なんプロアワード2025
少々遅れましたが皆様あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。
まあ毎年遅れてますからね。平常運転ですよ実際。
そもそも誰が読んでるんだって話が〜〜〜〜〜〜〜(以下略)
毎年(ダラダラするのが優先されはするものの)割と「なんプロアワード書くでぇ!」と自分でも楽しみにしている部分があるんですが、今年はなぜか気分的にもまったく筆が進まず自分でも困惑しております。単純にめんどくさくなったのかな!?
というか元々何かとめんどくさがりではあるんですが、それにしてもブログに限らずあらゆるジャンルにおいてめんどくささが勝ってくる感が日に日に増しておりまして、こうして人間歳を取るんだなと哀しみに包まれております。寝ることと食うことだけは意欲的、みたいな。
もう本当にゲームとかも全然進まないですからね。去年一番話題だった「なんとか33ナントカ」とか買ったんだけど全然やってないし…。
それはさておきですね、早速去年の個人的な振り返りから始めましょう。
実は去年は当ブログ開始以降最も“いろいろあった”年だったんですが、年末になってみれば結局いつもと変わらんやんみたいな状況になりまして、なんというか元に戻ろうとする力が強い。激太ゴムって感じ。
きっとこのまま一生を終えるんでしょう。いや無事に終えられればまだマシ、って感じでいろいろ身の回りの状況も悪化の兆候が見えていたりするんですが…いつまでこんな脳天気な文章を綴り続けられるのか、自分自身でも不安です。書けなくなったら適当にChatGPTにでもお願いしましょうか。今はまだオリジナルで頑張っております。
で、去年最も大きな出来事としては、去年のなんプロアワードでも書いていたことが珍しく有言実行されまして鳥羽水族館に行って参りました。
これはもう去年書いた通りで、年明け早々に旅立った福岡のラッコ・リロくん(鳥羽のキラちゃんのお兄ちゃん)に背中を押してもらった格好です。
自分なりに混雑を避けようと
- 週末は鬼混み確定なので平日
- キラちゃんの誕生日(4月21日)・メイちゃんの誕生日(5月9日)は間違いなく来場者が多くその日狙いで遠征する人が結構いそうなのでその近辺の別日
- 同様にGWに行く人が多いと思われるのでGW近辺
- 大阪万博開催(4月13日)直後であっちに人が押し寄せている時期に合わせて間隙を縫う
- 会社事情で有給取得は1日が限度
- 帰ってきてすぐ仕事は我慢ならない=月曜日は候補から外れる+休みに繋げないとしんどい=金曜日確定
というかなり綿密な計算の上に4月18日の金曜日に決定。
前日木曜日に早退して新幹線で向かい夜に鳥羽入り、泊まって朝一タクシー呼んで運転手のおじさんに「男性一人は珍しいですねぇ」と言われ涙を流しながら到着後閉館までいたんですが、結局やっぱりそれなりに混んでいたのと一応一通り見て回ったのと連続並びの疲れもあったのとで10周程度が限度でしたが結構見られて感動しました。(夕方あまりにも疲れてラッコ水槽列の後ろにある座席で寝落ち)
入館順は2人目だったんですが、もう入館待ち=ラッコ客が基本なのか、入場は従業員の方にドラクエ方式でついて行く形でまずラッコ水槽前に通されました。他行かないでしょ、って感じで。いやーすごい。
ラッコライブカメラガチ勢なので、最初に見た瞬間いつもの朝のルーティンと同じように泳ぐメイキラちゃんを見てまたちょっと泣きました。
今もまだまだ元気なお二人、また近い内に会いに行きたいですね。

もう一つ、大した話ではないんですがこの前気付いたことがありまして、おそらく世の中で他に言っている人がいないと思われるのでここに書き残しておきます。
去年のAmazonブラックフライデーセールであの傑作連続ドラマ「チェルノブイリ」のブルーレイが安くなっていたので、もう一度観たいし持っておいても良いかも…と思って買って年末また観てみたんですが、動物好きには最もつらい4話目を観ていてふと気付いたんですよね。
バリー・コーガン扮する青年が、放射線被害を広げないために動物たちを処理していくグループに配属される話で、その隊のリーダーを演じるのがファレス・ファレスです。あの「特捜部Q」シリーズのアサド役でおなじみ。
で、チームは3人なのでもう一人いたのは覚えていたんですが、その人はあんまりセリフもないし記憶に残ってなかったんですよ。まあ言ってしまえば端役です。
でも今回観直していて「あれ? この人もしかして…」って気付いちゃったんですよね。
「この人もしかして…『特別捜査部Q』のアクラムじゃない!?」と。
…と言われてもわからない人も多いと思うので、順を追って説明しましょう。
「特捜部Q」シリーズは、同名の小説を元にしたシリーズ映画で4作目まではファレス・ファレスがアサドを演じています。キャストが変更した5作目以降はクソなので無視してください。余談ですが去年観た中でも5作目「知りすぎたマルコ」は確実にワースト10に入っています。
一方、「特捜部Q」シリーズがネトフリオリジナルのドラマとしてイギリスに舞台を変えて作られたのが「特別捜査部Q」で、これがなかなか評判も良く面白かったんですが、その「特別捜査部Q」におけるアサドにあたるキャラクターがアクラムです。カールは名前変わってませんがアサドは変わってます。
つまりですよ。
「チェルノブイリ」の4話目、メインとなる一隊では新旧アサドがチームを組んでいたわけですよ…!
興味がない人は「はぁ…」でしょうが、これ特捜部Qファンであれば結構なニュースですよ!?
