なんプロアワード2021

あけましておめでとうございます!

空元気でビックリマークをつけてみました。今年もよろしくお願いします。例によってなんプロアワードからのスタートです。

いつものことですがなんプロアワードはかなり長いものになるのでなかなか腰の重い作業になってきまして、今は腕まくりをして形からやる気を出そうとしているところです。その分寒いです。

去年のなんプロアワードを読んだんですがなかなかネガティブな内容で1年前の自分の精神状態が伺えますね。

あれから良くなったかどうかは微妙なところですが、去年は割とネットで遊ぶ機会が増えたおかげで一昨年よりも楽しく過ごせたような気がします。

ただ、実はブログでは書いていないんですが、12月に最後のワンコファミリーだったビビ母を看取ったこともあって、やはり年とともに失うものが増えていく悲しさは強く感じます。

とは言えビビ母はビビと違って大往生(18歳)であまり苦しむことなく穏やかに旅立っていったので、気持ちとしては「看取ってあげられてホッとした」面のほうが強くて、むしろビビを思い出しては相変わらず寂しさを感じているところです。本当にこの上なく愛おしい家族でした。

ひとまずワンコさんの話は置いといて恒例のご説明から。

「なんプロアワード」とは
前年に初めて鑑賞した映画の中から選んだベスト10と、主演俳優賞を発表する、少しも珍しくない誰の目にもお馴染みな企画
[ルール]
  • エントリー基準は「その年初めて観た映画」
  • その中から勝手にベスト10を選定
  • そのため古い映画も入って来るという謎み
  • さらに生死関係なく、その年に観た映画に出ていた最も良かったと感じた役者さんに主演俳優賞進呈
〈2021年雑感〉

去年はなんとなく肌感覚で(日本社会の)「ジェンダー元年」的な印象が強く、「もうオトコオンナ言ってんじゃねぇ」みたいな風潮が強く感じられるようになってきた気がします。

例えば何かの登録をしようとサイトでプロフィールを入力してい++ても、性別の選択肢に「男性・女性」しかないともう遅れているような気がしてくるぐらいにはいろいろとLGBTQの人たちへの配慮が進んできた印象があります。

そんなわけで地味に上記説明も「主演男優賞 or 女優賞」から「主演俳優賞」に変更しました。ただご承知の通りこれについては男女で分けて選んだこともないので実質的には同じことです。

各俳優さんのページについては「俳優」「女優」表記になっているんですが、今さら3000件弱のページを修正していく気持ちはサラサラ無いのでこの辺は許してねということで。

そんなジェンダー的な観点で言えば、去年を通して思ったのは「女性監督の映画の質の高さ」が印象深い一年だったな、という点。

そもそも圧倒的に男性監督作品の方が多いだけに、自分が鑑賞することのできる数少ない女性監督作品はかなり厳選されたものである可能性が高いので、それは裏を返せば「相当良い映画を作らないと(日本の)観客には届かない」女性監督の狭き門っぷりを象徴しているのではないかなと思うんですよね。

要は「女性監督の駄作は少ない」けど「男性監督の駄作は腐るほどある」、このアンバランスさにちょっと構造的な問題がありそうな気がして。

もちろん僕が観ている本数なんてたかが知れているんですが、ただある意味では「サンプル調査」ぐらいの意味はあるだろうし、現状では女性監督作品の方が“打率が高い”のはほぼ間違いがないと思うんですよ。

やっぱり女性監督は男性監督と比べるとチャンスが少なかったり、そもそも映画製作に参加すること自体が(家事や子育てをしつつが多いために)環境的に難しい等の問題もあって、どうしても男性監督の方が作品を作りやすいし世界各地にリーチしやすい環境がありそうだな、と。つまり表に出てくる女性監督の映画はかなりの困難を越えた先のものである可能性が高く、それ故良い作品が多いのではないか、というお話。

これは政治の世界でも似たような話があるので、やっぱり男女間の役割分担のいびつさがこの辺りに出てきている、だからいろいろ変えていきましょうみたいな世界の流れ=ジェンダー改革に合致してくるのかな、と。男性が家に入って女性が外で活躍してもいいじゃない、っていう。もちろん双方で別々の仕事をして、家政婦さんなりを雇って暮らしを回していくスタイルがもっと広がっても良いと思います。

