映画レビュー0936 『ジャスティス・リーグ』

気付けばこの映画も配信終了が迫ってきたよ、ってことで観ることにしましたよ一応。

イマイチ(この頃の)DCには期待できないと思いつつ、とは言え一応「DCオールスタームービー」なので楽しみにしてました。が…!

ジャスティス・リーグ

Justice League
監督
脚本
原案

クリス・テリオ
ザック・スナイダー

原作

DCコミックス

出演
音楽
主題歌

『Everybody Knows』
シグリッド
『カム・トゥゲザー』
ゲイリー・クラーク・ジュニア

公開

2017年11月17日 アメリカ

上映時間

120分

製作国

アメリカ

視聴環境

Netflix(PS4・TV)

ジャスティス・リーグ

フリが下手すぎるDC伝統芸。

5.5
ヒーローチームを組む必要性を感じたバットマン、仲間を集めて地球の危機を守れるか
  • ヒーローを集めて戦う、いわゆるDC版「アベンジャーズ
  • しかしいまいち準備不足感が強く、観客の思い入れも盛り上がりも欠ける
  • DCシリーズらしくフリが足りないのにご存知感出してきてノレない
  • チートキャラのせいでヴィランも光らない

あらすじ

ということでね。ご存知DCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)5作目となる“DC版アベンジャーズ”、ヒーロー集合の例のアレです。

DCEU上での前作は「ワンダーウーマン」ですが、物語的なつながりは「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」が直近(数ヶ月後の設定)になります。

世界はスーパーマンを失い、危機が訪れたら地球を守りきれないと感じたブルース・ウェイン/バットマンは、ヒーローチームを結成するべくダイアナ/ワンダーウーマンや半魚人的なアクアマン、さらに超高速で行動できるフラッシュたちとコンタクトを取ります。

そうこうしているうちに実際にその“地球の危機”がやってきてしまい、チームに加わることを拒否していたアクアマンも共闘を余儀なくされる中、劣勢を挽回しようとブルース・ウェインは“ある策”を実行に移そうとするんですが…あとはまあ観てちょーだい。

ご存知感の薄い人たちがご存知的に登場

我ながらあらすじが雑な気がしますが、でももう観た人であればこうとしか言いようがないのもわかってくれると思うんですよね。

序盤から中盤にかけては「バットマンがヒーローを集めようとする」フェーズなんですが、これがまず丁寧さがまるで無い。いきなり「アクアマンの元に行って協力を求める」場面とか挟まってくるんですが、そもそもアクアマンって誰よ。どんな能力なのよ。そういう下準備も一切なしにいきなり行って「協力できない」とか思わせぶりにやられても「はー?」ってなもんですよ。

フラッシュにしても能力説明の前にいきなりアルフレッドが「こんな青年がいますよ」ってご紹介して「ふむ会ってみるか」みたいな感じで行って話が進んでいくので、「おおっ、ついにフラッシュが…!」みたいな高揚感もまるでなく、淡々と“いきなりこんにちはヒーロー”が仲間になる or ならないを見せられて「はぁさいですか」が延々と続くのはなかなかつらい。サイボーグなんて本当に事前準備ゼロからいきなり候補に上がってくる上に地味なのでまったく興味を惹かれない。

ワンダーウーマンだけは単体映画もやってるし「バットマン vs スーパーマン」でも出てきてるので観客の感情移入度も高いんですが、ただ彼女はもうすでに「vs」の時点で共闘しちゃっているので仲間になる喜びみたいなものもないし、ただただガルガド姉さん美人だねという感想しか出てこないという。これまたつらい。

そんなわけでのっけからモヤモヤしたところで、嫌でも比べられることになるMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)と比較することにしましょうよ。

あちらのアベンジャーズは6作目、なおかつその中にアイアンマンが2作入っていることを考えれば、フリの作品数としてはほぼ一緒と見なしていいとは思うんですが…なんなのこの圧倒的な役者不足感&準備不足感は。

まずやっぱり個々のヒーローの“オンリーワン感”とでも言うんですかね…パーソナリティを観客に対して丁寧に教育してこなかったツケが、この手のオールスター系の映画では一気に噴出しやすいんでしょうね。

主要メンバーで言えば、単体映画でご紹介があったのってワンダーウーマンとスーパーマンだけですよ。しかもスーパーマンは物語開始時は死んでるし。(「vs」で死んだことも記憶にないぐらい覚えてなかった人間が文句を垂れております)

バットマンは一応ノーラン三部作があったので、ある程度は「皆さんご存知ですよね」が許されるかもしれませんが、それにしたって「よく知る人」が半分程度じゃなかなか厳しいものがあります。

僕は「(一作目の)アベンジャーズ」も好きではなかったんですが、あの映画で監督を勤めたジョス・ウェドンがこっちでも監督やってるんですよね。一応クレジット上はザック・スナイダーなんですが、途中で交代したボヘミアン・ラプソディスタイルで。

MCUはジョス・ウェドンからルッソ兄弟主体になってから良くなったような気がするし、このハゲが元凶なんじゃねーかとマジで思います。全部かぶせるのも悪いんだけど。それぐらいこの人のセンスは合わない気がする。