実際調べたところ、やはりアクラムを演じていたアレクセイ・メンヴェロフでした。これに気付いたおれ、すごくない!?
これはもうバリー・コーガンもアサドを演じるしかない。いやそういう話じゃない。
ということで例によって無駄な話が長引きました。
そろそろ本題に入りたいので例の説明文お願いよ! プリーズ説明文!
- エントリー基準は「その年初めて観た映画」
- その中から勝手にベスト10を選定
- そのため古い映画も入って来るという深まる謎
- さらに生死関係なく、その年に観た映画に出ていた最も良かったと感じた役者さんに主演俳優賞進呈
毎年書いている気がしますが、やっぱり配信(アマプラ・ネトフリ)から摂取するとなると、あれだけ数がありつつもだいぶ偏ってくるなというのを本当に感じた一年でした。要は何百回と書いてますが基本的に「ハリウッド映画」ばかりになり、そしてハリウッド映画に刻み込まれたおなじみの展開に飽き飽きするところまでがワンセット、と。
おまけに去年はアマプラの広告配信が始まり、途中で挟まるだけでも論外な上にひどいときには8分も見させられるのでもう本当に我慢ならん、ということで今年は映画摂取先を変えていきたいと思っています。
現状は鬼のように録り溜めてあるBS録画を選り好みせずに観ていくか、はたまたU-NEXTに手を出そうか思案中です。
「U-NEXTなんか入るんだったらアマプラの広告フリー契約した方が圧倒的に安いやんけ」と思われるかもしれませんが、金額の問題ではなく「有料会員に対してより金を払うように仕向けたシステム」でサービス提供しているAmazonに対する怒りのほうが強い、ということで何卒。
ではここで恒例の前年実績に移りましょう。
去年の鑑賞本数は106本(うち再鑑賞23本)、劇場鑑賞は6本でした。
いろいろあって忙しい時期もあった割には今年もなんとか三桁超え、数字的には悪くないですがちょっと再鑑賞が多めなのが微妙ですね。
その再鑑賞作品は以下の通りです。
- ストレイト・ストーリー(リンチ追悼)
- 特捜部Q 檻の中の女(過去作確認)
- 特捜部Q キジ殺し(〃)
- 特捜部Q Pからのメッセージ(〃)
- 特捜部Q カルテ番号64(〃)
- 不思議惑星キン・ザ・ザ(アニメ版鑑賞のための復習)
- ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(続編鑑賞のための復習)
- オッペンハイマー(理解促進のため吹替版お試し)
- パディントン2(最新作に不満で)
- イコライザー THE FINAL(ストレス解消)
- イコライザー2(〃)
- F1/エフワン(二度目の劇場)
- レイダース/失われたアーク《聖櫃》(シリーズ振り返り)
- インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(〃)
- インディ・ジョーンズ/最後の聖戦(〃)
- インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(〃)
- 侍タイムスリッパー(地上波放送記念で遅れて配信鑑賞)
- ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲(配信終了のため改めて)
- カメラを止めるな!(もう一度観たくなり)
- バック・トゥ・ザ・フューチャー(初の劇場鑑賞)
- バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2(劇場鑑賞の余波)
- トワイライト・ウォリアーズ(配信開始記念)
- F1/エフワン(Blu-ray)(円盤購入記念)
実はこの他に「ラスト サムライ」も観たんですが、BSプレミアムをリアルタイムで観ていたらお昼ご飯後だったこともあってほとんど寝てしまったのでカウントしていません。(前回観たのがブログ開始前なのでレビューも書かないといけなかったのに書けるほどちゃんと観られなかった)
基本的にはシリーズ過去作の振り返りが多いですが、その他で言えば「F1/エフワン」は劇場2回+UHDBlu-rayで計3回、「トワイライト・ウォリアーズ」は劇場1回+配信1回で計2回になります。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は公開40周年(マジカヨ)記念で1週間IMAX&4DX上映が行われたときに、ようやく念願の劇場鑑賞してきました。(もちろんIMAXです)
やっぱ最高だな〜と余韻で2も観たんですが寝不足で眠くなり、3は観ずに寝たある一日の話です。
それと前回のなんプロアワードには「クリスマス映画を観なかったのが心残り」と書いていたことに今気付いたんですが、2025年も観忘れました。ちくしょう。
一応「観ようかな?」と探そうとしたタイミングはあったんですが、今更ながら恋愛映画が多くて「恋愛映画を観る気分にはなれないな…」と避けていった結果何も観ずにクリスマスも終わり、中年男性の残骸だけが残されましたよと。哀しい動物だね。
気を取り直してこちらも恒例の実績振り返りです。
- 2009年 21本(途中から開始)
- 2010年 66本
- 2011年 111本
- 2012年 141本
- 2013年 72本
- 2014年 79本
- 2015年 56本
- 2016年 81本
- 2017年 107本
- 2018年 128本
- 2019年 107本
- 2020年 102本
- 2021年 151本
- 2022年 109本
- 2023年 103本
- 2024年 103本
- 2025年 106本
微増ではありますがまあほぼ一緒です。
ウォチパ流行の2021年は激増しましたが、そのウォチパも亡き今もうベースとしてはこれぐらいなんでしょうね。きっと。