きっとこれが十年単位の後に少しずつ比率が変わっていくのかな、その端緒が今の時代なのかなとふと思ったりするわけです。なので今後はより女性監督の作品を観る機会が増えるだろうし、きっとその中には駄作もそれなりの割合登場してきて、それ自体は嬉しくないんだけど世界全体で見れば良いことだ、みたいな変化が起こるのかなー、とか。それによって「女性監督だから良い」とかそういう言説自体の意味がなくなる方向になれば良いなと。

なお僕も家事頑張りますので外で稼いでくれる人を募集しています。(会社労働したくない勢)

話を戻しまして、改めて去年の実績を。

去年の鑑賞本数は151本(うち再鑑賞24本)、劇場鑑賞は2本でした。

ここに来てまさかの最高記録達成です。自分でも意外。一方で劇場鑑賞本数はやはりコロナの影響が大きく過去最低レベルで終了。

なんで総数がこんなに増えたんや、と言うとやっぱり去年はウォッチパーティを始めたことがかなり大きいですね。定期開催+ゲリラ開催でウォッチパーティのみでも38本観ていたので、大体1年の平均本数にウォッチパーティ分を加えてここまで伸びた、という感じでしょうか。映画は大体土日のお休みの日に観る習慣上、基本金曜開催だったのも大きいです。

またウォッチパーティは基本的に投票で選ぶために自分が観たことがある映画が選ばれることも多いので、再鑑賞も増えました。ただ自分が思っていたよりは再鑑賞の本数は少なかったですね。

「言うて実際は観とらんのやろ」と絡んでくる関西人向けに、去年は多かった分再鑑賞作のリストを載せておきます。

ご覧の通り、去年初鑑賞してさらに再鑑賞したものも結構あります。観たくてみたものもあれば、ウォッチパーティで選ばれて観たものもあったりとさまざま。

いずれにしても再鑑賞がこれだけ増えたのも過去一で、レビュー製作が滞っていたために「過去作観て借金増やさないようにしよう」みたいな感覚もありました。実際問題。過去作なら「観るだけ」で終わりですからね。

レビュー製作が滞った理由としては、コロナ禍以降、残業がほぼなくなったおかげで暇な時間も減ってギュッと業務が圧縮されてしまったことが大きく、だったら家に帰ってきてから書けば(描けば)いいじゃん、という話なんですが家にいたらゲームとかやっちゃうよね、という当たり前の話ですよ。舐めんなよと。

ということでいつもの通り、実績に去年分を追加していきましょう。

  • 2009年 21本(途中から開始)
  • 2010年 66本
  • 2011年 111本
  • 2012年 141本
  • 2013年 72本
  • 2014年 79本
  • 2015年 56本
  • 2016年 81本
  • 2017年 107本
  • 2018年 128本
  • 2019年 107本
  • 2020年 102本
  • 2021年 151本

今年はもう14年目ですよ。マジカヨ。もう中学生ですよ。こっちも。

レビューもまもなく1200本到達ですからね。まあよくここまで下手の横好きで続いたもんです。文章も絵も一向にうまくならないのが我ながら草。

最近はもう文章もイラストもどっちも苦になってきていてなんのためにやってるんだ感がすごいんですが、ただもうここまで続けちゃった以上何もしないわけにも行かず、趣味の形をした妙な十字架を背負って生きていくなんとも不思議な人生になってまいりました。

映画によっては言いたいことが腐るほど湧いてくるものもあるんですが、9割はほとんど書くことがない映画が多いんですよね…。ネタバレ回避が命題なのでなおさら。

ちなみに書きたいことがどんどん湧いてくるのは大抵ものすごい傑作かものすごくこき下ろしたくなるクソ映画です。どっちもそうそう出会わない。

[総評]

昨年、なんプロ的(映画鑑賞環境)に影響があった変化もそこそこありまして、ちょっと列挙してみましょう。

  • ウォッチパーティ開始
  • アマゾンプライムビデオ加入
  • Netflix解約
  • JAIHO加入
  • クソデカTV導入
  • 板タブ導入

最後のはジャケ絵がデジタルで完結するようになったよ、という割とどうでもいい情報です。

あんまり細い線が描けない(描けるんだけど設定変えるのがめんどくさい)のがネックですが、概ね手描きしてスキャンするよりはだいぶ楽になったのでこれはなかなかいい買い物だったような気がしています。

