと。

で、実は犯行チームは割とあっさり目に見つかり、そこからのお話が本番になるんですが…その本番以降がかなり失速した印象で、「ううーん、これはちょっと…もったいない」という感想。

一番感じたのは、フランシスには持病というか…ある特性があるんですが、その描き方が不器用というか。その特性が中盤以降急に物語の核に置かれるんですが、その割に序盤のフリが軽すぎて唐突な感が強いし、急激にその特性に合わせた話に強引に持っていっている感じがしちゃって、終盤はかなり無理のある話になってしまった気がします。例のごとくネタバレなので書けないんですが。印象としては中盤まではフィルム・ノワール風ハードボイルド映画、終盤一気にハードボイルドファンタジーって感じ。

そんなジャンルがあるかは知らん!

ただ、そのプロフェッショナル3人の描き方は本当にワクワクする良さがあったし、ボスによるいきなり謎の熱烈キスシーンが登場したりするという、今まで観ていた映画とは違った表現や価値観が観られて、これはこれで面白い、洋画主体の人間としては変わったものに触れる楽しさはあった気がします。

数年前であればその違いが違和感になったような気がするんですが、今回は不思議とその違いが面白く感じられ、逆に引き込まれるような部分がありました。それだけに…終盤の展開がものすごくもったいないと思うんですけどね…。

例の三部作と比べると、ジェラール・ドパルデュー衝撃の膨張ぶりを見せつけた「いずれ絶望という名の闇」よりは面白いかな、と思います。

フランス系ハードボイルド映画がお好きであれば観てもいいかな、と言ったところ。

冷たい雨に書け、約束のネタバレを

このシーンがイイ!

これはもう「雨の階段」のシーンですね! 汚いアパート風で雑多な背景も良かったし、階段をうまく使った戦い方も新鮮でした。

あと最初の4人での会食のシーンも良かった。

ココが○

プロと元プロの信頼関係の醸成、みたいな部分はかなり好みでした。中盤までは本当にすごく期待を持って観られたと思います。中盤までは、ね…。

あとプロのいとこの設定が好き。ひどいあばら家に住んでて冷蔵庫とか炊飯器に武器を隠してるあの感じ。

ココが×

そんなわけでね。終盤ですよ。具体的に書いちゃうとこれまたネタバレになるので書きませんが。その展開にするが故の“特性”の描き方、その辺からしてちょっともったいない。

MVA

もっと出てくるのかと期待していたんですが、シルヴィー・テステューはチョイ役でしたね。ジョニー・アリディもさすがの存在感で良かったんですが、この映画はこの人かなと思います。

アンソニー・ウォン(クワイ役)

雇ったプロのリーダー格。

理想のプロフェッショナル像的な佇まいがかっこよかったですねぇ。他の二人はいかにもローカル俳優っぽい感じでしたが(失礼)、この人だけは国際俳優! って感じで。雰囲気からして格の違いが出ていてよかったな、と。

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