もうちょっと増やしたい気持ちは常に持ちつつ、一方で「観ても結局いつものパターン」みたいに感じることが本当に多くなってきたので、ぶっちゃけ映画鑑賞趣味自体に限界を感じ始めているのが正直なところです。
やっぱり摂取先を変えるなり違うジャンルに手を出すなりした方が良いんだろうとは思いますが、なかなかそれも難しいというかそこまでの意欲がないというか…。元々雑食なので違うジャンルと言ってもグロ系かB級(C級)ぐらいしか思いつかないし…。
以前は「映画なんて一生かけても観きれないぐらいあるんだから飽きなんて来ない」と思っていましたが、実は(日本で一般的に観られる作品においては)その中身が8割方似たようなものと気付いてしまい、新鮮な気持ちで続けていくのもなかなか難しいのかなと思っています。
もちろん僕の視野が狭いことも大いにあると思いますが、しかしやっぱり日本で比較的簡単に観られる≒一般的に流通している映画となるとどうしてもハリウッド系が大半になるので、よほど意欲的な作品でない限りは大体想像の範囲内に収まるものばかりでいい加減この手の作品を追うのをやめないと、映画鑑賞自体に飽きてしまう恐れがあるので本当に何らかの対処をしたいところではあります。
一番鍵になり得るのは古い映画かなと思うんですけどね。もっと古い映画も配信して欲しい…。
もう一つ鍵になるのはドキュメンタリーだと思っていて、その意味ではネトフリに期待したいところ。
実際去年もドキュメンタリーはそこそこ観た記憶があったので数えてみたんですが、再鑑賞を除いた83本中7本という中途半端な結果に。もうちょっと観ないと「ドキュメンタリーいっぱい観たね」とは言えないね…。
ただまあ今こういうご時世で、世の中の変化が著しい&不安定であればあるほどドキュメンタリーの面白みが増すと思っているので今年もドキュメンタリーは追っていきたいなと思っています。
それと今年は大期待作「スパイナル・タップ2」が公開になるはずで楽しみにしていたんですが、少し前に監督のロブ・ライナーが息子に殺害されるという悲劇が起きまして…楽しめるのかそもそも楽しんでいていいのかとつらい気持ちでおります。
本人もあまり違いがわかっていませんが、続いて映画についての総評。本編です。
去年の雑感としては上述の「ドキュメンタリー結構観たな(実際はそうでもない)」という感覚と、もう一つは「邦画を結構観たな」ですかね。
確認のために早速今年もグラフを見てみましょう。

アメリカ映画の多さは相変わらずですが、邦画が10本でこれは過去一だと思います。
少ない年は1本観るか観ないかぐらい邦画は観ない方なので、その10倍と考えるとやっぱり結構観たなと。そのくせ一番話題になって誰もがこぞって観た「国宝」は観ていないという。本当に映画好きなのか!?
続いてエリア別。

去年「トワイライト・ウォリアーズ」を観た直後に自分の中で一瞬アジアアクション映画ブームが来たので、その辺の映画も少し多めに観たような気はします。
まあでも比率的例年とあんまり変わらないですかね。
例のウガンダ映画のおかげでアフリカ映画がランクインしてますが、これは今年はおそらくなくなるでしょう。数も観られる機会も圧倒的に少ないので…。
前回のアワードでは「アメリカ映画はせめて半分ぐらいにしたい」「今年は邦画強化やるか!?」と書いていて、まったく記憶になかったんですが図らずもその方向に進んだようです。
今年はもっとアメリカ映画を減らしたいですが、JAIHOもサービス終了してしまったのでアジア系映画も少し観づらくなってしまい、ちょっと難しいかなぁというところ。
厳密に言うとJAIHOはアマプラ内別料金で継続してはいるんですが、なにせ母体がアマプラになってしまったので加入に対する意欲もだいぶ減退してしまいました。
別料金のサービスってCM入るのかな…。確認のためにもどこかのタイミングで一回入ってみようかなと思いますが。これでCM入ってくるようならもうAmazonマスターカードでデコ切り裂きますよ。マッコールさんみたいに。誰のデコを切り裂けばいいのかはよくわかってないけど。
さあいよいよ迫ってまいりました。選出についての戯言のコーナーです。
すでに選出を終えた結果思うのは、例年と比べると比較的新しい映画が多いかなという印象です。
やっぱりなんだかんだ文句言いつつも時代的に良い映画が増えてきているのか…その辺よくわかりませんが。
まあアレですね、きっと。一部に相当出来の良い映画がある一方で、残りの8割が粗造乱造になっているような。
それと例のウガンダ映画シリーズなんて最たるものですが、今までであれば絶対に一般日本人が観られるところに入ってこなかったような作品でも、インフラが変わったことで目にする機会が増え、その分全体的に世に出るハードルが下がって才能が表に出てきやすくなった、というのは間違いなくありそうです。
とか言ってウガンダ映画は入ってないんですけど。サーセン。
今年も前フリが長くなってしまいましたがいつものことです。
例によって10位からドウゾ。
なんプロアワードベスト10・2025年版
『エベレスト 3D』

有名なエベレスト大量遭難事故をモチーフにした一本。
本レビューはこちら。
自分でもこの映画が入ってくるのは予想外だったんですが、なーんか後々思い返すことが多い映画だったので外せませんでした。
実際にエベレストで撮影したという映像の素晴らしさは言うまでもなく、その雄大な景色と対比するかのようにちっぽけな人間についていろいろ、本当にいろいろ考えさせられた作品で。
去年(この映画に限らず)映画を観ていく中で、一貫して頭の何処かにあったことが「人間の愚かさ」だったような気がしているんですが、その最たるものを見せられたのがこの一本でした。