アマプラ加入はウォッチパーティのためなので副次的なものですが、なんだかんだ安い買い物を気軽にできるようになるのはやっぱり楽だなと言う単純な感想。

なんプロ的に一番大きいのはやっぱり「Netflix解約・JAIHO加入」でしょうか。

ここ数年はほぼネトフリの終了を追って急いで観る人生だったので、そこから開放された気楽さもありつつ結局JAIHOでも配信終了に近いものを選んでいるのであまり変わっていないという噂。

一方JAIHOではアジア映画が欧米映画以上にピックアップされている感が強いので、そのため加入以降はかなりアジア映画、特に韓国映画を観る機会が増えました。

なにせネトフリの(とは言ってもネトフリに罪があるわけではなくそれを選ぶ自分のせいですが)毒にも薬にもならない量産型アメリカ映画に飽き飽きしてきていたので、これは自分としても渡りに舟だったし新鮮な気持ちで観られる映画が増えたのは本当にありがたい限りです。

くどいようですがJAIHOはオススメですよ。日本初の映画も多いし、「映画のセレクトショップ」的な感じで厳選された30本から選ぶのは“多すぎて選択するのもめんどくさい”アマプラ・ネトフリに比べてだいぶ使いやすい印象があります。その中に観たいものがなければまたアマプラなり録画なりから選べば良いわけだし。

JAIHOは月額770円。安い!

ただFire Stick TVで観たときに長く停止してると最初に戻っちゃうのと途中から観るレジューム機能が無いのはいただけないぞ! ちゃんとやれ!(届かない文句)

ちなみにクソデカTV導入時に不調だったホームシアターシステムを外したので、去年は普通にTV(クソデカ)からの音で観ていたんですが、この年始にAVアンプを導入して5.1chに戻ったので環境としてはもう完成形になりました。昔は7.1にしてましたが正直5.1あれば十分かなと思います。あとはもう1本サブウーファー追加して5.2にするぐらい。

今どきウーファーって2つ付くんですよ。すごいですね時代。

そんなすごい時代のなんプロアワード、相変わらず長い前フリを経て始めましょう。

なんプロアワードベスト10・2021年版

『フラワーズ』
フラワーズ

とある女性の元に差出人不明の花束が届く日常が、同僚の事故死によって途絶えたことで動き出す数人の話。本レビューはこちら

ひじょーに地味な映画なのでこれを選ぶのはなかなか渋いと言うか、なんとなくカンヌ映画祭審査員感を感じます。自分で。超適当な感覚で。

この映画はタイトル通り、そしてレビューにも書いた通り「花を手向ける」ことの意味を深く、しみじみと自分の中に刻印してくれた映画だと思います。

本当に地味なドラマなだけに、きっとオススメ映画を聞かれてもまず出すことはない1本なんですが、一方で「大切な存在を無くした人」にとってはこれほど刺さる映画もなかなかないと思いました。

何度も書いている通り、僕はちょうど2年前に最愛の愛犬を亡くし、この映画を観たときはちょうどその1年後ぐらいのことで、実際僕も近くの花屋さんでお花を買って遺影の前に置いたりしていたんですよ。

その自分の経験と強くリンクする内容だったし、今まではなんとなく「そういう風習だから」ぐらいにしか考えていなかった「花を手向ける」行為の“本当の価値”について知ることができて、自分の中に落とし込めたので、大変な価値のある鑑賞になりました。

言いたいことは割と本レビューにしっかり書いてあるので、気になる方はぜひ観て頂きたいなと思います。ただ本当に地味です。

『ピッチ・パーフェクト2』
ピッチ・パーフェクト2

女子アカペラ部「ガーデン・ベラーズ」やらかしからの世界大会参戦。本レビューはこちら

ピッチ・パーフェクト」シリーズの2作目、卒業生&新入生による若干の人員入れ替えを経ての世界大会や恋愛に就活等いろいろが描かれます。

「ピッチ・パーフェクト」は元々ウォッチパーティで選出されたために観た(年末のアンコール回でも選出されたので2度観ました)んですが、そもそもきっと自分では観ようと思わなかった気がするんですよね。なんとなく。