まあ細かい部分はわかりません。どれぐらいの割合、ザック・スナイダーが作ったものなのかもわからないし、調べる気力も失せるぐらいにどうでもいいレベルだったので。

ただ総じて「知らないのにみんな知ってるテイでキメに来るんだけど知らないからキマらない」というなんとも薄ら寒い展開が長く続く映画だったことは確かです。

ヴィランの魅力が薄い

で、「ヒーロー集めて守らないとヤバい」ヴィランにしても初登場なのでその驚異のほどがいまいちわかりにくく、その上劇中でもさして極悪感が出ていないのでピンとこないのもつらい。

そんなヴィランの魅力の薄さもこの映画の質にかなり影響してるんじゃないですかね。部下はみんな同じ顔のモブキャラだし。

またも比べちゃって申し訳ないですが、「アベンジャーズ」はロキですからね。他にもいたし。ロキ自体が良い悪い以前に、きちんと当該作品前に紹介済みなのが大きいじゃないですか。

この映画はそれもなく、いきなり登場するもそんなにインパクトもないし、部下はみんなモブだしで盛り上がりに欠けるので、「野球は好きなんだけど2軍の試合はわざわざ観るほどじゃないよね」みたいな微妙感が強い。全員1軍でバリバリレギュラーですよっていう説明とアピールが徹底的に欠けてます。

チートキャラ登場でいよいよクソゲー化

で、チートキャラ登場ですよ。詳しくは書きませんけども。

彼がもう本当にチート過ぎちゃって制作側ですらまったく制御しきれていないように見えました。「ただの金持ち」バットマンに対する公開処刑っぷりがハンパない。ダメでしょこれ。

2巻の時点で悟空が超サイヤ人化しちゃったドラゴンボールみたいなもんですよ。亀仙人とかまったく相手にならないしどうやって面白くすればいいのみたいな。

特別な存在であることはわかるんですが…こうもレベルが違いすぎるとちょっとこの先もしんどくない? と余計な心配までしたくなる始末。大丈夫なんかいな…。

でもこの先からが本番?

ただDCEUはこの後の2作(「アクアマン」「シャザム!」)の評判がすこぶる良いようなので、この映画の不出来っぷりにちょっと本腰いれようとなったのか…はわかりませんが、ここで一旦気持ちもリセットして次に期待したいと思います。

なにせご承知の通りMCUが盛大なる一区切りを終えたばかりなので、今頑張らずしてどこで頑張るんじゃDC! と叱咤激励せずにはいられません。両方良いに越したことはないし、逆にMCUはこの先地味そうな雰囲気(あくまで先入観の問題でそれなりにきっちり仕上げてくるんだろうとは思いますが)だし、「エンドゲーム以降はDCのターン」とばかりに盛り上げてもらえればと思っております。まじで。

ただ今作に限ってはダメダメでしたね、と。申し訳ないですがそんな総評。

このシーンがイイ!

結局見どころはガルガド姉さんのお尻ぐらいじゃないのかという気がしつつ、彼女が(確か)最初に登場するシーンで例のテーマがアレンジされてかかったところ…辺りが一番自分の中で盛り上がっていたのでその辺で。それ以降はなだらかに下っていきました。

ココが○

文句言いつつも、僕は意外と「ただの金持ちで大して強くない感がありありと伺える」鈍重なベンアフバットマン嫌いじゃないんですよね。

ただキャラに深みがあるかと言われるとそれほど感じないだけに…やっぱりベンアフ版の単体バットマンも作るべきだったんじゃないのかなーと思います。かわいそう。なんか。

まあ、さすがにノーラン版のクリスチャン・ベールバットマンとはだいぶ違うんですが、とは言えこのバットマンもアリだと思うしもうちょっと活かしてあげて欲しいような気もします。

ココが×

散々上に書きましたが、まとめると「ご存知感出してるけどご存知じゃないし(=前フリ不足)」「ヴィランの強さと魅力の描写不足」「あの人がチートすぎてチーム自体不必要」辺りですかね。

改めて“強さ”の描き方のセンスってものすごい大事だなと気付かせてもらいましたありがとうございます。

あとアクアマンの存在意義が…。思いっきり陸で戦ってるし…。

MVA

どうでもいいんですがJ.Kさんのカツラダンディっぷりは衝撃でしたねー。キャスティングはどの人も悪くないのにキャラを活かせていないシナリオがやっぱり問題なんだろうな…。

今回(ほぼ)初参戦のエズラ君もなかなか良かったんですが、まあ総じて映画自体に不満が強い場合は「男チョイス」にならざるを得ませんねってことでこちらの方。

ガル・ガドット(ダイアナ・プリンス/ワンダーウーマン役)

相変わらずお綺麗で、またかわいらしさもあり、お強くもあり。

この人いなかったらほんとに観てられなかったんじゃないかなー。早々に興味を失っていた気がします。美人がいるだけで間が持つありがたさ。

あ、あとアルフレッド役のジェレミー・アイアンズも好きです。この人も何で見てもいつもいいですね。

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