この「人間の愚かさ」というのは決して自分が賢いから映画に出てくる人間が愚かでザマァ的な観点ではなく、自分に内在している愚かさに向き合う意味でのキーワードと言うか。自分が気付いていない弱さを見つめるトリガーとしての映画。
そのトリガーとして一番優秀で、かつトリガー自体を作ったのがこの映画だったかもなぁと漠然と思い出すわけです。
本レビューにだいぶ言いたいことは書いたので重複する面もありますが改めて書くと、出てくる登山家たちも結末を知っていれば間違いなく違う選択をしていたと思うんですが、その結末を予期できなかったのか、単なる正常性バイアスだったのか、それとも直視したくなかったのか、もしくは「そうなってもいい」と予測しつつその予測の見通しが甘かったのか、いずれにしても圧倒的に過酷な環境の前に思考力を奪われた結果残った欲に負け、悲劇に突き進んでいく登場人物たちは本当に愚かだし人間臭くて、そこが「バカにする」のではなくある種の生物としての哀れさを感じたんですよね。なんて無様で悲しい生き物なんだと。俺も絶対そうだぞと。
この映画の感想で「バカばっかり」とか「自己中すぎる」と言っている人が結構いるんですが、ぬくぬくと自室で観て感じる感覚とはまるで別物の判断がそこで働いていたことに思いを馳せないともったいないと思います。
仮にいわゆる極限状態に陥ったとき、この映画が教訓として思い浮かぶのか、それともまったく意識せず同じ道を突き進むのか。
「こんな状況にならねえよ」と思うかもしれませんが、エベレストには登らなくてもいつ人生を左右する局面に陥るのかは誰にもわからないわけで、その時自らの愚かさに目を向けられるかそれとも“蛮勇”や感情に負けて焼かれてしまうのかはこの映画への向き合い方で変わってくるかもしれないんですよ。ある意味で浮気なんかもそうでしょう。
そんな諸々を考えさせてくれた一本、世間的評価以上に良い映画だなと思いました。
惜しむらくは言うまでも無いですが邦題がクソであることです。これは本当にクソなので蒸し返しておきます。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

マルチバースを救うのはコインランドリーの主婦だった。いきなり言われて宇宙の戦いに巻き込まれるミシェル・ヨー。
本レビューはこちら。
おそらく去年観た中で最もカオスだった一本。
今振り返ってもあんまり覚えていないんですが、当時は当時で大して理解もしてなかったし「すごかった」しか印象に残っていないので結果的に変わりません。
まあなんでしょうね、この映画を評価したくなるのはやっぱり僕の中の“ハリウッド飽き”がそうさせているのは間違いありません。
お決まりのフラグがあり、お決まりの形に収束していく映画に飽き飽きしていたところに「バカヤロウ! 愛だ! 愛を知れ!」と思いっきり殴られたような。
殴られすぎてその愛についてもまったく理解できずに終わったわけですが、でもなんか「俺のことを思って殴ってくれたんだな…(トゥンク)」みたいな。よくわからない感想になっております。
これがアカデミー賞を受賞したのもかなりの衝撃なんですが、そんな看板を除いたとしてもやっぱりとんでもなくぶっ飛んだ映画なので衝撃は変わらなかったと思います。
「言ってることはよくわからないのに面白い」ってものすごいことだと思うんですよ。
もちろん一言一言の意味はわかるんですが、総体として何を言いたいのかよくわからない…でも面白い、っていう。音声ミュートにしながら観る柳沢慎吾の芸みたいな映画ですよ。何言ってるのか全然わからないけど面白いのはわかる、って。
いまだになんで面白かったのかわかっていませんが、「強烈に面白かった」記憶だけが脳に刻まれ、うなされるように9位に選出です。
これは一度観てみた方がいいです。まったく面白さがわからない可能性もありますが、それ以上に「なんかすごい」ってなると思います。
勢いのある映画はやっぱり強い。
『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』

嫌われ教師と嫌われ生徒がホリデーシーズンに居残り寄宿。
本レビューはこちら。
一昨年、某Xで集計された映画ベスト10で最も票を集めた1本。
今思えば去年観たクリスマス映画はこれだったのかもしれない。かなり早めのクリスマスだったけど。っていうか一昨年のクリスマスの方が近かったけど。
作りとしてはオーソドックスで定番の展開を見せる映画ではあります。なので「またベタな映画じゃねーか」と酷評してもおかしくない一本かもしれませんが、そのベタさを超えて良さを感じた作品でもあるのでやっぱりなにか(言語化できませんが)光るものがあったんでしょう。
個人的にこの手の映画に弱い、というのも間違いなくあります。
自分と近しい、すでに先行きがだいぶ見えてしまっている主人公の先生と、逆にこれからいくらでも未来を変えられる生徒との心の交流というのは、主人公も羨ましいし未来がある生徒も羨ましいしでWうらやま。だから良いってわけでもないですが、やっぱり「今の自分の置かれている状況と比べて近いと感情移入しやすいし、若い未熟さも羨ましい」相乗効果でグッと来た面は間違いなくあると思います。
その上で、まったく違う境遇の2人が数日間の交流を通して気持ちを通わせていくのもこの手の映画の定番の流れとは言えグッと来るし、ほろ苦さを感じさせるのも大変良い。
それとこの物語の大きなポイントとしては、やっぱり「居残り組の交流」なのでその他大勢の「居残らなかった帰省組」とはまったく違う経験をすることになる特別感というんでしょうか。
本人たちが感じていたのはある種の疎外感かもしれませんが、実際はその先にかけがえのない経験があった…というのは、いわゆる陽キャたちには得られないであろう経験として陰キャたちを勇気付けるものではないでしょうか。