それが観たらもうめっちゃ良くて最終的にはみんな大好きになっちゃいまして。3作全部込みでの9位としてもいいんですが、一応一番好きだった2を選出という形にしています。

アカペラそのものが良いのは間違いないんですが、ただアカペラ主体にしすぎるときっとちょっとマニアックな感じがしちゃうし一般ウケしなさそうな映画になっちゃいそうだな…というところを(あえて?)ベッタベタの青春映画に落とし込むことで等身大の物語でアカペラの良さを伝える「1」の作り、実は巧みだったのかなと思ったり。

そしてその1の成功を活かし、続投キャラたちをうまく利用しながらオリジナルの物語に展開していった「2」もまた巧みだったと思います。そして「3」はベラーズファンたちへのファンサービス。

中でも「2」はやっぱりコメディ感がパワーアップしたことと、後半になって登場する前作キャラの使い方のうまさによってシリーズファンの期待に応える作りになっていた点がイチ押しポイントしょうか。

過去作の財産をうまく継承してくれる続編は良いですね。それをやらずにがっかりした映画があっただけになおさら。

『エクストリーム・ジョブ』
エクストリーム・ジョブ

捜査のために借りたチキン屋でカモフラージュ営業したら大繁盛、本業はどっちだコメディ。本レビューはこちら

もうこれは「あらすじからして絶対面白いだろ」と思ったらそのまま面白かった、期待通りに期待に応えるお手本のような優等生ムービーですよ。

ほんっとくだらねぇなと思いつつもギリギリまでチキン屋を引っ張る作り、大好きでした。

エンタメ度で言えば去年観た中でも屈指の作品だと思います。それだけ誰にでもオススメできる良作。

コメディとして終始楽しく気楽に観られると同時に、終わり方がスカッとしていて綺麗に終わるのも良い。なんなら観客も一緒にドヤ顔できちゃうような気持ちのいいエンディング。

やっぱり映画は終わり方が大事ですからね。

アイデア一本勝負のウケ狙い作品のように思いがちですが、その実きちんと綿密に作られた巧みさ、計算され尽くした上手さのあるエンタメだと思います。

上位に選出するには深さが足りませんが、ただこの映画はこれでいいと思いますね。むしろ変に色気を出さずにきっちりコメディしてるのが良かった。

『Vフォー・ヴェンデッタ』
Vフォー・ヴェンデッタ

全体主義国家となったイギリスで革命を志す仮面の男と出会った女性の話。本レビューはこちら

個人的にディストピアモノが結構好きなんじゃないかと最近思うんですよ。

華氏451」とかも当時感じた面白さ以上にすごく記憶に残ってるし、「セブン・シスターズ」もディストピア的な面白さがあったし。

今世界的にも全体主義寄り(≒民主主義の退潮)になって行っている風潮も感じられるだけに、そこに“もしかしたら”の未来が見える怖いもの見たさみたいなものがあるような気もしていて。

その「もしかしたら」の未来において、「こんな人がいたら」をまさしくヒーローっぽく感じさせてくれる“V”の良さはもちろん、体制側の良さも忘れられません。

今は亡きジョン・ハート演じる独裁者とその部下たちの存在感とドラマもとても素晴らしく、敵も味方も最高なディストピア感。

むしろもしかしたら主人公のナタリー・ポートマンが一番不要と言えば不要かもしれない。ただ彼女はきっと観客の代わりとして物語に存在する媒介のようなものなのかもしれませんね。

ちなみに今さらですが最近通勤中にジョージ・オーウェルの「一九八四年」をオーディオブックで聴いていて、そのディストピア感が結構他人事ではない感じがして怖面白いと同時に脳内に浮かぶ世界がこの映画なんですよね。舞台もロンドンだし。