本レビューにも書きましたが、このクリスマスは残った中心人物の3人にとっては一生忘れられない休暇になったと思うんですよ。
端から見てもそう思える経験を得られる羨ましさもあるし、そう思える物語を描いた映画としての見事さも言うまでもなく、しみじみと良い映画だったなぁと思います。
やっぱりアレですかね、いわゆる「弱者に寄り添う物語」としての良さがあったからこその評価なのかなと。
裏を返せば、これだけこの映画を評価している人が多いということは、この映画がグッと来ないほど日々が充実している人なんてあんまりいないということなんでしょう。
みんなどこかしらで「上手くいかないなぁ…」と感じているものがあって、そのやるせなさに寄り添ってくれる映画なんだと思います。
『フロントライン』

日本初の新型コロナ集団感染の舞台となった、ダイヤモンド・プリンセス号での対応に当たった人々の物語。
本レビューはこちら。
これはもう内容については説明不要だと思うのであんまり書くことがないんですが、やっぱり本レビューに書いた通り、ようやく「現実の出来事を真っ当に描く映画」が日本で作られたという事実一点で最大限評価したくなる一本ですね。
ドキュメンタリーであればしっかりした邦画もたくさんあると思うんですが、こと「史実を再現した映画」についてはあまり良作…どころか作られた映画自体そんなにないのではないかと思っているんですがどうなんでしょうか。邦画に詳しくないので適当な感覚で言っているだけですが。
ジャンルとしてはいわゆるノンフィクションになると思いますが、何かと各方面への忖度や遠慮、タブーの多い日本において、ここまでしっかり当時を実直に振り返る作品は他に観た記憶がありません。
妙にヒロイックだったりしない、地に足のついた内容であることもポイント。
それと同時に、「最近の出来事」であることもすごく大きな意味があると思っています。
関係者がほとんど亡くなったあとに本当か嘘か判断がつかないようなものを作られても、時代も変わりすぎて教訓としても価値が減ってしまうし言葉はアレですが“啓蒙”的な意味合いとしてはあまり価値がないと思うんですよね。多分そういうのは「忘れさせない」とかそっちの方の価値に重きが置かれると思います。おそらく第二次世界大戦関係の映画なんかはそっち寄りの映画になるでしょう。
今作はたった6年前の出来事を描いています。
未知のウイルスの脅威はまた必ず現れるはずだし、そのときにこの映画を観ている人であればおそらく医療従事者の方々の見え方も変わるだろうし、行動も情報の受け方も発信の仕方も変わると思うんですよ。その意義は相当大きなものでしょう。
また僕はご存知の通り観るのは洋画が大半ですが、特にアメリカ映画はこういった「最近の出来事を映画化する」ものが多く、また好きなのでよく観るんですよね。今思い出すだけでも去年観た「ワース 命の値段」とか「コンカッション」とか「ハドソン川の奇跡」とかいろいろあるじゃないですか。
邦画でこういった映画は本当に観た記憶がなくこの手の映画の少なさに不満を感じている側面があったので、なおさら「やっときた!」と嬉しくなったのも大きいです。演技・演出が大仰でないのもとても良かった。
ぜひこれを契機にこういった作品が増えるといいなと思います。
『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』

九龍城砦を巡る因縁と陰謀…とかしゃらくせえ拳で勝負だ!
本レビューはこちら。
「ホールドオーバーズ」が一昨年の1位なら、去年の1位がこの映画だそうです。確かにすごく話題になっていた記憶があります。上映館が少なかったのが今でも残念。
一部漫画のようなファンタジー感はありつつもド派手な格闘アクションは単純に観ていて気持ちがいいし、物語もしっかりと作られていて隙のない一作。その上“あの”九龍城砦を見事に再現したセットで観光気分も味わえて上映時間ずっと楽しい。これはもうヒットしないほうがおかしいぐらいで「香港映画のド定番」になったと言っていいでしょう。格闘自体が嫌いな人以外には万人におすすめできる映画ですね。無駄な色恋が出てこない硬派な作りなのも好きでした。
あとはもうなんと言ってもロンギュンフォン兄貴ですよ。彼の存在無くしてこの映画の良さは無いと思います。ルイス・クー、こんなかっこいい役者だとは思っていませんでした。
とにかく渋い、渋すぎてブイシーです。もう。日常の姿はいい感じに枯れ感を出しつつ、拳を握ると超強いってもうオトコノコみんな好きなやつじゃないですか。おまけに人徳もあるカリスマで。もうこのキャラクターを作ってルイス・クーが演じるのが決まった時点で熱狂が待っていることは約束されていたと言っていいでしょう。
とは言え主人公ではないので若干の物足りなさも感じてしまうのが少々残念。贅沢な客です。チャン・ロッグワンもはよ渋なってもろて。
ちなみに前日譚と後日譚が作られることも決まっているらしいので、兄貴ファンはそれに最大限の期待を持って待ちましょう。
ただ前日譚は若い頃だろうからこの映画でちょっと出てきた回想シーンみたいな、現行ルイス・クーそのままっぽい風貌になりそうでちょっと渋さが足りないかもしれないし、後日譚は事情により兄貴成分はあまり期待出来ないと思われるので過度な期待は禁物かもしれません。
でも楽しみだなー。
それともう一つ、本レビューにも書きましたが誰もが認める香港映画界のレジェンド、サモ・ハンが大ボスとして登場し、しっかり強くて見せ場があるのもとても大きいし良かったと思います。
彼の使い方、すごく上手かったと思うんですよね。きちんと花を持たせつつ、ヘイトも情も集めすぎないキャラクターで。レジェンドを脇役として使う際に最も巧みな使い方だったと思います。そこも含めて良かった。
『ドラゴン×マッハ!』

臓器密売組織を巡って様々な人物が交錯する…!
本レビューはこちら。
久々に自分が描いたジャケ絵を見てひどすぎて笑いました。誰だよ。誰と誰だよこれ。
「トワイライト・ウォリアーズ」と同じく香港アクション映画。どちらを上にするかで悩みましたが、物語の好み的にこちらを上にしました。
「トワイライト・ウォリアーズ」は比較的わかりやすい内容で、込み入りすぎずに誰でも観やすい良さがありましたが、こちらはもう少しだけ込み入った人間関係を元にしていて、はじめはバラバラだった人たちが収束していくスリラー的な良さが印象的。
ぶっちゃけ「記憶に残る」という意味でも「トワイライト・ウォリアーズ」の方が上で、九龍城砦のインパクトやロンギュンフォン兄貴、漫画みたいなラスボスといったわかりやすいアイコンが配されているのであちらを評価したくなるのも十分わかるんですが、こっちはその分通好み…というほど渋いわけではないですが、比較して「アクション以外の部分で映画好きに刺さる」テクニカルな面を持った映画だと思います。
まあこういう企画なので上下をつけましたが、ぶっちゃけ同率5位にしてもいいぐらいどちらも好きです。
ただ「トワイライト・ウォリアーズ」は(個人的に)あまりにも兄貴、ルイス・クーに負うところが大きい映画だったんですが、こちらはオールスターキャスト的な豪華さも見どころだったのは確かです。
マックス・チャンとトニー・ジャーのバトルとかもう鼻血が出そうでしたよ。最高にキレキレでカッコイイ。
アクションは関わっていませんがルイス・クーも出てくるし、おなじみのサイモン・ヤムも出てきて香港映画好きにはたまりません。
監督は「トワイライト・ウォリアーズ」と同じくソイ・チェン。この監督はマジで今後も要チェックやで…!
『ブラックベリー』

セレブ御用達の“元祖スマホ”ブラックベリー、その興亡。
本レビューはこちら。
これも「フロントライン」と同じ文脈と言える、割と近い過去の出来事を脚色込みで作り上げたノンフィクション系の映画ですね。
もーこの手のビジネス系ノンフィクション(他に「AIR」とか)は大好きなので最初から最後まで最高に楽しめたし、何なら鑑賞直後は今年1位もあり得るかもしれないと思ったぐらいにめちゃくちゃ良かったです。未見の方は今すぐ観てほしいぐらいの良作。
「スマホの元祖」と言われる携帯電話を作り上げた会社(人たち)の話ですが、当然今のスマホ状況は誰もが知っていることなので「最終的には市場から消える」ことが始めからわかった上で観ていく珍しいタイプの映画です。でもそこがまたすごく良かった。
主人公は誰もが認める「天才エンジニア」ですが、彼が生み出したものがなぜ市場から消えていくことになるのかを凄まじいテンポで勢いよく見せてくれます。
ただのオタクの集団が、あれよあれよと大企業になっていく過程でいろいろと得たもの以上に失っていくものも大きく、そこに不可逆的で残酷な時代の流れとある種の切なさを感じるという…受け売りの表現で言えば「滅びの美学」みたいなものを感じる話なんですよね。もちろん当人たちは滅ぶつもりもないんでしょうが、なにせ後続の存在が偉大すぎるので滅ばざるを得ないという。なんならこの映画を観ているデバイスが、今この文章を読んでいる人の手にあるものが引導を渡したものだったとしてもおかしくないというのもとても皮肉だし、その皮肉さが得も言われる余韻を残してくれます。
ウワッと上り詰めて一気に消えていく、その儚さをきっちり見せてくれる非常に作りの上手い映画ではないでしょうか。
一番変わらないオタク感が強かったダグを演じていた俳優さんが監督・脚本兼任だった衝撃も忘れられません。
余談ですがラランドのサーヤがこの映画をおすすめしていたと聞いてサーヤやるじゃんと思ったことも書いておきたいと思います。(上から)
この映画、いやらしい言い方ですがいわゆる「ライトではない映画好きが挙げるおすすめ映画」的にいいポジションの映画だと思うんですよね。
カナダ映画で一般的に有名な俳優さんは誰も出てないし。
それでもこんなに面白いんだ! と思わせることで映画好きの扉を開くのにもいいきっかけになり得る良作です。
『リンダ リンダ リンダ』

学園祭に向け、即席バンドでブルーハーツを演奏するぞと練習する女子たちの日常。
本レビューはこちら。
青春映画でもあり、音楽映画でもあり、コメディ映画でもある一本。
タイトルからして一番音楽要素が強そうですが、実は一番脇だったりします。
この映画は…なんでしょうね。多分文章で良さを伝えるのは無理かもしれないですね。
それぐらい、映像としての鮮度や息遣いがとんでもなく良質でもうめちゃくちゃやられちゃったんですよね。
本当に、その時期その高校でそれぞれが過ごした日常をそのまま映像にしました、みたいなリアルさ。それだけ劇的なことは起こらない、普遍的な日常が切り取られているとも言えます。
そこにしっかりと軽快な笑いが混ぜ込まれ、バンドメンバーみんなどんどん好きになってしまう魔力がこもった映画だと思います。
言い方はちょっとアレですが、演者の皆さんのテクニックよりも素体としての魅力を引き出した映画というか…陳腐な表現ですが「等身大」の彼女たちを見事に捉えて、ただの日常なんだけど(観ている方が)もう戻れない“あの頃”をまっすぐ生きている姿を観て眩しさを感じるような。とんでもない傑作です。
一応目的としてはバンドの演奏があるわけですが、メインはそこにはなく彼女たちとその周辺にいる人たちの些細な日常です。
少しずつ距離を縮めていく友達関係だとか、離脱したバンドメンバーとのやり取りだとか、練習で夜中に学校に忍び込む非日常感だとか、甘酸っぺえ恋愛だとか、みんなパンツ見えてるだとか、いろんな高校生活を素直に見せてくれる作りがめちゃくちゃ良いんですよ。
そしてそのどれもがメインではないという。
そう、おそらく「これが中心、これを見ろ」って作りではないのが良いんでしょうね。なんてことない1点のエピソードを100個繋いだら100点になる、みたいな。その100個の連続性の中に生きた人間のリアルな息遣いを感じるんですよ。今なんか良いこと言った!? 言ったよね!?