それもあって記憶に残る、より思い出してしまう世界観が好きでした。

『KAMIKAZE TAXI』
KAMIKAZE TAXI

組から逃げつつ復讐の機会を探るチンピラと、彼を運ぶタクシー運転手との交流ロードムービー。本レビューはこちら

古き良き人情ロードムービー。この映画の世界そのものが好きでしたね。雰囲気が。

やっぱりねー、単純なんですが「死を悟っている男の腹を決めた生き様」とでも言いましょうか…覚悟を決めて生きる人間の良さってあるじゃないですか。

その裏に(古い)ヤクザの仁義のような、芯の通った意志が見えるのもまたたまらなくて。

もう誰もが「逃げながらも死に向かって進んでいる」のはわかっているんですよ。観客はもちろん、登場人物たちも。もちろん本人もそのつもりで生きていて。

その刹那的でありつつも覚悟を持った“最期”を貫徹しようとする意志の力が、高橋和也演じる若いチンピラに宿るエモさがすごく良かったです。

そしてもちろん、それを感じ取って寄り添う役所広司演じるタクシー運転手の優しさと心意気もたまらない。

この映画の良さは、その上でさらに「今の日本にはない空気や価値観」が込められている点も大きいと思います。

今ならきっとこんな生き方をする人間はほとんどいなくなってしまったような気がするんですよね。なんとなくの印象ですが。

損得を度外視して自分の美学、矜持が「死ぬことよりも大事」だと思って生きている、その生き様に憧れや感動を感じてしまう部分があって、それ故より心に響く映画になったのかな、と。

まさに「古き良き時代」を感じさせる人間たちが生き生きと描かれる映画だし、そこにさらに社会派的なメッセージも感じられるので、単なる娯楽映画以上のメッセージが刺さってきました。すごく好きですね、この映画。

『血観音』
血観音

上流階級の交流の場になっている骨董店の一家を中心に描く、政治と裏取引と殺人事件。本レビューはこちら

台湾発の特濃サスペンス。

語り部が特殊だったり少し癖は強いものの、近年ここまで濃いサスペンスは観た記憶がないレベルで、まーたまらなかったですね。

ドロドロドロドロ、観てるこっちまで液状化しそうなぐらいにドロドロ。ダークフォースに支配されそう。これにはドゥークー伯爵もご満悦です。

主人公が政治家でも政商でもない、ただの一骨董店主人、っていうのがまたなんか生々しいというか。絶対表に出てこ無さそうな“一般人”がすべての中心に位置している怖さがたまりません。

台湾のいろんな事件をモチーフにしているだけあってリアリティもあるし、綺麗事ではない人間の“本当の汚さ”みたいなものもたっぷり盛り込まれていてすごく嫌になる面もあるんですがそれがまた癖になるドロドロ感。

特に主人公一家の女性3人の関係性がとても良くて、話が進むにつれて明らかになっていく彼女たちの立ち位置やその人生を考えたとき、なんとも言えない衝撃を受けました。

本当に骨太でなかなか出会えない“嫌な世間”を味あわせてくれるかなりの傑作だと思います。観られる機会が少ないのがとても残念。

『ハッピー・ニュー・イヤー』
ハッピー・ニュー・イヤー

おっさん中心でチームを組んでダンス大会に参戦しつつお宝を狙うぜムービー。本レビューはこちら

ザ・インド、そしてザ・エンタメのザ・インド。繰り返しちゃうぐらいにインド。

もーこれは「最高」としか言いようがない映画でした。超好き。

とにかくチームメンバーが良い。6人全員好きになっちゃうキャラの良さ。やっぱり単純ですが「落ちこぼれが一発逆転」的なお話にはどうしても感情移入してしまいます。

当然ながら歌とダンスもノリノリで最高だし、全体的にきらびやかで映像を観ているだけでもアガる。

そして何よりヒロインを演じるディーピカー・パードゥコーン神ですよ。完全に神。インド名だからそれっぽいし完全に神。

彼女が出ているだけで華やかさに磨きがかかるし、表情豊かに魅せてくれるのでもう観客はずっとハートマークです。目が。

展開的には王道とは言え、とにかくインド映画らしいサービス精神旺盛な世界に大満足でニッコリ鑑賞を終えました。

初回はウォッチパーティに推薦しつつも選ばれなかったために一人で観ましたが、「やっぱり最高だからみんな観ようぜ!」と企画して結局ウォッチパーティやりましたからね。みんな観ろと。ディーピカー神を崇めよと。