やっぱりこの映画はその普通感、誰もが持っている思い出に触れるような身近さが何よりも優れているんだと思います。
バンドの到着を待つ場繋ぎの歌を観るときの感覚とか。なんか一緒に体育館で待ってるような気がしてきてその空気感がすごく面白いし応援したくなっちゃう感じとか。風来坊〜♪
ちなみにBlu-ray予約しました。最近円盤はほとんど買っていないので「円盤を買う」だけで相当気に入っていることが伺えます。
元々は推し女優のペ・ドゥナ見たさに借りた映画でしたが、期待以上のとんでもない傑作だったおかげで出ている人たちみんな好きになりました。
ちょい役とは言え「フロントライン」に前田亜季が出てたのも嬉しかったな…。
『Flow』

人類が滅んだ地球で水位上昇に見舞われ、成り行きで流されていく猫たち。
本レビューはこちら。
去年最後に観て、そして唯一満点を叩き出した一本です。
唯一満点なのに1位じゃないのか!? と思われそうですがその辺の話は後述します。
それはそれとしてかなり悩みました。こっちが1位で良いんじゃないか…と。
「観たことがないタイプの映画」という意味では間違いなくこっちです。なにせ動物の鳴き声しか出てきませんからね。それでよくこんなに感情に訴える物語を作ったもんだ…と感心しきりですよ。
とにかく出てくる動物たちが愛おしくて愛おしくて、動物好きとしてこれほどまで胸がいっぱいになる経験はなかなかありませんでした。
少しでも擬人化されていたらここまで感情を動かされなかったことは間違いありません。
どこから切り取っても「本物の動物」にしか感じられない動作と声によってCGに命を宿した傑作と言っていいでしょう。
視覚からは明らかに作り物とわかるCGの映像が入ってくるのに、そこで描かれる動物たちは実際そこに生きているように感じられてしまうというのは、やはり徹底したリアリティと「人間から動物への眼差し」を愛情たっぷりに再現したところにあると思います。
つまり「人間が感情を動かされる動物の所作」をきちんと把握して再現し、それによって個性を作り出しているところがとても上手だしある意味でズルい。犬がもう本当に犬すぎるし猫も猫すぎます。(猫は飼ったことがないので若干解像度が落ちる)
また「人類が滅んだあと」であるのもすごく良くて、それはつまり急に人間が助けてくれる…みたいな展開も無いわけです。
動物たち中心の話になると、割と人間は万能アイテムになり得ると思うんですよね。
「助けに来たぞーっ!」って飼い主が来ちゃったらそれはそれで感動するかもしれませんが、やっぱりこの映画のような動物たちだけでなんとか生き延びるハラハラ感みたいなのは無くなるじゃないですか。「なんだよそれ」ってドッチラケですよ。
あとは単純に「なんで滅んだんだろう」とかちょっとした引っ掛かりを感じさせておくのも上手いですよね。出てくる光景にそのヒントを探したりしちゃうし、旅先で判明するのかな…と集中力を引き出してもくれるし。
人類が滅んだ割に平和な世界なのもなんだかすごく良くて、そのおかげで少し寓話とか神話のような雰囲気を感じさせてくれたと思います。
「人類は滅んだけど動物は生きている世界」となるとやっぱり普通に考えれば戦争かはたまた他の星への移住ぐらいかなと思うんですが、移住はまだしも戦争の跡ががっつり残っているような光景が広がっているとどうしても「今自分が生きている地球の未来」を想像してしまって神話性が薄れる気がするんですよね。
その辺の描写は一切しないおかげでより動物たちの世界を明確に認識するような作りになっているように思うし、それによって「自分たちでなんとかしてほしい」と願いながら、祈りながら観ることになってさらに感情移入が高まるという。そう感じさせるさりげない舞台の作り方が見事でした。
この映画も「観ないと良さがわからない」タイプの映画だと思います。
あんまりピンとこなかった人も結構いるようなので誰にでもおすすめしますというわけではないですが、きっと動物が好きで感情を寄せられる人であれば間違いなく何かしらグッと来るものがある映画ではないでしょうか。
『F1/エフワン』

引退したかつての天才レーサーが元チームメイトに請われ、F1復帰。
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結局去年はこれでしたね。劇場で観たときから「うおおおおおおお今年の1位はこれだな!?」と思いました。
そこに「Flow」が現れて揺らいだわけですが、買ったUHD BDを去年の最後の最後に観て「やっぱりこっちだな」と。
映画通ぶるのであれば絶対に「Flow」を選ぶべきだと思います。事実その考えも少しよぎりました。少しでも良い顔して知的な人に思われたいと。「さすがベタな映画ではなく意欲作を選ぶなんて素敵♡ 抱いて♡」と言われたいと。
もうこっちは王道も王道、ドベタな映画ですからね。でも自分に正直に選ぶならこっちだなと思いました。
「Flow」は「今まで観たことがない作品」という意味では圧倒的に有利で、それ故に映画通ぶるのに最適だなと思うんですが、一方で「超王道の真っ向勝負でここまで良い」のはやっぱり強いんですよ。横綱です。って去年のアワードの「トップガン マーヴェリック」でまったく同じことを言っているわけですが。YOKOZUNA。
「Flow」はどちらかと言うとゲームに近い感覚があって、それはそれで表現としても優れているしアリなんですが、こっちはもう映画の棚のドセンターに置かれ「いいから観やがれ」とこっちをねじ伏せに来ている感じがたまらなかったんですよね。
何度か書いていますが、僕はこの手の「真っ向勝負の力技でねじ伏せに来る実力がある」映画に弱いようです。
やっぱり映画が好きで映画を観ている以上、映画の文脈で最大限の力を発揮しようと全力を注いでいる作品は愛さざるを得ません。
もちろん「Flow」が手を抜いているという気持ちは一切ありませんが、やはり「比較できるものの中で優れている」ものと「珍しい世界の中で優れている」ものとでは判断基準も変わってくるし、そこを勝ち抜いた力量は称賛したいというか。
ちょっと言い方を変えれば、「ちょっとしたアラにも気付くぐらい見慣れた土俵で勝負して優れている」からこの映画はすごいと感じた、とでも言いましょうか。
例えるなら「Flow」は初めて食べてめちゃくちゃ美味しかったフランス料理、「F1」は食べ慣れた味噌汁だけど今まで食べたことがないぐらい美味しい味噌汁だった、みたいな感じです。
大体どれぐらいの味で出てくるのかわかる料理が、その想像を超えてきたときに感動してしまうような、そんな作品だからこそ1位足り得ると思った次第です。
比較の話ばっかりになってしまったので肝心の内容について少し。
改めて年末観直して思いましたが、なんだかんだ言ってこの映画はやっぱり中心となるレースシーンの出来の良さが図抜けているからこそ面白いんだと思います。
単純に迫力があり、そこに駆け引きもあり、人間関係も込められて情報量も多く、そして何よりリアルである、と。
実際に主演2人とも運転しているのもすごいですが、ぶっちゃけそこは見せ方でどうとでもごまかせるところなので二の次だと思います。(当然良さに貢献しているのも間違いないですが)
やっぱり一緒に走る車がいて、実際のレースとしか思えないほどの緊張感とスピード感があり、刻一刻と変わる状況もきっちり描かれどんどん引き込まれていくところに、いわゆる手に汗を握るぐらいのめり込ませてくれるものがあったのかなと。
またレース自体1戦ではなく複数戦出てくるのでツアーを追っている感覚も感じられるし、レースごとにチームや人間関係も変化がある分その情報もプラスされてより感情が高まる作りになっているのもとても上手い。
それと同時に「ツアー」なのでちょっとした旅感があるのも好きでした。ロードムービーまではいかないけどロードを走るムービーなんだしロードムービーでええやろ、みたいな。(雑解釈)
ここまで来たら満点でも良かったのでは…と思いますが、唯一物申したのが恋愛要素。
アレはいらなかったのでは…と今でも思っているのは事実ですが、一方でもうブラピならしょうがなくね? とも思うのでだいぶ許しました。
いくら還暦過ぎてるとは言え、あれだけ仕上がった身体のイケメンでしかもチームを変えた天才となったらそりゃ惚れるのも無理ないわね、と。
それこそ「トップガン マーヴェリック」でもそうでしたが、ずっと一線で活躍している大スターが歳を取っても恋愛する姿を見せることで、世間一般の中年たちにささやかな勇気を与えているんだと思いますね。
「ブラピと比べられると思ってんのか?」「お前はトムクルなのか?」というのはごもっともですが、違うのは百も承知だしそもそも自分にそんな機会があるとも思ってないんですよ。ただそういう物語に触れていないとどんどん男でいることのアイデンティティが揺らいでいってしまう…みたいな恐怖へのサポートなんじゃないかと思いますね。最近。なので「希望」ではなく「勇気」かな、と。
脂っこいものが受け付けられなくなった人間がカルビ食べる動画を観る気持ちと似ているかもしれません。そんな人がいるかは知りません。例えです。
まああとはアレですよね。「そんなことがないのはわかって」ても、0と0.00001ではまったく違うじゃないですか。
「宝くじは期待値低すぎて買う意味がない、でも買わないと当たらない」みたいな話と一緒だと思いますよ。多分。
ブラピを始めとした大スターが還暦すぎても恋愛する姿を観て、当たらないとわかりつつも宝くじが当たった自分を想像するものなんですよ。きっと。
よくわからないけど。
勝手に選出・AOY(Actor Of the Year)
何の話かよくわからない形で終わりましたが、残った最後の項目、恒例のAOY選出です。
今回もかなり悩んで今の今まで誰にしようか決めていませんでしたが、なんだかんだこの人かなぁと思います。
ルイス・クー
去年観た映画で彼が出演していたのはこの3本。
とは言え結局「トワイライト・ウォリアーズ」がすべてです。ロンギュンフォンのかっこよさ…!
もうほんと、レビューにも書きましたが世界一かっこいいタバコキャッチでめっちゃ笑いましたからね。かっこよすぎて。ビシィッ! って音まで聞こえそうでした。
極稀に「このキャラ最高だな!」と思えるキャラクターに出会えることがありますが、そのキャラクターの一人がロンギュンフォンでしたね。
文句無しです。またあんな感じのキャラクター、お待ちしております。

以上、今年のなんプロアワードでした。
途中風呂リダ等ありつつですが書き上げるのにちょうど12時間かかりましたね。それでこの内容かよと思わなくもないですが、長年やってこれなのでおそらく永遠に上達することはありません。っていうかもうあらゆるものが衰えることしかない年齢に差し掛かってきました。
そんな圧倒的な哀しみの中、今年もよろしくお願いします。