コメディ的な美味しさもたっぷりあるし、シックスパック担当は豪華2人盛りだしで全方向に手厚いエンタメ大作です。

『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』
シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション

48時間以内に盗まれた「惚れ香水」を取り戻せ! 本レビューはこちら

ご存知シティーハンターのフランス版実写映画。

監督・主演が原作の大ファンということで、やりたいことを最高の熱意で実現したら最高のファンムービーになりましたという典型例です。

さしてシティーハンターに詳しくない僕でも「うわ〜シティーハンターだー!」と興奮しちゃうぐらいにシティーハンターしている、つまりは最低限の共通知識に訴えかけるぐらいにしっかりと「(シティーハンターの)基本を踏襲」した丁寧なお仕事と言えるでしょう。ただのおバカムービーじゃないぞ、っていう。

ご本人がファンなだけに「こんなのシティーハンターじゃない!」と思わせるような酷さはまるでなく、完全に実写の世界に構築されたシティーハンターそのもののでした。

むしろ冴羽リョウなんて日本人よりも彼の方がそれっぽい気がしてくるぐらいにピッタリ。

さらにこの映画オリジナルのキャラクターが違和感なく物語に混ざり込み、かつ素晴らしくコメディ的な旨味を提供してくれているのも見逃せません。なんならズルすぎるぐらい良いキャラでした。

それなりにハラハラドキドキ展開を織り交ぜつつ、ところどころでゲラッゲラ笑いながら楽しめ、最後まできちんとシティーハンターして終わる…まさに漫画の実写化のお手本、最上級の映画でした。シティーハンターを知らなくても全然楽しめると思うしそれぐらいレベルが高い良い映画です。

この映画は比較的去年の早い段階で観たんですが、ウォッチパーティで観たあとは「これもう今年の1位決まっちゃったかもな〜」と思うぐらいに大満足でした。

が、そのまますんなり行かないのも面白いもんです。さらにこの上に2本、良い出会いがありました。

『小公女』
小公女

値上げラッシュで生活費が足りなくなった女子が、家を捨ててかつての仲間たちに泊めてもらいに行く話。本レビューはこちら

普通なら趣味を削って住まいを取るところを、逆に趣味を取って住まいを捨てた主人公が、かつてのバンド仲間を頼って今現在の状況を知り、寄り添いつつ日々を過ごすお話です。

…とまとめるとこの程度ですが、実際はもっといろいろあって深いお話でした。

もーね、むちゃくちゃ良かったんですよこれ。本当になんでもっと広まってないんだろう、って思うぐらいに超傑作。

生き方や物の価値について考えてしまうのはもちろんですが、何より過去の仲間たちと再会してそれぞれの今を見つめ、変わってしまった環境や人間、逆に変わっていない部分も感じながら、それに対して温かく寄り添ったり否定されたりしながら強く生きていく主人公の姿にものすごく感銘を受けました。

将来の心配なんて何もせずに楽しい時間を過ごした過去と、現実的な悩みに苛まされながら過去とのギャップに生きている現在とを感じながら、それを“一番つらい”であろう主人公が包摂する優しさがなんとも言えず、たまりません。

本レビューでも書きましたが、これはある意味で「過去」と「人」を旅するロードムービーになっていて、そこには出会いと別れもあるし、その先にまたさまざまな人生が続いていくことも描かれています。

それ故に各人の“その後”にも思いを馳せてしまうような広がりがあり、しみじみじんわりと考えてしまう映画でした。

と同時に自分の人生についてもやはり考えが及んでしまう面もあり、「あいつ元気かなぁ」と昔の友だちを思い出したり、自分の本当に大事なものは何なのかを改めて考え直す機会になったり、自分の人生に対しても影響が及んでくるのもまた傑作の証でしょう。

これももう一度観たいんですが…これまた現状観られる機会が少ないのが悲しい。

『子猫をお願い』
子猫をお願い

社会に出てから徐々に関係性が変わっていく学生時代の仲良し5人組の話。本レビューはこちら

奇しくも2年連続で青春映画が1位です。ただ今回はゲラゲラ笑える映画ではなく、しっかりとしたドラマ。我ながら珍しい。

上の再鑑賞リストを見ればわかる通り、この映画は再鑑賞を2回、つまり都合3回観ました。初回観て、あまりにも良くて続けてすぐ2回目を観て、JAIHOの配信が終わる前にもう1回。

もうあらゆる要素が素晴らしすぎて、無邪気なままでいられない社会に出てからのそれぞれの変化であったり、少しずつ離れていく兆候が伺えるさり気ないやり取りであったり、もしかしたら無意識にそのことに(言葉にせずとも)気付いて、つなぎとめようと努力したり、友達の存在は二の次で生きていくのが必死だったり、様々な立場と価値観の違いを同時進行で走らせて、その中にさらに社会全体の家父長制であったりの様々な問題も盛り込みながら、何よりも若くキラキラとした「このときだけ」の女性たちの光を封じ込めた眩しいまでの映像であったり、あらゆるものがたまりませんでした。

不満も無かったわけではないけれど、それを補って余りある「このときだけ」の空気がすべて込められているところに普遍的な価値を感じます。

もっとも、順位としては2位の小公女とどっちを1位にするかかなり悩んだぐらい、どちらもとても良い映画だったんですが、こっちが上に来たのはなんと言っても主演のペ・ドゥナの魅力。

彼女の表情豊かなかわいさ、底抜けな優しさと意志の強さを感じさせる演技がかなり衝撃を受けるぐらいに素晴らしくて、彼女が主演だからこそ3回観たとも言えます。

なんなら今も観られるならまた観たい。それぐらい良かったし、それぐらいペ・ドゥナが魅力的。

どうしようもない切なさと、それでも本当に大事なものを迷わず突きつけてくれる存在のありがたさとをしみじみ感じながら、自分の若かった頃と重ね合わせて様々な感情が押し寄せてくるこれまた超傑作です。

Blu-ray出してほしいですね…これほど手元に持っていたい映画はないかもしれない。

さて、ちょっとしたまとめですが、今回の内訳としては(他でも配信していたりしますが自分が観たものでカウントすると)ネトフリが4本、アマプラが1本、JAIHOが5本となりました。

また上位2本が韓国映画というのもかなりレアだし、トップ10に入っているアメリカ映画は2本だけ。自分のチョイスもだいぶ変わったなぁと実感する結果となりました。

ちなみに監督の男女比は6:4でした。女性監督作品の少なさを考えれば、10本中4本が女性監督というのは(自分との相性もあるでしょうが)それだけ打率が高いことの一つの証左になるでしょう。

去年の1位である「ブックスマート」も女性監督(オリヴィア・ワイルド)だし、やっぱり女性監督作品は単純に面白いものが多いと思っています。

勝手に選出・AOY(Actor Of the Year)

最後は恒例のAOY。

去年は一時期ディーピカー神にしようかと思っていたんですがその後「子猫をお願い」を観て速攻決まりました。

ペ・ドゥナ

まだこの2本しか観ていませんが満場一致です。自分の中で満場一致。

もはや一番好きな女優さんと言って良いぐらいにやられました。神を超えた神です。ペ・ドゥナ唯一神。

画像検索ちょっとかけても死ぬほどかわいい画像ばっかり出てきて死にました。実際。

自分と同年代なのに今も変わらずかわいいのがすごい。ずっとかわいい。そしてルックスだけではなく演技派というのもポイント。

今年は彼女の映画をもっと観ていきたいなと鼻息荒く思っております。

ペ・ドゥナ
嬉しさをまったく感じていないクールな眼差しのペ・ドゥナさん

ということで今年のなんプロアワードはこれにて終了。

今年もあいも変わらず100本を最低ラインの目標にしつつ、引き続きウォッチパーティもやりながらいろんな映画を観ていきたいと思います。環境も良くなったことだし。

そして今年は去年以上にマニアックな映画が増えるかもしれませんが、それはそれでいいじゃないと適当なことを言ってお茶を濁しておきましょう。

サービス終了してしまったら悲しいので、みなさんもぜひJAIHOに加入してねとインターネットの僻地で訴えつつこの辺で。

ではまた。

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